「統括」と「総括」の意味とは?
ビジネスではよく使われている言葉の中の1つに「統括(とうかつ)」という言葉があります。また、会社の中での役職の1つとして統括という言葉が使われる事もあります。
そんな統括という言葉ですが、似ている言葉として「総括(そうかつ)」という言葉もあります。総括にも統括と同様に役職で使われる事もあり、意味も似ているため、意味や使い方を混同してしまう人が多いようです。
そこで今回は、統括という言葉を中心に解説していきます。まずは、タイトルにもなっている統括という言葉の意味について、総括の意味の違いを考えながら解説していきます。
「統括」は「まとめておさめる」という意味
「統括」という言葉の意味には「まとめておさめる」という意味があります。これは、単にバラバラになっている物をまとめるという意味とは少し違います。
これは、ビジネスの中で考えていただくとわかりやすいのですが、統括という言葉が使われる際に「統括マネージャー」や「統括責任者」などのような役職があります。
つまり、統括というのは「バラバラになっている物を1つにまとめてそれをおさめていく」という意味になります。そのため、統括というのは、単にまとめるだけの意味ではないというのを覚えておきましょう。
「総括」は「全体をとりまとめる」という意味
次に「統括」と似ている「総括」という言葉の意味をみていきます。総括という言葉の意味は「全体をとりまとめる」です。これは、意味の通りにバラバラになっている物を1つにまとめる事を意味しています。
例えば、ビジネスにおいては会議を開いた時に様々な意見が出ます。この時に出た意見を1つにまとめる事を「意見を総括する」という風に言います。そのため、先ほどの統括とは違い、総括の場合はうまくまとめるというのが大事になります。
「総括」のもう1つの意味
「総括」の意味は、先ほども挙げましたが「全体をとりまとめる」というのが主な意味になります。しかし、それ以外にもう1つ違う意味があります。それは、政治運動などを「評価する」や「反省する」という意味があります。
これは、政治運動や労働活動のような活動内容を評価する場合や反省点を挙げる場合に総括という言葉を使う事があったようです。ですが、最近ではほとんど使われる事もなく、一般的でもないため、あまり知らない人が多いようです。
「統括」と「総括」の由来
「統括」の意味や「総括」の意味の違いがわかってきたところで、ここからは統括の由来と総括の由来を考えていきます。
この2つの言葉の由来を考えるには、統括と総括のそれぞれの単語の意味の違いや使い方の違いを考えなくてはいけないです。
ここでは、統括と総括のそれぞれ2つの言葉の由来の違いを解説していきます。これを覚える事で、それぞれの言葉を会話で使う際に混同しなくなるため、ぜひ覚えていきましょう。
「統括」の由来
「統括」という言葉は、「統(とう)」という単語と「括(かつ)」という言葉の2つからできています。まずは、統括と総括のどちらでも使われている「括」という言葉の意味や使い方を考えていきます。
「括」という言葉には「ひとまとめにする」というような意味があり、使い方としては「括る」というような使い方があります。そのため、何かバラバラな物をまとめるような意味が強くなります。
「統」には「すべる」というような意味があります。また、使い方を考えると「統一」というような使い方があります。これは、まとめるだけでなく支配するような意味もあり、これが統括の由来にもなっているようです。
「総括」の由来
次に「総括」の由来を考えていきます。「括(かつ)」は先ほども考えたので省略します。「総(そう)」という単語は、同じように「すべる」という意味があります。そのため、同じような意味を持つため混同しやすいのです。
しかし、使い方を考えてみると「総合」というような使い方があります。この中には、「統(とう)」のように支配するような意味合いは強くなく、どちらかというとまとめるという意味が強くなります。
このように、由来がわかるようになると統括と総括の違いがわかるようになります。それぞれの違いをよく覚えておくようにしましょう。
「統括」の特徴
ここからは「統括」の特徴を解説していきます。統括の最大の特徴というのは、意味や使い方にも似てきますが「まとめるだけという意味ではない」という点だといえます。
