筋トレに最適なインターバルを知っておこう!
筋力アップのために必要な筋トレは、インターバルを挟んで行うのが一般的です。多くの筋トレの説明でも出てくるインターバル。そもそも筋トレのインターバルとは一体どんな意味なのか、また、筋トレ中のインターバルにはどんな意味があるのか。
今回は、筋トレのインターバルについて詳しく紹介します。また、インターバルの取り方によって期待できる効果や、おすすめの筋肥大トレーニングメニューなども必見です!
筋トレのインターバルとは?
そもそも筋トレで使われるインターバルという言葉は何を指すのでしょうか。また、筋トレのインターバルにはどんな意味があるのでしょう。筋トレにおけるインターバルについて基礎的なところを抑えておきましょう。筋トレのインターバルを3つのポイントでご紹介します。
各セット間の休憩時間
筋トレメニューのインターバルとは、筋トレのトレーニングにおいて、各セットの間にとる休憩時間の事です。例えば腹筋やスクワットなど1セット15回を行った場合、2セットめの15回を開始するまでの間に休憩を取ります。これが筋トレのインターバルです。
筋肥大を目的とした場合しっかりとインターバルを取る
筋肥大を目的として筋トレを行う場合、筋トレのメニューにおけるセット間のインターバルは、しっかりと取ることが必要です。
インターバルを短くとった鍛え方は、自分を追い込んでいる感じがあり、中毒性があります。インターバルを短くすることは、筋肉がとても効率的に鍛えられているように勘違いしてしまいがちです。しかし、筋肥大を目的とした筋トレの場合、短いインターバルは非効率的です。
一概にどのくらいが短いインターバルで、十分に長いインターバルとはどれくかいかということははっきりは言えません。
例えばアームカールのような比較的小さい部位の筋トレする場合は、スクワットやデッドリフト、ベンチプレスBig3と言われる大きな筋肉を刺激するトレーニングと比べると筋肉の疲労回復にかかる時間は短くてすむので、より短いインターバルでも効果的に筋肥大させることができることになります。
いずれにしても、筋トレメニューで筋肥大を目的とする場合は、しっかりとインターバルをとったトレーニングを行うようにしましょう。
インターバルの取り方で効果が大きく変わる
筋トレのインターバルは、その取り方によって効果が大きく変わってきます。筋肉は大きく速筋と遅筋という2つの筋肉に分類することができます。筋トレで鍛えているのは、このうちの速筋と言われる筋肉で、瞬発力は高いですが、すぐにスタミナ切れになってしまう特徴があります。
インターバルを長くとれば、それだけ筋トレによってスタミナ切れになった筋肉に十分なスタミナが補充され、短いインターバルでは十分なスタミナ補充が行われないまま、次のトレーニングをスタートさせるということになります。
つまり、インターバルの取り方で、筋トレの効果は大きく変わることになるわけです。より目的に合ったインターバルの取り方をすることで筋トレの効果をしっかり反映させることができるのです。
適切なインターバルは、きついトレーニングにおいて、最大限にその効果を反映させる重要な要素となります。以下、それぞれのインターバルの特徴と効果についても説明しますので、ぜひチェックしてください。
筋トレ中の短いインターバルの特徴
インターバルを短くとった場合は、トレーニングで痛めつけられた筋肉にはどんな現象が起きているのでしょう。筋トレ後の筋肉に十分な休息を与えず厳しく追い込むことで起こる現象について説明します。
バーニング感・満足感が得られる
筋トレ後のインターバルを短くすることは、筋肉をしっかり休ませず、鍛える筋肉を究極まで追い込むことになります。インターバルの短い筋トレは、鍛えている筋肉部分に焼け付くようなバーニング感を覚え、筋トレをとても頑張っているような、筋肉に効いているような満足感を得ることができます。
成長ホルモンの分泌が促される
筋トレのインターバルを短くとった場合、成長ホルモンの分泌が促されるとも言われています。これはインターバルの短い追い込んだ筋トレをすることによって筋肉に乳酸や二酸化炭素などの疲労物質が蓄積され、浸透圧が変化して筋肉の内部に周囲の水が流れ込みます。
筋肉内部に水が流れ込むと筋肉が拡張され、パンプアップが引き起こされます。そして筋肉内部の疲労物質が一気に脳へ届き、脳から成長ホルモンが分泌されるというシステムです。
ちょっと前まで長い期間支持されていた定説として、筋肥大のためのインターバルは1分間がベストというものがあり、それはトレーニングの1分後が最も成長ホルモンの分泌が盛んになり、成長ホルモンの作用によってタンパク質合成が行われ、筋肥大につながるという理由によるものでした。
しかし、近年の研究によって、筋肥大は、成長ホルモンによって生じるのではなく、筋トレによって動員された筋肉の細胞内機構が筋タンパク質の合成作用を促進させるためということがわかり、成長ホルモンは筋肥大とは相関関係がないということが言われるようになりました。
