つつがなくの意味とは?
「つつがなく」という言葉を仕事の取引先の相手からのメールなどで見ることがありますが、「つつがなく」とはいったいどういう意味なのかと問われた時に、正しい意味がわからないという人も少なくありません。
「つつがなく」という言葉は童謡「ふるさと」でも「つつがなしや」という風に使われていますが、意味も分からず歌っていたという人が多いはずです。
「つつがなく」という言葉にはいったいどういう意味があるのか、まずは「つつがなく」の意味をご紹介しましょう。
病気や災難などがないという意味
「つつがなく」の意味の一つ目は、「病気や災難などがない」という意味です。「つつがなく」という言葉は仕事関係だけで使われる言葉ではなく、高齢の人などが手紙の中で使うこともある言葉です。
遠く離れていて長い間会っていない親戚や友人などへの手紙やはがきなどに「つつがなく過ごしております」というように書くと「病気や災難などがなく過ごしている」という意味になります。
「つつがなく」を仕事以外の日常生活の中で使うのは、「病気や災難などがない」という意味で使うことが多いと言えます。
無事であるという意味
「つつがなく」の意味の二つ目は、「無事である」という意味です。「つつがなく」には「病気や災害などがない」という意味がありますが、その意味は「無事である」と言えます。
「つつがなく」の意味を「病気や災害などがない」という意味で覚えるのが難しいという場合には「無事である」と覚えておくと良いでしょう。
目上の人などから届いた年賀状に「つつがなく暮らしております」などと書いてあったら「無事で暮らしている」という意味になります。
問題がないという意味
「つつがなく」の意味の三つ目は、「問題がない」という意味です。「問題がない」という意味での「つつがなく」は仕事の報告などで使われることも多いですが、仕事以外の一般的な日常生活でも使われることがあります。
人生につきものの冠婚葬祭の行事などが問題なく執り行われたといった場合にも、「つつがなく」という言葉を使うことがあります。
「つつがなく」はちょっと難しい古い日本語の一つではありますが、現代でも仕事や手紙などの改まった場面では結構使われていると言えます。
つつがなくの由来
「つつがなく」の意味についてご紹介しましたので、次は「つつがなく」の由来についてご紹介します。「つつがなく」の由来は「ツツガムシ」だという説もありますが、「ツツガムシ」は「つつがなく」の由来ではありません。
「ツツガムシ」という言葉より「つつがなく」の方が先にできた言葉であるというだけではなく、「つつがなく」にはちゃんと他に由来があるからです。
「つつがなく」という言葉にはいったいどのような由来があるのか、「つつがなく」の由来についてご紹介しましょう。
病気や災難の意味を持つ「恙(つつが)」が由来
「つつがなく」の由来は病気や災難の意味を持つ古い言葉「恙(つつが)」です。源氏物語などの古い書物の中にも「病気」といった意味で「つつが」ということばが使われています。
平安時代の書物の中では、病気や災難の意味を持つ「つつが」がある場合には「つつがある」と書かれ、「つつが」がない場合には「つつがない」と書かれました。
このように病気や災難の意味を持つ「つつが」が「つつがなく」という言葉の由来になったということです。
つつがなくの類語とその意味
「つつがなく」の由来についてご紹介しましたので、次は「つつがなく」の類語についてご紹介します。「つつがなく」の意味は「病気や災難などがない」「無事である」「問題がない」という意味ですので、似た意味の言葉が類語になります。
「つつがなく」の意味は意外にシンプルですので、「つつがなく」の類語に当たる言葉は結構多いと言えます。
「つつがなく」の類語にはいったいどのような言葉があるのか、「つつがなく」の類語についてご紹介しましょう。
不都合なく
「つつがなく」の類語の一つ目は、「不都合なく」です。「不都合なく」の意味は「都合の悪いことがないさま」という意味で、悪い条件や状況などがないことを表します。
「つつがなく」には「問題がない」という意味がありますので、「不都合なく」は「つつがなく」にとても良く似た言葉だと言えます。
また「つつがなく」は「不都合なく」と言い換えることができますので、そういった点でも「不都合なく」は「つつがなく」の類語になります。
元気に
「つつがなく」の類語の二つ目は、「元気に」です。「元気に」の意味は「体調が良いこと」「活動する気力があふれていること」という意味です。
「つつがなく」には「病気や災難などがない」「無事である」といった意味がありますので、「元気に」は「つつがなく」に近い意味だと言えます。
病気や災難などがないからと言って必ずしも元気いっぱいであるとは限りませんが、手紙などで「つつがなく」の代わりに「元気に」という言葉を使うことができますので、「元気に」も「つつがなく」の類語になります。
健康で
「つつがなく」の類語の三つ目は「健康で」です。「健康で」の意味は「病気にかかっていない健康な状態」という意味ですので、「つつがなく」の意味「病気や災難などがない」に近い意味を持つと言えます。
「健康で」は意味的には「つつがなく」と似ていますが、手紙などにおいてはあまり「健康で暮らしています」などという言い方はしません。
「健康で」は意味的には「つつがなく」の類語だと言えますが、「つつがなく」の代わりには使えないということです。
変わりなく
「つつがなく」の類語の四つ目は、「変わりなく」です。「変わりなく」の意味は「不幸や病気などがなく穏やかなさま」という意味です。
「つつがなく」の意味「病気や災難などがない」に極めて近い意味を持っているため、「変わりなく」は「つつがなく」の類語だと言えます。
また、手紙などでも「つつがなく」の代わりに「変わりなく」を使うことができますので、使い方という点でも「変わりなく」は「つつがなく」の類語になります。
首尾よく
「つつがなく」の類語の五つ目は、「首尾よく」です。「首尾よく」の意味は「都合よく物事が運んでいくさま」という意味です。
「つつがなく」には「問題がない」という意味もありますので、「首尾よく」は「つつがなく」の類語になります。
