マリーゴールドの花言葉を覚えよう!
マリーゴールドは、春から夏にかけて鮮やかなオレンジ色や黄色の花を咲かせます。栽培も簡単で、花壇やプランターで長期間楽しめることから、夏の花としてとても人気があります。
マリーゴールドは大輪や八重など様々な種類があり、最近は切り花としても人気があります。そんなマリーゴールドをプレゼントしたい時に気になるのが花言葉です。
今回はマリーゴールドに秘められた花言葉や意味、マリーゴールドの由来や起源、種類別の花言葉、英語名の意味などについてご紹介しましょう。
マリーゴールドとはどんな花?
マリーゴールドは英語で「marigold」といい、夏の花壇に元気よく咲く明るい色の花として人気があります。
マリーゴールドには様々な種類があり、黄色い花やオレンジ色の花を付けます。品種改良も盛んで、最近は白やクリーム色などかわいらしい色の花を付けるものもあります。
そこでここではまず最初に、マリーゴールドの花の名前の由来や伝説、基本データなどについて見てみましょう。
マリーゴールドの基本データ
マリーゴールドの原産はメキシコで、英語名を「marigold」、学名を「Tagetes」といいます。また和名は千寿菊・万寿菊です。日本での開花期は4月から10月で、最盛期は5月から9月となります。
マリーゴールドは一般的に一年草で、草丈は20cmから100cmになります。花の色はオレンジ・黄・赤・白・複色などで、種類によって様々な色があります。
マリーゴールドは、大輪や八重など様々な種類があります。また、独特の香りを発するものがあり、害虫予防になる種類もあります。
マリーゴールドの名前の由来
マリーゴールドの名前の起源や由来についても見てみましょう。マリーゴールドの名前の由来は、聖母マリアにあると伝えられています。
聖母マリアは英語で「Maria」と綴りますが、地域によってはマリーとも呼ばれます。聖母マリアの祝日に咲くことから「聖母マリアの黄金の花」という意味で、「マリーゴールド」と呼ばれるようになったということです。
さらに、マリーゴールドの学名Tagetesの由来についても紹介しましょう。Tagetesは、イタリア半島で紀元前8世紀から紀元前1世紀に栄えた都市国家エトルリアの神、ターゲス(Tages)話に由来します。
マリーゴールドにまつわる伝説
マリーゴールドの起源に関して、様々な由来や伝説があります。ここではその一つを紹介しましょう。昔、カルタという美しい娘が、ギリシャ神話の太陽神アポロンに恋をしました。
カルタはアポロンに恋い焦がれ、アポロンを見つめることに夢中になりました。毎日、野原で太陽を見つめているうちに衰弱し、やがて体が消え魂だけになってしまいました。
そして、カルタの魂はゆらゆらと空に昇り、太陽に吸い込まれてしまいました。カルタが立っていた野原には、跡に1本のマリーゴールドが残されていました。
マリーゴールドの花言葉と意味
ここからは、いよいよマリーゴールドの花言葉と意味について紹介しましょう。マリーゴールドは、明るく華やかな花を咲かせますが、どんな花言葉や意味があるでしょうか。
実は、マリーゴールドは花言葉はいい意味のものと、あまりよくないネガティブな意味のものと両面があります。その花言葉の多くが、先に紹介した伝説に由来しています。
また、マリーゴールドは種類や色によっても花言葉や意味が異なります。それぞれについて詳しく見てみることにしましょう。
花言葉①絶望
最初に紹介するマリーゴールドの花言葉は「絶望」です。明るい花の色に似合わない花言葉ですが、これは先ほど紹介したマリーゴールドの伝説に由来します。
太陽神アポロンに恋したカルタは、太陽を見ることを唯一の楽しみにしていたのですが、雲が太陽を隠してしまいアポロンに会えない日が続きます。そのため、絶望して命を落としてしまいます。
このようなことから、マリーゴールドの花言葉は、「絶望」や「悲しみ」などネガティブな意味のものがあります。
花言葉②別れの悲しみ
マリーゴールドの花言葉には「別れの悲しみ」という意味もあります。この花言葉も、先ほど紹介したマリーゴールドにまつわる伝説に由来します。
