「お申し付けください」の意味は?正しい敬語表現や類語もチェック!

「お申し付けください」の意味は?正しい敬語表現や類語もチェック!

ビジネスシーンで使われる「お申し付けください」という言葉を知っていても、実際のちゃんとした意味はご存じでない方もいらっしゃるかもしれません。今回はそんな「お申し付けください」の意味や類語、使い方や由来、英語での表現などをお伝えしていきます。

記事の目次

  1. 1.「お申し付けください」の意味とは?
  2. 2.「お申し付けください」の類義語
  3. 3.「お申し付けください」の使い方・例文
  4. 4.「お申し付けください」と「仰ってください」の違い
  5. 5.「お申し付けください」の由来
  6. 6.「お申し付けください」の英語表記
  7. 7.「お申し付けください」は「言ってください」という意味

「お申し付けください」の意味とは?

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「お申し付けください」という言葉を耳にしたことは一度はあるのではないでしょうか。「お申し付けください」は「言ってください」という意味です。そして「お申し付けください」は「言ってください」の謙譲語でもあり、目上の相手の要求を聞く姿勢が伺い取れます。

しかし厳密に言うと、「お申し付けください」という言葉は敬語ではありません。その為本当だったら目上の方の言動に対して謙譲語を使ってしまうのは、不適切であると言える言葉です。とは言え、「お申し付けください」は慣用句として使われているのが現状です。

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特にビジネスシーンではよく聞く言葉で、今では当たり前のように使われています。というわけで、相手の言動に対して「お申し付けください」を使っても慣用句としてはアリなのです。

そんな「お申し付けください」の言葉の意味だけでなく、類語や使い方、由来や英語での表記についてお伝えしていきます。参考にしてみてください。

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「お申し付けください」の類義語

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「お申し付けください」は「言ってください」という意味ですが、「お申し付けください」の類語となる言葉はあるのでしょうか。実際、意味を見ると類語は沢山あると予想できます。そして意味は同じで、社内で使えるものや、目上の方に適した言葉などがあります。

今回は「お申し出ください」と「ご連絡ください」、「お知らせください」や「仰せ付けください」の4つの類語をご紹介していきます。それぞれ、同じような意味を持っていますが、中には目上の方や社内では使えない言葉もあるので、要チェックです。

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また、後程「お申し付けください」の英語での表現をお伝えしていきますが、類語を理解しておくと、英語の伝え方に幅が出てきます。最近海外の方と接する機会も増えています。

そういうこともあり、目上の方や社内の上司だけでなく、海外の方とのコミュニケーションも考えて、英語で表現する為に類語を知っておく必要があるということです。

類語①「お申し出ください」

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「お申し付けください」の類語として挙げられるのが「お申し出ください」ですが意味はほとんど変わらないと言ってよいでしょう。相手に「希望」や「要求」を言ってほしい時に使う言葉ですが、「申し出」という言葉自体は名詞なので、謙譲語での表現にはなりません。

そこに「お」を付けることによって尊敬語としての意味に変わるのです。相手から「言い出してもらう」ことを目的としており、失礼にならないような言い方として「お申し出ください」が使われるということです。よって正しい表現であることが分かります。

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例文として使うとしたら「もし、ご質問等ございましたら、遠慮なくお申し出ください」という表現の仕方があります。「質問は何でも聞くので言ってください」という意味になります。

言い出しにくいことも、気兼ねなく質問してもらって構わない、という場合の時に使うと良いでしょう。しかし、使う頻度は「お申し付けください」より低いかもしれません。

類語②「ご連絡ください」

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次に「お申し付けください」の類語として挙げられる表現が「ご連絡ください」です。「連絡ください」の意味として、「相手に連絡を要求している」ということになります。「連絡ください」のままだと、強引で失礼な印象があるので、頭に「ご」をを付けましょう。

そして「こちらで対応いたしますので、お気軽にご連絡ください」という例文から見てわかる通り、「相手の要求を待っている」というニュアンスに見て取れます。相手の需要に応えられるという前提があるので、このような表現ができるというわけです。

「お申し付けください」よりも直接的な表現になるので、聞く側は理解しやすい表現かもしれません。しかし、使う際は相手や状況によっては、強い印象を与えるので注意が必要です。