仕事などで「つつがなく」を使うことは結構ありますが、仕事で「つつがなく」の代わりに「首尾よく」を使うこともできますので、そういった点でも「首尾よく」は「つつがなく」の類語だと言えます。
予定通りに
「つつがなく」の類語の六つ目は、「予定通りに」です。「予定通りに」の意味は「あらかじめ決めていた内容や見込んでいた内容通り」という意味です。
「つつがなく」には「問題がない」という意味がありますので、「予定通りに」はそれに近い意味があると言えます。
「つつがなく」という言葉を仕事などで使う場合、「予定通りに」と言い換えることもできますので、「予定通りに」も「つつがなく」の類語になります。
問題なく
「つつがなく」の類語の七つ目は、「問題なく」です。「問題なく」の意味は「面倒なことにならない」「手間のかかることにならない」という意味です。
「つつがなく」の意味の中には「問題がない」という意味もあり、「問題なく」はストレートに「つつがなく」の類語だと言えます。
また、「つつがなく」は「問題なく」と言い換えることもできますので、「問題なく」も「つつがなく」の類語になります。
差し障りなく
「つつがなく」の類語の八つ目は、「差し障りなく」です。「差し障りなく」の意味は「何も問題がない」「人に迷惑がかからない」という意味です。
「つつがなく」には「問題がない」という意味もありますので、「差し障りなく」もほぼストレートに「つつがなく」の類語だと言えます。
「差し障りなく」という言葉も「つつがなく」の代わりに使って言い換えることができますので、「差し障りなく」も「つつがなく」の類語になります。
つつがなくの英語表現
「つつがなく」の類語についてご紹介しましたので、次は「つつがなく」の英語表現についてご紹介します。日本語には英語表現が難しい言葉もたくさんありますが、「つつがなく」は対応する英語表現がいくつかあります。
「つつがなく」の意味は「病気や災難などがない」「無事である」「問題がない」という意味ですが、これらの意味に対応する英語はちゃんとありますので、意訳ではなく直訳ができます。
「つつがなく」の英語表現にはどのような言葉があるのか、「つつがなく」の英語表現についてもご紹介しましょう。
without incident
「つつがなく」の英語表現は、「without incident」です。「incident」という英語には「災い」「災難」という意味がありますので、それらがないという意味になり、「つつがなく」の直訳英語であると言えます。
他に「safely」という英語も「つつがなく」の英語表現として使われます。「safely」という英語の意味は「無事に」「安全に」なので、「つつがなく」の意味「無事である」の直訳英語になります。
また他に「つつがなく終わりましたか?」という意味で「safe and sound?」という疑問形の英語の言い回しもあります。
つつがなくの使い方
「つつがなく」の英語表現についてご紹介しましたので、次は「つつがなく」の使い方についてご紹介します。
「つつがなく」の意味は「病気や災難などがない」「無事である」「問題がない」という意味ですので、こういったことを伝えたい場合に「つつがなく」という言葉を使うことができます。
「つつがなく」という言葉はいったいどのように使えば良いのか、「つつがなく」の使い方の例文をご紹介しましょう。
例文①
「つつがなく」の使い方の例文の一つ目は、「道路整備工事がつつがなく終了した」という例文です。この例文での「つつがなく」は「無事である」「問題がない」という意味で使われています。
仕事などでは「無事である」「問題がない」という意味で「つつがなく」という言葉が使われることが多いです。
他に「取引先との交渉はつつがなく終わった」などというように、仕事での交渉や取引などに対しても「つつがなく」という言葉を使うことができます。
例文②
「つつがなく」の使い方の例文の二つ目は、「ありがたくもつつがなく暮らしております」という例文です。この例文では「病気や災難などがない」という意味で「つつがなく」が使われています。
遠く離れた親戚や友人、そう遠くなくてもあまり会っていない知人などに対する手紙では、「病気や災難などがない」という意味で「つつがなく」が使われることが多いです。
「悪いことは特になく、元気に暮らしていますよ」といったことを相手に伝えたい場合に「つつがなく」という言葉が使えるということです。
手紙に限らず、口頭でも「つつがなく」という言葉を使うことができますので、高齢の人などの場合は電話口などでも「つつがなく」と言うことがあります。
例文③
「つつがなく」の使い方の例文の三つ目は、「おかげさまでつつがなく生活をしております」という例文です。こちらも「病気や災難などがない」という意味での使い方で「つつがなく」という言葉が使われています。
「つつがなく」は敬語表現というわけではありませんが、ちょっと堅いイメージのある言葉なので、目上の人や仕事の取引先の相手などに対して使われることが多いです。
なので親戚や友人だけではなく、御無沙汰している取引先の相手などに対しても「つつがなく」という言葉を使って「元気でいる」ということを伝えることができます。
例文④
「つつがなく」の使い方の例文の四つ目は、「結婚式はつつがなく終わりました」という例文です。この例文では「問題がない」という意味で「つつがなく」という言葉が使われています。
冠婚葬祭などの催しごとや仕事での行事などに「つつがなく」という言葉を使う場合には「問題がない」という意味で使われることが多いと言えます。
仕事場の忘年会などに「本年もつつがなく業務を終了することができました」などというように挨拶に使うこともできます。
このように「つつがなく」という言葉は一般的な日常生活の中でも仕事の中でも使うことができますので、使う機会があれば使ってみましょう。
つつがなくは病気や災難などがないという意味
「つつがなく」という言葉の意味や由来、「つつがなく」の類語や使い方など色々とご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。
「つつがなく」の意味は「病気や災難などがない」「無事である」「問題がない」という意味ですので、「つつがなく」の正しい意味を理解して正しく使いましょう。