太陽神のアポロに恋をしたカルタの悲しみは、絶望するほどつらい悲しみで、命をも失ってしまいます。そのため、マリーゴールドは明るい花の色にもかかわらず、「別れの悲しみ」というネガティブな花言葉が付いています。
花言葉③健康
マリーゴールドは、その由来から「悲しみ」や「絶望」などネガティブな花言葉があるのですが、花の色に合った明るいイメージの花言葉もたくさんあります。
マリーゴールドの花言葉は、花の色や種類によって少しずつ異なるのですが、黄色の色をしたマリーゴールドの花言葉は「健康」です。
「健康」は、マリーゴールドの花が長い期間咲くことと丈夫で育てやすいことに由来します。また太陽神アポロンの健康的なイメージにも関係があります。そのため、黄色いマリーゴールドは、プレゼントにもおすすめです。
花言葉④嫉妬
マリーゴールドの花言葉には「嫉妬」という意味もあります。これには次のような伝説があります。水の妖精クリスティはアポロンに恋をするのですが、アポロンにはすでにウトコエという恋人がいました。
嫉妬したクリスティは、国王である父親に告げ口をしてしまします。それを聞いて怒った王がウトコエを生き埋めにして殺してしまいます。
クリスティは自分のしたことを悔やみ、9日間地面に座ってアポロンを見つめ続けました。やがてクリスティは、太陽に向かって咲く黄色いマリーゴールドに変わったということです。
花言葉⑤変わらぬ愛
マリーゴールドの花言葉には「変わらぬ愛」という花言葉があります。この花言葉は、マリーゴールドにまつわるカルタの伝説や水の妖精クリスティの伝説に由来します。
娘が一途にアポロンを思い続ける気持ちに由来して、マリーゴールドには「変わらぬ愛」や「可憐な愛情」というよい意味の花言葉も付けられています。
花言葉⑥真心
マリーゴールドには「真心」という意味の花言葉もあります。この花言葉は、次のような伝説に由来します。アポロンは美しい姿をした神で、男性からも慕われていました。
あるとき、少年クレムノンがアポロンに恋をし、アポロンも愛しく思っていました。しかしそれを知って嫉妬した雲の神がアポロンを隠してしまいます。
アポロンに会えなくなったクレムノンは、悲しみのあまり死んでしまいました。アポロンはクレムノンを太陽に向かって咲くオレンジ色のマリーゴールドに変えました。
そのような伝説に由来して、マリーゴールドには「真実の愛」や「真心」という花言葉が生まれたということです。
花言葉⑦生命
マリーゴールドには「生命の輝き」という意味の花言葉もあります。これは、「聖母マリア」に由来します。マリーゴールドは、聖母マリアの祝日にはいつも咲いている花だからです。
マリーゴールドは、ひまわりのように太陽に向かって咲き続ける花で、太陽をイメージすることからも「生命」という花言葉が付いています。
英語での花言葉
マリーゴールドは英語で、「marigold」と書きます。マリーゴールドの英語名の花言葉も、日本のものと変わらず、英語でdespair(絶望)、grief(悲しみ)、jealousy(嫉妬)となります。
マリーゴールドは、メキシコでは日本のお盆にあたる「死者の日」に飾る花とされていて、マリーゴールドの英語名には悲しいイメージもあります。
メキシコは、毎年10月31日から11月2日まで「死者の日」という行事が行われます。ユネスコの無形文化遺産にも登録されていて、世界的にも有名な行事です。
各家庭に祭壇が設けられ、カラフルな飾りや伝統的な砂糖菓子、骸骨の人形などが飾られます。この時に使われる花がマリーゴールドで、祭壇やお墓など街中に飾られます。
マリーゴールドには、亡くなった人の魂が迷わずに家に戻って来るという道しるべの意味があります。またマリーゴールドの香りも死者を導くと言われています。
マリーゴールドの色別の花言葉と意味
マリーゴールドにはフレンチ種やアフリカン種など様々な種類があります。花の色は、黄色やオレンジ色の他、最近はクリーム色や白、赤など珍しい色の花も出ています。
マリーゴールドの花言葉は種類や色によって異なります。ここではマリーゴールドの中で一般的な黄色とオレンジ色の花言葉についてみてみましょう。
オレンジのマリーゴールド
