灯台もと暗しの意味とは?
誰もが1度は目にしたり、聞いたことのあることわざ「灯台もと暗し」。ですが、大人の方でも灯台もと暗しの意味をしっかり説明できる方が少なく、正しい使い方をしていない方も多くいます。
ことわざである「灯台もと暗し」の意味は「身近にありながら見えにくいこと」です。答えは意外と自分の近くに隠れている意味があり、ビジネスシーンやプライベートなどあらゆる場面で使用できることわざです。
自分の身近にありすぎて、わかっていなかったことが判明したときに「灯台もと暗し」を使う場面が多いです。小説でも最後に思わず人物が犯人だった場合、「灯台もと暗しだ」という使い方をされます。
灯台もと暗しの対義語・類語
日本の言葉にはほとんどに対義語と類語が存在し、単語を学ぶ際に合わせて覚える方が多くいます。対義語、類語を覚えておくことで使い方も簡単になり、灯台もと暗しの意味をしっかりと把握していることにも繋がります。
今回はそんな灯台もと暗しの対義語、類語を詳しくご紹介します。灯台もと暗しを知る前に学んでおくことで「灯台もと暗し」の意味をより深く知ることができるので、最初に目を通しておくのがおすすめです。
灯台もと暗しの対義語
対義語とは「灯台もと暗し」の反対の意味をもつ言葉のことを言います。灯台もと暗しの対義語は、存在していません。辞書にも記載がなく、灯台もと暗しは類語表現は多数あるものの対義語は1つもありません。
灯台もと暗しの対義語はありませんが、会話の中で反対の意味を持つ言葉を話すことがあります。また、原則として対義語とは言いませんが「灯台もと暗し」と意味が対なることわざもあります。
灯台もと暗しは英語、中国語でも利用されていることわざですが、対義語も存在していません。そのため、灯台もと暗しの対義語という認識ではなく、反対の意味合いの言葉を探しましょう。
灯台もと暗しの対義語はありませんが、反対の意味を会話で伝えたい場合は対義文章を利用しましょう。例文として「自分から近いところは気付きやすい」が挙げられます。
灯台もと暗しの対義語がないので、灯台もと暗しの意味である「近い事は気付きにくい」の反対の言葉を伝えれば対義文章となります。対義語がないことに困っている方は、対義文章を利用してみてください。
こちらも灯台もと暗しの対義語ではありませんが、対なる意味を持つことわざが「木を見て森を見ず」です。対義語ではないので注意が必要ですが、遠くの方まで見渡せていない、全体を見ることができていないという意味です。
灯台もと暗しの類語
先ほども紹介した通り、灯台もと暗しには類語がたくさんあります。対義語は1つもありませんが、灯台もと暗しと似たような意味を持つことわざがあります。よく知られている類語が「傍目八目」です。
類語である傍目八目は囲碁からうまれた四字熟語になり、灯台もと暗しの類語として最も有名です。囲碁は対戦相手の次の手を読んで勝ち進んでいくゲームになりますが、実際は試合を見ている第3者のほうが流れを読みやすいです。
そんな囲碁の試合の流れを四字熟語として表したのが「傍目八目」です。ビジネスでも複数人で会議を行うのはこの傍目八目の効果を期待しているとも言われています。会話でもよく使用される四字熟語です。
灯台もと暗しの類語はもう1つあります。あまり知られていない類語ですが、「自分のまつ毛は見えない」という表現です。自分が伴っているものは見えにくいものの意味として言われる言葉でもあります。
灯台もと暗しの類語でも、似たような意味を持つ言葉でもあります。自分の目は視界に入るものは何でも見ることができますが、1番近くにあるまつ毛はなかなか見ることができないことからきた言葉です。
灯台もと暗しをはじめ、類語である「自分のまつ毛は見えない」は、他人の欠点には気づきやすいが、自分自身の欠点は気づきにくいという意味でも使用されます。類語と合わせて覚えておくのがおすすめです。
灯台もと暗しの使い方・例文
灯台もと暗しは由来、そして意味をしっかりと把握してことで使い方がわかります。由来や意味を知らない場合は、間違えた使い方をしていることもあるので、例文を利用して使い方をしっかりと把握しておきましょう。
今回はそんな「灯台もと暗し」の使い方を例文を使ってご紹介します。例文でわかりやすくお伝えしていくので、灯台もと暗しの使い方がわからない方は、この例文を参考にしてみましょう。