短いインターバルは、筋肥大に効果的どころか、逆に筋肥大を妨げる結果になるということも言われるようになってきています。
筋トレ中の長いインターバルの特徴
それでは逆に筋トレのトレーニング間にとる長いインターバルについて、その特徴を説明していきましょう。かつては筋肥大に効果があるとされていた短いインターバルと比較しながら、そのメリットにポイントを置いて説明していきます。
合計負荷を大きくできる
長いインターバルをとった筋トレは、一度傷んだ筋肉が十分に休息をとれることになり、新しく始めるセットも1セット目同様にしっかり取り組めることになります。
例えば短いインターバルでは、1セット目で追い込んだ筋肉が十分に回復していないため、1セット目、2セット目、3セット目と徐々にこなせる筋トレの回数や負荷が減ってしまう可能性があります。
逆にしっかりと長いインターバルをとっての筋トレは、筋肉が十分な休息をとっているため、1~3セットのすべてで1セット目同様の回数や負荷をこなせます。
結果として筋トレでの長いインターバルは、短いインターバルに比べ、トレーニング全体の合計負荷を大きくすることになり、効果的な筋肥大トレーニングにつながります。
パフォーマンスの向上
長いしっかりとしたインターバルは、筋トレによって追い込んだ筋肉を十分に休憩させることになる、ということは先ほどから説明している通りです。
十分に休息を与えられた筋肉は、筋トレメニューの各セットで最善のパフォーマンスを発揮することができるようになります。そして、そのことは結果として筋肥大の効率的な鍛え方になるのです。
筋トレ中のインターバルに行う効果の方法
筋トレの短いインターバルによって成長ホルモンが分泌され、そのことが筋肥大につながるという定説が覆っている昨今、長いインターバルの間にはどんなことを行えば良いのでしょうか。
筋トレで追い込んだ筋肉のスタミナを回復させるのに効果的なインターバルに行う効果の方法について紹介しましょう。インターバルの時間をより有効に使えば、筋トレの効果をさらにアップさせることができるはずです。
ある研究機関の研究結果をもとに、より筋トレが効果的になったインターバルに行う効果の方法について説明します。
ストレッチ
筋トレのインターバルに行う効果の方法のひとつめは、ストレッチです。ストレッチと一言でいっても、その種類が重要で、間違ったストレッチはかえって逆効果になるという結果も出ているので、十分に注意して行う必要があります。
インターバル中に行ってはいけないストレッチメニューとして、主動筋の静的ストレッチがあります。主動筋とは、筋トレ中に鍛えている筋肉のこと。
つまりスクワットなら大腿二頭筋や大臀筋、ベンチプレスなら大胸筋などのことです。静的ストレッチというのは、時間をかけて筋肉をゆっくり伸ばすような動きです。
筋トレで鍛えている部分の筋肉をゴムに例えるとすると、筋トレ中の筋肉の状態がゴムを収縮させたり伸ばしたしているのと同じ、静的ストレッチは同じゴムをすっかり伸ばし切って、元に戻りにくい状態にしてしまうことになるわけです。
伸びきってしまったゴムは、元のように収縮したり、伸ばしたりすることが困難になり、力を発揮しにくくなるということのようです。
一方、筋トレのインターバルで行う効果のあるストレッチメニューは、拮抗筋のストレッチと動的ストレッチです。拮抗筋とは主動筋と逆の役割をもった筋肉になります。
わかりやすい例を挙げるとするなら、アームカールの場合、力こぶのできる上腕二頭筋が主動筋になり、反対側にある二の腕のたるみやすい部分が上腕三頭筋という拮抗筋になります。
動的ストレッチとは、静的ストレッチの逆で、時間をかけてゆっくりひきのばすのではなく、リズムよく筋肉を動かすようなストレッチをいいます。
つまり、インターバルでは、筋トレで鍛えている主動筋の拮抗筋を、筋肉が伸びきらないようにリズミカルに動かすことが、次のセットのトレーニングをより効果的に行うための準備となるというわけです。
筋肉を冷却
筋トレのインターバルに行う効果の方法の2つめは、筋肉の冷却です。筋トレで熱を持った筋肉を冷やすことが次の筋トレのパフォーマンスを高めてくれることが確認されています。
冷却する目的は、自覚的運動強度を下げるため。自覚的運動強度とはPREと言われ、その筋トレがどれくらいきついかということを自分の感覚で表した数値です。
Borgスケールとカテゴリーレオシスケールという表し方があり、一般的には15ポイントで表すBorgスケールが用いられていて、環境温度など外的要因によっても大きな影響を受けるのが特徴です。
つまり、インターバルでトレーニング中の筋力を冷却することによって主観で感じるトレーニングの負荷を軽減させ、より多くの回数がこなせるようになるということです。
