あわよくばの意味とは?
「あわよくば」という言葉を聞いたことがあるという人は意外に多いでしょう。ですが文章の流れから「あわよくば」の意味は何となくニュアンス的にわかっていても、「あわよくば」の正確な意味は知らないという人もいます。
スポーツ中継の実況をするアナウンサーなどの口から時々飛び出す「あわよくば」という言葉ですが、一般的な日常生活の中では「あわよくば」という言葉はそうそう使われませんので、意味が分からなくても仕方がありません。
ですが「あわよくば」の意味は意外にシンプルですので、一度覚えれば忘れることはないというほどです。
「あわよくば」という言葉にはいったいどのような意味があるのか、「あわよくば」の意味についてご紹介しましょう。
上手くいけばという意味
「あわよくば」の意味の一つ目は、「上手くいけば」という意味です。「あわよくば」は人間の希望的観測を表現する言葉の一つで、「上手くいけば」という意味を持っています。
「あわよくば」は希望的観測を表現する意味を持つ言葉ではありますが、「あわよくば」の後に続く文章によっては「あわよくば」を使った文章であっても残念な結果を意味する文章になることも多いです。
このあたりはまた後でご紹介する「あわよくば」の使い方の所で詳しくご紹介しますが、とりあえず「あわよくば」の意味は「上手くいけば」だと覚えておくと良いでしょう。
間が良ければという意味
「あわよくば」の意味の二つ目は、「間が良ければ」という意味です。この「間が良ければ」の「間」は「あいだ」ではなく「ま」と読みます。この「間」とはタイミングのことを指し、「タイミングが良ければ」という意味になります。
「あわよくば」の意味は「上手くいけば」だと覚えておけば充分ですが、それ以外にもタイミングが良いことを表現する「間が良ければ」という意味もあります。
上手くいくためにはタイミングなども大切ですので、「あわよくば」の二つ目の意味「間が良ければ」は一つ目の意味「上手くいけば」に関係があると言えます。
運が良ければという意味
「あわよくば」の意味の三つ目は、「運が良ければ」です。こちらも「あわよくば」の一つ目の意味としてご紹介した「上手くいけば」に関係する表現で「あわよくば」の主な意味の一つです。
上手くいくためには運が必要なこともありますので、「あわよくば」には「運が良ければ」という意味も含まれています。
「あわよくば」には「上手くいけば」「間が良ければ」「運が良ければ」という意味がありますが、「上手くいけば」だけ覚えておけば大丈夫ですので、「あわよくば」の意味は「上手くいけば」だと覚えておきましょう。
あわよくばの由来
「あわよくば」の意味についてご紹介しましたので、次は「あわよくば」の由来についてご紹介します。「あわよくば」の意味は「上手くいけば」だとご紹介しましたが、意味だけではなく由来が気になる人もいるでしょう。
「あわよくば」という言葉は結構古い言葉なので、現代の日本語とは少し違った古語的な表現で、昨今ではあまり使われません。
「あわよくば」という言葉にはいったいどういう由来があるのか、「あわよくば」の由来についてもご紹介しましょう。
間の意味を持つ「あわい」が由来
「あわよくば」の由来は、「間」の意味を持つ「あわい」という古い言葉です。昔は「間」のことを「あわい」「あい」と言っていて、「あわいがよければ」という言葉が「あわよくば」の由来になりました。
「間が良ければ」ということを意味する「あわいがよければ」が時代の変遷に伴って形を変えてきて、「あわよくば」になったということです。
現代でも「間が良ければ」と言うことは時々ありますが、同じ意味を持つ「あわいがよければ」という言葉を使っていたということから、日本人の考え方は昔からそう変わらないということがわかるでしょう。
あわよくばの類語
「あわよくば」の由来についてご紹介しましたので、次は「あわよくば」の類語についてご紹介します。「あわよくば」の意味は「上手くいけば」なので、この意味に似た意味を持つ言葉が「あわよくば」の類語になります。
「あわよくば」の意味「上手くいけば」と似た意味を持つ言葉は結構多いですが、意味合いが似ているというよりは希望的観測を表現するという点で「あわよくば」と似ている言葉が多いと言えます。
「あわよくば」の類語にはいったいどういう言葉があるのか、「あわよくば」の類語についてご紹介しましょう。