類語③「お知らせください」

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続いての「お申し付けください」の類語ですが、「お知らせください」があります。「お申し付けください」と意味は同じですが、少し硬さがとれた軽い表現になります。ここから使う相手が変わってくることが分かるでしょう。目上の方に使うのは適さない表現だと言えます。

なので、目上の方に使う場合は「お申し付けください」を使ったほうが良いでしょう。もし社内やビジネスシーンなどで、「お知らせください」という言葉を使う場合は、立場を気にしなくて良い時や、相手に緊張感を与えたくない時が望ましいです。

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また、「お申し付けください」同様で、中立な立場にある際に使っても違和感がない表現だと言えます。誰か特定の人より、社内全体に向けたもので使うとより自然かもしれません。

社内アナウンスなどで「会議の時間が13時から15時に変更になりました。もしご都合が悪い場合、○○までお知らせください。」といった全ての人に向けた発言であれば問題ないでしょう。

類語④「仰せ付けください」

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「言いつける」の尊敬語として存在する表現があり、「仰せ付けください」という言葉です。この「仰せ付けください」も「お申し付けください」の類語だと言えます。意味も同じで、「お申し付けください」よりも更に畏まった言い方になります。

シチュエーションとしては、目上の方に使うのにピッタリな表現だと言えるでしょう。目下の人間が目上の人間に要求する言葉としましては、「お申し付けください」よりも大仰な言い方になるので、使う場面は少ないかもしれません。

しかしながら、「お申し付けください」という言葉と比べると、社内で目上の人間や地位の高い上司などに使う言葉として、失礼にならない表現なので、適切だと言えるでしょう。

「お申し付けください」の使い方・例文

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「お申し付けください」の意味や類語をお伝えしましたが、実際にどのような使い方があるのでしょうか。シチュエーションによっては、「お申し付けください」という言葉を使うタイミングが分からないこともあります。実際に目上の方に使う言葉として適切ではありません。

慣用句として使われているので、問題ないとも言えますが相手によってはやはり考えます。しかし、状況によっては「お申し付けください」を使っても問題ない場合があります。ここからは例文を使って「お申し付けください」の適切な使い方をご紹介していきます。

「お申し付けください」の意味を知ることで使いやすくなるので、まだピンとこない場合は再確認してみてください。類語の意味を知るのも上手な使い方に繋がるので要チェックです。

例文①

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「お申し付けください」の例文をご紹介していきます。「お困りの際は我々の部署にお申し付けください」という表現があります。社内で違う部署の担当に、「要求があればこちらで対応しますので、言ってください」という意味を込めた言い方になります。

シチュエーションとしましては、対面で会話をしている時や電話で連絡している時です。また、例文の意味から読み取れるものとして、目上の方だけでなく、目下の方にも使える言葉だということが分かります。社内やビジネスシーンに合うセリフかもしれません。

この例文から分かりますが、立場を気にしなくていい場合の時や、対等な立場の時に適した言い方だと言えます。またここでは「部署全体」からの発言として解釈できるでしょう。

例文②

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続いての「お申し付けください」を使った例文ですが、「先日お送りした内容にご不明点がございましたら、下記の担当部署までお申し付けくださいませ。」という使い方ができます。ここから、メールまたは書面でのやり取りに使える言葉だということが伺えます。

そして、この例文でも「お申し付けください」という言葉は社内や目上の人間だけでなく、先方や取引先相手に使える表現であることが分かるでしょう。相手の方が気軽に尋ねることができるような配慮があり、悪い印象を与えない言い方になっています。

また他にも中立的な立ち位置や、事務的な要件を伝える時に適した表現だと言うことが伝わります。自分の意見を伝えるというより、代わりに相手に伝えている印象も見受けられます。

例文③

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他にも「お申し付けください」を使った例文があります。「来週行う歓送迎会ですが、欠席を希望される方は明後日までに、幹事の○○までお申し付けください」といった例文ですが、このようなメールや手紙は一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

このように連絡事項で使うことが多い言葉ですが、「欠席を希望する」方に連絡を促していることが見て取れます。また、「その日までであれば、欠席する旨を伝えて頂ければ対応します」という意味も伺えます。見方を変えると欠席希望者に連絡を要求しているのです。

