ジャストアイデアの意味とは?
ビジネスの場では色々なカタカナ語が使用されていますが「ジャストアイデア」というビジネス用語はご存知でしょうか?「ふと思いついた事」や「頭に浮かんだ事」を発言する時に前置きとして使用されます。
ですので「ジャストアイデア」の意味は「ふとした思い付き」「頭に浮かんだ事」となります。時間をかけて考察したり、しっかり討論した結果のアイデアではなく、瞬間的にひらめいたことを発言する時に使うのです。
「そういえば今、思いついたのですが」というと何だか適当で浅はかな感じに聞こえてしまう恐れもあります。そこで「これはジャストアイデアなのですが」と言い換えることでスマートな感じを出せるという訳です。
ジャストアイデアの対義語・類語
ふとした思い付きや、瞬間的に頭に浮かんだことを意味する「ジャストアイデア」というビジネス用語ですが、ではその対義語や類語はどのようなものがあるのでしょうか?ここでは「ジャストアイデア」の対義語や類語を考えていきたいと思います。
ジャストアイデアの対義語
「ジャストアイデア」のカタカナ語での対義語は無いといえるでしょう。なので日本語で考えてみると「考察」という言葉が当てはまるようです。「ジャストアイデア」が「その場で思いついたアイデア」という意味に対して「考察」とは「じっくりと考えて調べる」という意味を持っています。
ジャストアイデアの類語
「ジャストアイデア」の類語にはどのようなものがあるのでしょうか。日本語の場合「一案」という言葉があります。「一案」とは「1つの案」という意味でそれは時間をかけて出した最終案ではなく、たくさんある中で可能性のある案であることを表すときに使います。
「ふとした思い付き」という意味ではありませんがビジネスの場においては「ジャストアイデア」と同じように使われることが多いです。その使い方は「そういえば、これも一案なのですが」といった感じです。
なお英語での類義は「フラッシュアイデア」というビジネス用語です。「ジャストアイデア」は「ただの思い付き」という感じが強めですが「フラッシュアイデア」は「瞬間的な思い付き」を表す言葉です。
ジャストアイデアの使い方・例文
「ジャストアイデア」の言葉の意味や対義語、類語を一通りご説明してきましたので、ここでは実際に「ジャストアイデア」を使った例文をいくつかご紹介して、その使い方を見ていきましょう。皆さんが実際に「ジャストアイデア」を使う時のご参考にしてみてください
例文①
「ジャストアイデアではありますが、今回の企画商品のメインターゲットが高校生であるならスマートフォンを使うという方法はどうでしょうか」企画会議において議論している時、ふとスマートフォンを活用しては?と思いついたので「ジャストアイデア」という言葉を前置きにして発言しています。
例文②
「テレビ離れが進んでいる今、テレビでのCMよりも電車や地下鉄、バスなどに広告を出すというのはどうでしょうか。働き盛りのサラリーマンをターゲットにした商品なのでそのほうがより効果的かと思います。ジャストアイデアですが」
と、このように発言の最後に「ジャストアイデア」を付けることもあります。「ただの思い付き」ということを強調する表現になるので自分の考えや意見に自信が無い時にこのように倒置法で使われることが多いようです。
例文②
「彼の意見は単なるジャストアイデアですが、もっと深く考察していけば素晴らしい企画になる可能性もありそうです」これは「彼」の案に対して今はまだジャストアイデア、単なる思い付きに過ぎないが、議論を重ねていけば素晴らしい結果を出すことが出来るのではないか、とフォローした発言です。
例文④
「クライアントの質問は多岐にわたり想定していた内容以上のものだったにも関わらず、彼はジャストアイデアに留まらない意見を素早く次々と返していて、彼のキャリアのほどを思い知らされた」クライアントとの話し合いにおいて想定してきた質問が次々と出てきてしまった。
自分はとても焦りを感じたが「彼」はその場しのぎとは思えない受け答えをしていた。きっと「彼」は自身の経験から自分よりもっと色々な質問を想定して今回の話し合いに臨んだのだろう。と「彼」の経験豊富さを感心しているようです。
ジャストアイデアとフラッシュアイデアの違い