もしかしたら
「あわよくば」の類語の一つ目は、「もしかしたら」です。「もしかしたら」の意味は「疑いながら推察する」という意味なので、一見すると「あわよくば」の意味「上手くいけば」とは違います。
ですが実は「もしかしたら」には希望的観測を表現する意味も含まれています。「もしかしたらいいことがあるかもしれない」といった文章にも使えますので、「もしかしたら」には「上手くいけば」という意味もあると言えます。
また「もしかしたら」は良い意味の表現にも使えますので、「あわよくば」の言い換えにも使うことができ、そういった意味で「もしかしたら」は「あわよくば」の類語であると言うことができます。
ひょっとしたら
「あわよくば」の類語の二つ目は、「ひょっとしたら」です。「ひょっとしたら」の意味は「もしかしたら」ですので、「あわよくば」の類語の一つ目としてご紹介した「もしかしたら」と全く同じ意味になります。
ですが「ひょっとしたら」という言葉は「もしかしたら」より希望的観測を表現する場合に良く使われる言葉ですので、「もしかしたら」より良い意味を持つ言葉だと言えます。
「ひょっとしたら」という言葉も「あわよくば」の言い換えとして使うことができますので、そういった点でも「ひょっとしたら」も「あわよくば」の類語になります。
上手くいけば
「あわよくば」の類語の三つ目は、「上手くいけば」です。「上手くいけば」の意味は「能力や機会があればその物事を行うことができるさま」という意味で、「あわよくば」の一つ目の意味と全く同じです。
「上手くいけば」もやはり希望的観測を表現する言葉で、良いことが起きることを期待する場合に使われます。
「上手くいけば」という言葉も「あわよくば」の言い換えに使うことができますので、その点でも「上手くいけば」は「あわよくば」の類語だと言えます。
都合良く行けば
「あわよくば」の類語の四つ目は、「都合良く行けば」です。「都合良く行けば」の意味は「運良く幸いにいけば」という意味で、「あわよくば」の意味「上手くいけば」「運が良ければ」を合わせたような言葉です。
「都合良く行けば」もやはり何かを期待する表現で、「都合良く行けば何もかもが上手くいくかもしれない」といった文章に使われます。
また「都合良く行けば」という言葉も「あわよくば」の代わりに使うことができますので、「都合良く行けば」も「あわよくば」の類語であると言うことができます。
隙あらば
「あわよくば」の類語の五つ目は、「隙あらば」です。「隙あらば」の意味は「隙があったら」という意味で、この「隙」は「時間的な合間」「気の緩み」「油断」を表現する言葉です。
昨今では「隙あらば自分語り」という言い方で知られる「隙あらば」ですので、「隙あらば」は悪い意味でとらえられることも多いですが、「隙あらば」は悪い意味での表現ばかりではありません。
「隙あらば」には「時間的な合間があれば」という意味もありますので、良い意味で使うこともでき、そういった点では「隙あらば」も「あわよくば」の類語だと言うことができます。
機会があるなら
「あわよくば」の類語の六つ目は、「機会があるなら」です。「機会があるなら」の意味は「丁度良いタイミングがあれば」という意味ですので、「あわよくば」の意味「間が良ければ」と同じ意味を持つと言えます。
また「機会があるなら」という言葉もやはり希望的観測を表現する時に使われる言葉ですので、そういった点でも「機会があるなら」は「あわよくば」の類語になります。
「間が良ければ」という意味で「あわよくば」を使う場合には「機会があるなら」と言い換えることもできますので、その点でも「機会があるなら」は「あわよくば」の類語だと言えます。
うまく転がれば
「あわよくば」の類語の七つ目は、「うまく転がれば」です。「うまく転がれば」の意味は「物事が好転して良い結果に結びつけば」「上手くいけば」という意味で「あわよくば」の意味「上手くいけば」と同じです。
「うまく転がれば」もやはり希望的観測を表現する言葉ですので、意味が同じというだけではなくそういった点でも「あわよくば」の類語になります。
また「うまく転がれば」という言葉も「あわよくば」を使いたい場面で言い換えに使うことができますので、「うまく転がれば」も「あわよくば」の類語だと言えます。
叶うならば