統括を役職で使う時もそうですが、例えば「統括マネージャー」や「統括部長」のように名前が付くと、その人はまとめるだけではなく、そこでの方針なども決めるということになります。
他にも「統括する」という風になれば、それはまとめるだけでなく最終的な意見を決める決定権もあるということになります。このように、統括という言葉は、まとめるだけではないという事を覚えておきましょう。
「統括」の英語表記
英語の統括は、使い方によって英語の単語が変わるので注意が必要です。まず、動詞の英語の統括は「preside」になります。英語の大統領という意味でもある「president」をイメージしてもらうと覚えやすいです。
そして、統括を役職で使う場合には英語の単語も変わります。「統括マネージャー」の場合には「overall」という英語の単語になります。
「統括管理者」のような場合には「general」という英語の単語になります。このように、英語の統括の場合は役職によって英語の単語が変わるため、注意が必要です。
「統括」と「総括」の使い方
ここまでの解説で「統括」や「総括」のそれぞれの意味の違いがわかってきたはずです。そして、ここからは会話の中での「統括」や「総括」の使い方を解説していきます。
これからビジネスで使う方や今まで使っていた中で、うまく統括と総括の使い分けができていなかった方は、ここでしっかりと使い方を覚えていきましょう。
例文①
まず始めに「統括」の使い方を解説していきます。例文としては「これからこの部署を統括していきます」という使い方ができます。
これは、ビジネスなどでたくさんあった部署を1つに新しくまとめるような場面や部署内での状況を1つにまとめるような場面の時に統括を使います。
また、この場合は「総括」ではなく統括という言葉が使われているため、ただまとめるだけでなくこの部署を1つにまとめ方針を固めていくような意味が含まれています。
例文②
次に解説していくのは、役職として使われている「統括」の例文です。「本日からこのエリアをまとめることになった統括マネージャーです」という作り方ができます。
この場合の統括は、役職として「統括マネージャー」が使われています。統括マネージャーという役職は、様々な意見をまとめるだけでなく、そこから方針を決める事で、みんなを引っ張っていく意味があります。
このように統括の意味が理解できる事で、役職に統括が使われていた場合でもそれがどのような意味があるのかわかるようになります。
例文③
では、3つ目の例文は「総括」を使った例文を解説していきます。使い方は「これから会議の意見を総括していきます」という例文ができます。
これは、会議などで出た意見をまとめるという意味で総括が使われています。また、ここで総括が使われている場合は、中立的にうまく意見をまとめているという意味にもなります。
例えば、これが「統括」が使われていた場合、その場合は意見をただまとめるだけでなく、支配的にまとめるという少し強制的な意味合いが強くなります。この2つの違いをしっかりと覚えておきましょう。
例文④
最後に解説していくのは「総括」の使い方です。例文は「今期の事業成績を総括する」という使い方になります。この場合の意味は、まとめるという意味よりも評価するという意味が強くなります。
総括の意味でも解説していきましたが、ただまとめるだけでなく、評価や物事に対しての反省点を見るという側面も意味に含まれています。
「統括」と「総括」の注意点
「統括」と「総括」の意味や使い方までわかってきた所で、最後に統括と総括を使う際の注意点を解説していきます。まずは、似ている言葉ではありますが、意味がそれぞれ少し違う事は分かったはずです。
しかし、1つだけ使い方によっては同じような捉え方をされてしまう時があります。それは、役職で統括や総括を使う時です。
なぜなら、役職で使われる場合だけは会社の方針による所が大きいためです。そのため、役職で使われる時だけはその会社によっての意味がある事を覚えておきましょう。
「統括」は「まとめておさえる」という意味
ビジネスの現場ではよく使われている「統括」と「総括」ですが、今回は統括という単語を中心に総括との意味の違いや統括と総括のそれぞれの使い方について解説しています。
ここで解説した統括の意味や使い方を覚えておく事で、実際のビジネスの場面でうまく会話に使えるようになるはずです。今まで意識せずに統括を使っていた方もぜひ参考にしてみましょう。