「ジャストアイデア」の類語として「フラッシュアイデア」という言葉があることは前述しましたが、あくまで類語であり微妙な違いがあります。ここでは「ジャストアイデア」の類語の「フラッシュアイデア」について考えていきます。
フラッシュアイデアはひらめきという意味
「フラッシュアイデア」は「一瞬のひらめき」という意味になります。「フラッシュ」は「ひらめき」や「閃光」「瞬間」などの意味があります。ですので「一瞬のひらめき」や「瞬間的なひらめき」という感じで使われます。
一方で「ジャストアイデア」は「単なる思い付き」「ふと頭に浮かんだ事」という意味なので「フラッシュアイデア」とは微妙な違いのある言葉です。この2つの言葉の使い方として、どちらをどのように使えば良いのでしょうか。
一般的には「フラッシュアイデア」よりも「ジャストアイデア」のほうが圧倒的に多く使われているようですが、同じような意味の言葉なのでどちらを選んでも問題ありませんが両方とも良くないイメージが強いので使い過ぎないようにしましょう。
ジャストアイデアを使う際の注意点
今までお話ししてきたように「ジャストアイデア」には「思い付き」という意味があり、しっかりとした根拠もなければ、じっくりと考察した結果出した意見ではありません。そういう微妙な言葉なので使い方には多少の注意が必要です。
上司などの目上の人には使えない
前述のとおり「ジャストアイデア」は根拠が足りない、思慮が浅い、その場しのぎというニュアンスが含まれるので上司など目上の人に対して「それはジャストアイデアですね!」などと言ってしまうと「けなしている」と受け取られてしまう恐れがあるので要注意です。
ジャストアイデアの由来・歴史
では「ジャストアイデア」という言葉の由来とは一体どんなもので、いつ頃から使われるようになったのでしょうか?ここでは「ジャストアイデア」の由来と歴史について考えていきます。まずは「ジャストアイデア」の由来からお話ししましょう。
由来
「ジャストアイデア」という言葉は主にIT業界で使用されることが多く、英語の「just」と「idea」を組み合わせた和製英語です。この「just」は「ちょうど○○」という意味ではなく「ただの」という意味で使われています。
「idea」はご存知のとおり「アイデア、考え、思い付き」という意味です。この2つの言葉を組み合わせて「ただの思い付き」「ふと思い浮かんだこと」という意味の「ジャストアイデア」というカタカナ語が出来上がりました。
歴史
「ジャストアイデア」は主にIT業界で使われていることから、その言葉の歴史は浅く約十数年前ほどから使われているようです。「アジェンダ」「インセンティブ」「コミット」「ガバナンス」「エビデンス」などのカタカナビジネス用語と同じくらいから使われ始めたという訳です。
ジャストアイデアの英語表記
先ほどお話ししたように「ジャストアイデア」は和製英語で本当の英語ではありません。では正しい英語で「ジャストアイデア」はどのように表記するのでしょうか。英語での正しい表記、表現は「just an idea」です。
英語の文法を考えると「idea」は名詞ですから、その前には「a」や「an」、「the」などの冠詞をつけなければなりません。また「just an idea」だけでは完全な文章にはなっていません。なぜなら主語がないからです。
「It's」などの主語をつけて「It's just an idea」としなければいけません。もちろん英語の場合でも自分のひらめきを発言する時に使う前置きなのですから「It's just an idea,but~」といった感じで使っても良いでしょう。
ジャストアイデアは思い付きという意味
「ジャストアイデア」とは「単なる思い付き」や「ふと頭に思い浮かんだこと」という意味の言葉です。このあまり良くないニュアンスを含む言葉を使うには使う相手や場面などに十分に注意をする必要があります。
自分の発言にあまり自信が無い時などの前置きとして使う、というのは覚えていますでしょうか?「これは単なる思い付きなので期待しないでください」という意味を含みますので、多用すると「浅はかな発言ばかりする人」と思われるので注意しましょう。
今回は「ジャストアイデア」についてお話ししましたが、この言葉に限らずビジネスの場においてカタカナ語を使う際には、その意味や使い方をよく理解したうえで上手にスマートに使いこなしたいものです。