例文①
灯台もと暗しは、ビジネスシーンでよく使用されることわざでもあります。ビジネスミーティングや企画会議で「灯台もと暗しだったね」という使い方が一般的です。上司が使う言葉に驚かないように気を付けましょう。
ビジネスシーンで利用する例文は「こんなところからアイデアが生まれた。灯台もと暗しだね」や「アイデアは身近にあるというが、灯台もと暗しで案外気づきにくいものだ」などがあります。
ビジネスシーンではさまざまな場所に思いもよらなかったアイデアがあります。会議や上司との会話でもよく聞かれるフレーズでもあり、灯台もと暗しは便利に使用することができます。
ビジネスで使用する灯台もと暗しは由来や意味をしっかりと受け継いでいるので、使い方に注意が必要です。今まで思ってもいなかったアイデアが浮かんだ時に、誉め言葉としても使用されることわざです。
また、日々の開発作業で思わぬ場所からヒントを得た場合も「灯台もと暗し」を使うシーンが多くあります。ビジネスでよく聞く単語でもあるので、新人社員の方は予め知っておくのがおすすめです。
灯台もと暗しを使用した例文はまだまだたくさんあり、自分の身近にあって今まで気づかなかった大発見をした場合は「灯台もと暗し」を使って会話をしてみましょう。意味、由来を把握しておけば会話も成り立ちます。
例文②
灯台もと暗しということわざは、家や外出先で探し物をしているときにも利用できる言葉になります。探し物を見つけた際に灯台もと暗しを使う使い方はしっかりと意味、由来を把握している証明にもなります。
例文としては「ずっと探していた指輪が、灯台もと暗しで結局机の上にあった」となります。例文のように指輪はもちろん、ネックレスや財布など忘れ物を見つけた場合に使用することができます。
例文のように探し物が見つかったときに「灯台もと暗し」を利用する使い方は、ずっと探していたことがポイントになります。すぐ見つかった場合に「灯台もと暗し」を使った文章はあまりでてきません。
ずっとアイテムを探し、ふとした瞬間に目線を変えただけで見つかった場合を指します。こんなとこには置いていないと思っていた場所で見つかった場合も「灯台もと暗し」を使って表すこともあります。
また、探し物の場合は違う表現でも「灯台もと暗し」が利用できます。例えば「こんな簡単なことでこれほど時間を使ってしまっていたとは、灯台下暗しだ」となります。
例文③
灯台もと暗しは、初めてお店を見つけた場合も会話に入れることができます。会社や自宅の近くでいつも通っている道にはもちろん、いつもと少し違う道を通って良いお店を見つけた場合も「灯台もと暗し」が当てはまります。
お店を見つけた場合の例文は「こんなところにラーメン店があったなんて知らなかった。灯台もと暗しだ」、「職場の近所にこんなにおいしいお店があったなんて、灯台もと暗しだね」の使い方です。
灯台もと暗しは誉め言葉として採用されることわざでもあるので、目上の方と会社の付近で食事を楽しむ際にも利用できる会話文です。会社付近で美味しいお店を見つけたら、先ほどの例文を利用して「灯台もと暗し」を使ってみましょう。
先ほどの例文のように長い会話でも良いですが、「こんな素敵なお店があったとは、灯台もと暗しだね」と短く言ったり、「灯台もと暗しだね」と一言言うだけでも相手に気持ちを伝えることができます。
灯台もと暗しは意味、由来を知っているからこそ出てくることわざでもあるので、知的に見せたい方にもおすすめです。友達や、会社の人と今まで知らなかったお店に訪れた際は使ってみてください。
例文④
灯台もと暗しは目には見えない感情に気づいたときにも使用することができます。普段、自分が気づかない間にうけている感情に気づいた瞬間、「灯台もと暗し」を使った会話が成り立ちます。
例文としては「灯台もと暗しではないが、普段は見えない家族からの愛情に感謝すべきだ」、「友情への大切な感情に気づけた、灯台もと暗しだ」などとさまざまな使い方を利用することができます。
灯台もと暗しはそういった心温まる会話でも使用することができるので、日本人として覚えておくべきことわざでもあります。友人、家族へはもちろん、夫婦の間でも利用できることわざです。