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目上の人間や目下の人間、関係なく全ての人達を対象にした使い方になっています。目上の方にはちゃんとした敬語である必要がありますが、このような場合は問題ないでしょう。

シチュエーションとしましては、社内全体での連絡事項として「お申し付けください」を使っていることが分かります。目上の方を特定していないので、敬語じゃなくてもいいのです。

例文④

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次にご紹介する「お申し付けください」を使った例文も目にしたことがあるかもしれません。「当店ではメニューにない季節限定の料理も提供しております。その時期によってお出しするメニューが変わりますので、お気軽にお申し付けください」という内容です。

今までは社内や取引先とのやり取りで使っていましたが、このような料理屋さんでも顧客相手に度々使われている言葉でもあります。ここでは、定番のメニューではない為、メニュー表に載せることができない特別なメニューが存在していることを示しています。

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そして、「特別なメニューを要求されたら対応します」という意味が込められていることも伝わる例文です。また、避けたい要求というより、受けたい要求として文から感じられます。

そして、この例文だと口頭でも伝わる表現でもあり、紙や看板などに文章として伝えることもできる内容だと言えます。

例文⑤

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「お申し付けください」を目上の方に使う場合、「是非、お役に立ちたい所存ですので、どのような要件でもお申し付けください」という表現の仕方があります。社内の上司もですが、取引先の目上の方に「何でも協力するので言ってください」という意味で伝えています。

本来であれば社内の上司や目上の方に「お申し付けください」を使うのは適切な言葉ではありません。しかし、先程お伝えしたように、相手の言動に対する謙譲語でありながらも、慣用句として用いられているので、問題ないと言えます。

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また、ここでは「相手の力になりたい」という誠意が見えるので、社内の上司や取引先の目上の方から良い印象を与えるかもしれません。

とは言え、社内の上司や目上の方で、言葉の意味を理解されているかもしれないので「お申し付けください」は、敬語ではないということは頭に入れておいた方が良いでしょう。

「お申し付けください」と「仰ってください」の違い

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「お申し付けください」の意味をお伝えしましたが、「お申し付けください」という言葉は厳密には敬語ではないということでした。では、「言ってください」の正しい敬語はどのような表現になるのでしょうか。ここでよく挙げられているのが「仰ってください」です。

ここからは「仰ってください」の意味をお伝えしていきます。また「仰ってください」という言葉は二重敬語になってしまうのかも説明していきます。正しい敬語を理解しておくことで、目上の方や社内の上司に、適切な表現をすることができるでしょう。

そして、この「お申し付けください」と「仰ってください」を上手に使い分けられると、ビジネスシーンなどで、より魅力的な表現ができるので、参考にしてみてください。

「おしゃってください」は「言ってください」という意味

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「お申し付けください」は「言ってください」という意味だとお伝えしましたが、「言ってください」の正しい敬語ではありません。「言ってください」の正しい敬語は「仰ってください」になるということです。その意味についてお伝えしていきます。

まず「言う」の尊敬語ですが「仰る(おっしゃる)」という言葉になります。その「仰る」に「て」という接続助詞が付いて、相手にお願いする時に敬意を表した「ください」が付き「仰ってください」になるということです。

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しかしここで疑問に思うのが、「仰る」と「ください」はどちらも尊敬語だということです。「仰ってください」は二重敬語になってしまうのか気になった方もいらっしゃるでしょう。

実は「仰ってください」は二重敬語になりません。ここからは「仰ってください」が二重敬語ではない意味と、二重敬語自体、意味を知らないという方の為に簡単にご紹介していきます。

「仰ってください」は二重敬語ではない

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まず二重敬語の意味についてお伝えします。二重敬語とは「同じ種類の敬語を、一つの単語に対して二重に使うこと」を意味します。最近ではあまり気にされなくなってきていますが、昔は二重敬語を使うのは正しくないとされてきており、印象が良くありませんでした。

ここからは、先程「仰ってください」二重敬語ではないとお伝えしましたが、その理由と意味をお伝えします。「仰る」と「ください」は同じ尊敬語ではありますが、言葉自体は別の意味を指しています。つまり別々の言葉が組み合わさったものなので二重敬語ではないのです。