オレンジ色のマリーゴールドの花言葉は「予言」「真心」です。オレンジ色のマリーゴールドは、「太陽の花嫁」とも呼ばれています。明るい太陽にふさわしい色です。また、先に紹介した少年クレムノンの伝説にも由来します。
「予言」という花言葉の意味は、マリーゴールドの名前が聖母マリアに由来することにあります。そのためマリーゴールドは神聖な花と見なされていて、「予言者の花」と言われています。
黄色いマリーゴールド
黄色のマリーゴールドの花言葉は「健康」「可憐な愛情」です。一方で「下品な心」というネガティブな意味の花言葉もあります。
キリスト教の世界観では、黄色は不吉な意味を持つ色とされています。イエス・キリストには13人の弟子がいたのですが、その一人ユダがキリストを裏切り、その結果、キリストは十字架に処せられます。
この時ユダが黄色の衣を身に着けていたことから、黄色は裏切りなどネガティブなイメージの色として見られています。
マリーゴールドの花は、ユダの裏切りには関係ないのですが、黄色の色をしているため「下品な心」のようなネガティブな花言葉が付けられています。
マリーゴールドの主な種類
マリーゴールドは多種多様で、フレンチやアフリカンという名前が付いたものがあります。また品種改良も盛んで、様々な種類のマリーゴールドがあります。一般的に育てやすく、ガーデニングに人気があります。
フレンチマリーゴールド
フレンチマリーゴールドは、草丈が低く、いくつにも枝分かれがする種類です。メキシコからフランスに渡り、フランス王室の庭園で育てられていた花です。
フレンチマリーゴールドは、アフリカンマリンゴールドの花と比べると少し小さいのですが、花付きがよくたくさん花を咲かせます。
フレンチマリーゴールドの花の色は、黄色やオレンジ色が一般的ですが、斑入りのものもあります。一重の他、二色咲きや八重先など様々な種類があります。
フレンチマリーゴールドの花言葉は、「いつも側に置いて」です。かわいらしく小さな花を付けるため、このような花言葉が付いたようです。
アフリカンマリーゴールド
アフリカンマリーゴールドは草丈があり、大輪の花を咲かせる種類です。16世紀から17世紀頃にメキシコからスペインに持ち込まれ、北アフリカに広がったことから、アフリカンマリーゴールドと呼ばれています。
アフリカンマリーゴールドは、日本に最初に持ち込まれた品種で、長く親しまれています。八重咲で大輪のため、見映えもいいのが特徴です。
アフリカンマリーゴールドの花言葉は「逆境を乗り越えて生きる」です。この種類は、ヨーロッパやアフリカなど様々な環境で育てられた種類で、丈夫で栽培しやすいことからこのような花言葉が付きました。
アフリカンマリーゴールドにはバニラと呼ばれる白い花を付ける種類があり、人気を呼んでいます。八重咲きのかわいい花で、耐暑性があり晩秋まで楽しむことができます。
メキシカンマリーゴールド
メキシカンマリーゴールドは品種改良されたもので、和名を細葉孔雀草といいます。葉が細く羽のように広がっているのが特徴です。
草丈が低く約15cmほどです。カーペットのように地面に広がり、直径が2cmから3cmの小さな可愛らしい花を付けます。
主に一重で、花の色は黄色やオレンジ色、赤などです。メキシカンマリーゴールドは暑さに弱いので、涼しい地域で育てる必要があります。
レモンマリーゴールド
マリーゴールドは一般的に1年草なのですが、宿根性のものもあります。レモンマリーゴールドはその一つで、冬を越すことができます。冬に葉を落とし、春に芽を出し花を咲かせ、晩秋まで楽しめます。
病気も少なく丈夫で、育てやすい種類のマリーゴールドです。レモンマリーゴールドというと、レモンの香りを想像しますが、実際には濃厚なマリーゴールドの香りがします。葉はお茶にして飲むことができます。
マリーゴールドを好きな人に贈るのは注意!
マリーゴールドは英語で「marigold」といい、黄色やオレンジ色など華やかな色の花を付けます。その姿とは裏腹に、「嫉妬」や「絶望」などの花言葉があるので、マリーゴールドを贈るときは注意が必要です。
マリーゴールドには色や種類によっては「健康」や「可憐な愛情」という花言葉もあるので、贈り物にするときには色を選ぶといいでしょう。