「あわよくば」の類語の八つ目は、「叶うならば」です。「叶うならば」の意味は「実現できるなら」「実現するなら」という意味で、「あわよくば」の意味「上手くいけば」とは微妙にニュアンスが違います。
ですが「叶うならば」も良い結果を期待する気持ちが込められた表現ですので、その点では「叶うならば」も「あわよくば」の類語だと言えます。
このように「あわよくば」には意外にたくさんの類語がありますが、そのほとんどが「あわよくば」の言い換えに使えます。
あわよくばの使い方
「あわよくば」の類語についてご紹介しましたので、次は「あわよくば」の使い方についてご紹介します。「あわよくば」には「上手くいけば」という意味がありますので、そういった意味を表したい時に使うことができます。
「あわよくば」という言葉の使い方とはいったいどういう使い方なのか、「あわよくば」の使い方の例文についてご紹介しましょう。
例文①
「あわよくば」の使い方の例文の一つ目は、「あわよくば彼女と仲良くなれるかと思ってお茶に誘ってみたが、良い手ごたえは全くなかった」という例文です。
この例文は「上手くいけば」という意味での「あわよくば」の使い方の例文ですが、期待していたのに期待通りに物事が運ばなかったことを表しています。
「あわよくば」は何かに期待することを表現する言葉ですが、期待したからといって必ずしも期待通りになるとは限らないという例文になります。
例文②
「あわよくば」の使い方の例文の二つ目は、「こつこつと書き溜めてきた小説を出版社に送れば、あわよくば小説家デビューできるのではないかと思ったが、全くダメだった」という例文です。
こちらもやはり「あわよくば」を「上手くいけば」という意味で使った例文ですが、他に「運が良ければ」という意味も含んでいます。
「あわよくば」は色々な事に対する期待を表現しますが、「あわよくば」は結果は良くなかったという文章に使われることが多いと言えます。
例文③
「あわよくば」の使い方の例文の三つ目は、「会社勤めが性に合わず会社を辞め、あわよくば何とか生活できるのではと思って在宅ワークを始めた」という例文です。
この例文での「あわよくば」は「上手くいけば」という意味で使われていますが、先にご紹介した二つの例文とは違ってこの文章では悪い結果は出ていません。
「あわよくば」は良い結果を期待する表現ですので、結果が悪い場合だけでなく結果が良い場合などでも使うことができるということです。
例文④
「あわよくば」の使い方の例文の四つ目は、「上司が退職してポストが空いたためあわよくば昇進をと思って昇進試験を受けた」という例文です。
こちらの例文での「あわよくば」は「上手くいけば」「運が良ければ」という意味で使われていて、悪い結果も出ていません。
このように「あわよくば」は何かに期待する表現ですが、結果が悪い場合にも使えますし、結果が良い場合にも使えます。
あわよくばとあわやの違い
「あわよくば」の使い方の例文についてご紹介しましたので、次は「あわよくば」と「あわや」の違いについてご紹介します。「あわよくば」と間違って使われる「あわや」という言葉がありますが、実はこの二つは全く違います。
「あわよくば」と間違って使われる「あわや」との違いとはいったいどういう違いなのか、「あわよくば」と「あわや」の違いについてもご紹介しましょう。
あわやは「危うく」という意味
「あわよくば」と「あわや」の違いは、「あわや」の意味は「危うく」という意味だということです。「あわよくば」の意味は「上手くいけば」「間が良ければ」「運が良ければ」なので「あわよくば」と「あわや」は全然違います。
ですが昨今「あわよくば」と言うべきところで「あわや」と言ってしまって、年配の人から「それを言うならあわよくばだ」などと叱られる若い人も結構多いです。
「あわや」の意味は「危うく」という意味で「あわよくば」の意味とは全く違いますので、「あわよくば」と「あわや」を間違えないよう注意しましょう。
あわよくばは上手くいけばという意味
「あわよくば」という言葉の意味や類語、「あわよくば」の使い方の例文など色々とご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。
「あわよくば」の意味は「上手くいけば」「間が良ければ」「運が良ければ」という意味ですので、「あわよくば」の正しい意味を理解して正しく使いましょう。