家族愛、友達、夫婦では普段気づかないような相手への感情を深く感じる瞬間があります。もともと目には見えない感情ではありますが、灯台もと暗しの意味、由来にはしっかりと当てはまっているので利用することができます。
愛情を表現する場合に灯台もと暗しを利用する場合は、相手にもしっかりとその意味を把握してもらうのがおすすめです。その意味を理解していない方へは少し意味合いが変わってしまいます。
灯台もと暗しと灯台下暗しの違い
今まで「灯台もと暗し」と表現してきましたが、インターネットのサイトや辞書によっては「灯台下暗し」と表現されている場合もあります。初めて灯台もと暗しを調べる方は、この灯台もと暗しと灯台下暗しに困惑する方が多くいます。
灯台もと暗し、そして灯台下暗しの違いとしては、見た目でもわかるように「灯台もと暗し」を漢字表記にしただけの違いです。そのため灯台もと暗しと灯台下暗しは、意味や由来はまったく同じになります。
灯台もと暗しは通常ひらがな表記で記載されている場合が多いです。ですが、たまに「灯台下暗し」と漢字表記で記載されている場合もあるので、同じ意味、由来と把握して読むようにしてください。
灯台もと暗し、灯台下暗しと意味、由来が同じなので自分の覚えやすい方を覚えるのがおすすめです。灯台下暗しの「下」という感じは灯台もと暗しの由来が大きく関係しているので、頭の片隅に覚えておくのもおすすめです。
灯台もと暗しはあまり手紙やメールで打つようなことわざではありません。灯台もと暗しは会話文として利用することわざになるので、正しい漢字を知らない方が多くいます。
灯台もと暗しを使う際の注意点
さまざまな場面で利用できることわざ「灯台もと暗し」。灯台もと暗しは使い方を間違えると違った意味になってしまうため、ビジネスシーンなどでは少し気を使ってしまうことわざでもあります。
今回はそんな「灯台もと暗し」を使う際の注意点をご紹介します。灯台もと暗しは基本的に意味、由来に関連した漢字が設置されているので、漢字を間違えてしまうと違った意味になってしまいます。
灯台元暗しでは使えない
先ほども紹介した通り、灯台もと暗しの正しい漢字は「灯台下暗し」となります。ですが、多くの人が「灯台元暗し」と勘違いしている方がおり、灯台元暗しでは正しい意味でことわざを使うことができません。
灯台元暗しだと本来の語源の意味が全く無くなってしまうので、漢字の間違いには注意が必要です。灯台もと暗しの「灯台もと」とは灯台の下を意味しているので、元だと違った意味合いになってしまいます。
灯台もと暗しを文字で表す場合、灯台元暗しと表現すると先ほどの例文の意味も違ったものになるので注意しましょう。元とはその物の真下あたりの部分をさすので、灯台もと暗しとは違う意味があります。
後ほどお伝えしますが、灯台もと暗しは「ろうそくを置く台の下が暗くてよく見えない」という由来からつけられたことわざとなっているので、漢字の間違いは注意が必要です。
正しい意味を把握して、ことわざの歴史や語源をしっかりと確認していれば、間違いを防ぐことができます。また、周りで間違えている人がいれば指摘することができます。
灯台もと暗しの語源・歴史
日本で有名なことわざである「灯台もと暗し」は、それにまつわる語源や歴史がしっかりとあります。灯台もと暗しは歴史の古いことわざとなっているので、昔の風景を思い出しながらことわざの意味を確認してみるのがおすすめです。
今回はそんな灯台もと暗しの語源や歴史について詳しくご紹介します。灯台もと暗しの語源、歴史をしっかりと把握しておくことで使い方がわかり、あらゆる会話でも出すことができるのでぜひ1度目を通してみてください。
語源
灯台もと暗しの語源は「燭台」からきています。灯台もと暗しの「灯台」を、海や港に設置されている灯台と思っている方も多いですが、意味や歴史を学んでいくと正しい語源は「燭台」からきているとわかりました。
燭台は江戸時代に広く使用されていた「ろうそく台」のことを指します。江戸時代では電気がなく、夜の明かりとして一般家庭でも広く使用されていたのが「ろうそく」です。
灯台もと暗しの語源である燭台は、ろうそくの芯を垂らした受け皿に油を流し入れ、火をともし周囲を照らす道具として用いられていたものになります。燭台に設置されたろうそくの炎は周りをぼやっと照らしてくれます。