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よって「仰ってください」は正しい敬語だということになります。二重敬語自体もあまり厳しく指摘されなくなってきてはいますが、同じ言葉で敬語を重ねると意味が分かりづらいです。

というわけで、相手に意味が理解しやすい言葉を使うという意味でも、二重敬語はなるべく使わない方がいいでしょう。

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「お申し付けください」の由来

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「お申し付けください」の意味や社内や目上の方への適切な使い方などをご紹介してきました。この後は「お申し付けください」の英語での表現をお伝えしますが、その前に「お申し付けください」の由来をご紹介していきます。

「お申し付けください」の言葉の成り立ちや、「もうしつける」自体のそもそもある意味を知ることによって、より深く「お申し付けください」の意味が理解できると言えます。その後に「お申し付けください」の英語での訳を見た方が分かりやすいでしょう。

由来

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「お申し付けください」の意味を理解したところで、「お申し付けください」の由来をお伝えしていきます。先程もお伝えした通り、「言い付ける」の謙譲語ですが、「申し付ける」の意味は「目上の人間が目下の人間に一定の内容のことを言う」ということです。

また、「もうしつける」自体の意味は「命令」や「用を自分側の人間に言いつける」となっています。つまり命令を要求するという見方ができるということです。そこに接頭語の「お」が付き、丁寧な表現になって、「ください」という敬意を表した言葉が付きます。

そうして「お申し付けください」という言葉になったという流れです。意味的にはへりくだった言い方になりますが、今では慣用句として使われているので問題ないということです。

「お申し付けください」の英語表記

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「お申し付けください」の意味や社内や目上の方への使い方をお伝えしてきましたが、「お申し付けください」を英語で表すとどのような表現になるのでしょうか。実際、最近では海外の方と仕事をしたり、お客様としてもいらっしゃるケースが増えてきています。

ここからは「お申し付けください」の英語表記をお伝えしていきます。「お申し付けください」の意味と、英単語の意味をある程度、理解していれば使いやすい表現だと言えます。簡単な英語の例文をいくつかご紹介しますので、参考にしてみてください。

以下の英語の例文は目上の方や社内の上司、サービス業などでお客様に伝える時に使えるものになっています。状況に合わせて英語での「お申し付けください」を使ってみてください。

「質問してください」という意味で考える

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「お申し付けください」ですが、意味を考えると相手に「言ってください」という表現だけでなく、「質問してください」という意味でも考えられます。なので「お申し付けください」を英語で訳す場合は「質問してください」という言い方で伝えた方が、相手も理解できます。

そこから考えると「Please feel free to ask me anything」という英語での表現があります。これは「聞きたいことがあれば、何でも気軽に私に聞いてください」という意味で、「お申し付けください」と同じ意味になることが分かります。

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また他にも「Please let me know anytime if you have some questions」という英語での伝え方がありますが、「質問があればいつでも私に聞いてください」といった意味になります。

また「at your service」を使い「お申し付けください」を意味する英語の表現があり「I am always at your service」という英語表現です。いつでもお申し付けくださいという意味です。

「お申し付けください」は「言ってください」という意味

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「お申し付けください」の意味や類語、使い方や英語での表現の仕方をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。「お申し付けください」は「言ってください」という意味だとお伝えしました。また類語も沢山あり、色んな言い方ができることも分かりました。

特に「お申し付けください」は、敬語ではないということに驚いた方もいらっしゃったかもしれません。「お申し付けください」という言葉は実際、「言い付ける」の謙譲語ですが、ビジネスシーンでは慣用句として使われているので、問題ないと言えるでしょう。

適切な表現として「仰ってください」という言葉を挙げましたが、目上の方などには「お申し付けください」より、「仰ってください」という表現を用いた方が、無難かもしれません。

しかしながら、特定の人ではなく全体に向けたものであれば、使いやすく悪い印象は与えないので、使い方に注意しましょう。是非参考にしてみてください。

すなどりねこ
ライター

すなどりねこ

こんにちは。ふつつかものですが、宜しくお願い致します。

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