ですが、ろうそくの炎は周りを照らしてくれるものの、真下の足元はまったく照らすことができません。そのことが「灯台もと暗し」がうまれた語源でもあり、日本の文化が作り出したことわざということがわかります。
灯台もと暗しの語源である当時の灯台は、高い場所から周りを照らすアイテムとして使用されていました。手に持って移動することが少なかったですが、建物の真下は真っ暗で死角にもなっているので、注意すべき場所としても認識されています。
歴史
灯台もと暗しの歴史ははっきりと記載されていないので、最初に使われたのがどの時期なのかはっきりとわかっていません。ですが、江戸時代の書物にすでに記載があったことから、遅くとも江戸時代には使われていたことわざとして知られています。
灯台もと暗しの語源、由来でもわかるように灯台もと暗しは江戸時代に使用されていた「燭台」が大きく関わっています。江戸時代以前にこの燭台はあまり広く知られていなかったため、灯台もと暗しの始まりは江戸時代と考えられます。
灯台もと暗しは最初、海や港に設置されている「灯台」が考えられていました。ですが、江戸時代に記載されている「灯台もと暗し」の時期と、日本で初めて灯台が設置された1868年では時期が合いません。
そこから、「灯台もと暗し」とは海に設置されている灯台ではなく、江戸時代に利用されていた「燭台」だと正しい語源が判明します。ことわざの歴史はまだまだ判明されていませんが、語源ははっきりとしています。
現在は、灯台もと暗しの歴史は「江戸時代」と認識されています。下方向の光が弱い状況でうまれたことわざですが、現在でもしっかり受け継がれている日本の歴史あることわざです。
灯台もと暗しの英語表記
日本古来のことわざである「灯台もと暗し」ですが、英語や中国語でも表現できる言葉になります。英語、中国語でも灯台もと暗しの語源が一緒なので、使い方や例文も同じような作りになっています。
灯台もと暗しの英語表記は「It’s hard to see what’s under your nose」となります。英語では灯台もと暗しの比喩的な表現を用いており、和訳すると「鼻の下にあるものは見えにくい」という意味になります。
英語表現でもある灯台もと暗しは、日本と同じようにビジネスシーンで利用されることが多いです。例えば、同じ仕事場の人がミスをしているが、本人は気づかずに仕事を進めている場合「間違っている」と教えてあげましょう。
その場合、英語では「It’s hard to see what’s under my nose! Thank you」と感謝されるに違いありません。灯台もと暗しの語源と同じ意味で近くにあるものが見えなかった、指摘してくれてありがとうとなります。
英語の「灯台もと暗し」の表現は現在でもよく使用されている言葉になります。これから海外へビジネスで訪れる場合は、その一言を覚えておくのがおすすめです。
灯台もと暗しの中国語表記
灯台もと暗しは中国でも使用されていることわざになります。灯台もと暗しを中国語で表現すると「丈八灯台照远不照近」になります。漢字のニュアンスから灯台もと暗しと同じ語源を持つことがわかります。
灯台もと暗しは中国でもビジネス、そして探し物を見つけた場合によく利用されている表現になります。中国でも同じ意味で使用されているので、そのまま例文に当てはめて会話するのがおすすめです。
中国語の「丈八灯台照远不照近」は、ビジネスシーンでよく聞くことができます。日本と同じように新しい斬新なアイデアが浮かんだ場合や、今まで見てこなかった部分で驚くほどの発見をした場合に利用できます。
灯台もと暗しの中国語である「丈八灯台照远不照近」は、発音がとても難しいです。中国でビジネスに訪れる場合は、事前にインターネットで発音の練習をしておくのがおすすめです。
灯台もと暗しは「身近にありながら見えにくいこと」という意味
古くから日本に伝わることわざ「灯台もと暗し」。灯台もと暗しは「身近にありながら見えにくいこと」、「自分の身近にあるものに気づきにくいこと」という意味が込められています。
灯台もと暗しを使用する例文はたくさんあります。灯台もと暗しのほとんどがビジネスシーンに使用されており、使うことで知的に見せることができます。この記事を参考に「灯台もと暗し」を覚えて会話に使ってみましょう。