有酸素運動
筋トレのインターバルで行う効果の方法の3つめは、有酸素運動です。筋トレをして有酸素運動を行うというトレーニングはなかなかハードに聞こえますが、実際にやってみると意外にもそれほどキツイものでないことが分かります。
インターバルでの有酸素運動は、筋トレでたまった乳酸をリセットする効果があると言われ、よりスムーズな筋力の回復を促してくれるのだそう。乳酸がリセットされることによって、次のセットでのパフォーマンスが上がり、結果として効率的な筋トレができるというわけです。
ただし、インターバルで有酸素運動をする時に注意したいことがひとつ。インターバルでは決してハードな有酸素運動を行わないことです。
あくまで乳酸をリセットさせることが目的ですから、乳酸がたまるほどの有酸素運動は逆効果です。極力負荷をかけず、リラックスしてできる有酸素運動を行うようにしましょう。具体的には軽く足踏みする、ジャンプする、ゆっくり縄跳びを飛ぶなどの有酸素運動が考えられます。
筋肉に振動を与える
筋トレのインターバルで行う効果の方法4つめは、筋肉に振動を与えることです。筋肉に振動を与えることによって、神経系を回復させるのが目的です。振動によって神経系が回復するメカニズムはまだわかっていないそうですが、その効果は実証済み。
インターバル中に筋肉に軽い振動を与えることで、次のセットのパワーが向上したり、回数が増えたりといった効果が確認されています。
例えば振動機能付きのマッサージボールなどを筋肉に充ててみるのなど、適度な刺激を与える方法を考えてみると良いでしょう。
筋肥大を目指した筋肉トレーニングメニュー
逞しい筋肉をつける筋肥大のための筋トレにはいくつかの効果的な鍛え方があります。それはレジスタンス運動と言われ、筋肥大させたい部分の筋肉に抵抗を加え、繰り返し運動を行う方法です。
例えばスクワットや腕立て伏せなど一般的な筋トレは、全てこのレジスタンス運動と言われる鍛え方になります。筋肥大に効果的な筋トレメニューと、そのポイントを2つご紹介します。
①高重量の筋力トレーニング
筋肥大を目的とした筋トレは、最近まで、できるだけ高重量のものを持ち上げて筋肉に限界に近い高い負荷をかけることが必須であるとされていました。しかし、最近の研究では、それはあまり効果がなく、鍛え方としては間違っているといった考え方が一般的になっています。
高重量の筋力トレーニングをすることに変わりはないのですが、その負荷重量の考え方が変わったのです。以前は自分が耐えうることができる最大の重量によってトレーニングすることが最も効果的であると考えられていました。
しかし、現在それはトレーニング中の正しい姿勢を保つことが難しく、鍛え方としては間違っているということになっています。新しい筋肥大目的とした高重量での鍛え方は、1回にこなすことができる最大重量の7~8.5割ほどの負荷重量で6~15回のトレーニングを1セット行うといったもの。
かつて短くした方が良いとされていたインターバルは長めに取り、その間はストレッチや有酸素運動などで筋力の回復を促すのが効率的です。負荷重量7~8.5割での繰り返しの筋トレを何セットか行うことで、より効果的に筋肥大のための筋トレが行えるようになるのです。
インターバルは、鍛える筋肉にもよりますが、大きな筋肉の場合は3分以上、パンプな種目であれば1分程度、ミッドレンジ種目は2分程度が目安です。
1回のトレーニングは全部の種目を合わせて75分程度が理想です。あまり長い時間のトレーニングではどうしてもストレスホルモンが分泌され、このことは筋肥大にとってはマイナス要素になります。また、あまりに長時間では強度を高く保った鍛え方ができなくなり、これも効率的ではありません。
筋トレの頻度についてですが、トレーニング後は48時間筋肉が恒星されやすいホルモン状態が維持されるとされています。ある部位のトレーニングを行った場合、48時間、つまり2日開けてから次の筋トレをするのが正しい鍛え方です。
②スロートレーニング
筋肥大のための効果的なトレーニングの2つめは、スロートレーニングです。7~8.5割程度の負荷をかけたトレーニングは自宅ではなかなか難しいもの。ジムなどに通うことができない場合や、適度な環境が整っていない場合は、このスロートレーニングがおすすめです。
また、高重量によるトレーニングは、無酸素運動であり、心臓や血管系に余計な負担がかかることになり、リスクが伴う場合もあります。そんな時にもスロートレーニングはぜひおすすめです。
スロートレーニングとは、ウェイトトレーニングの方法の一種で、ゆっくりとした動作で筋肉にじわじわと負荷をかけ、その部位に確実の刺激を与える鍛え方です。
先に遅筋や速筋については説明していますが、筋肉には遅筋と速筋の間にさらに中間筋と言われる筋肉もあり、スロートレーニングの場合は、最初に遅筋を刺激してから、中間筋、速筋と順番にゆっくり刺激を与えます。
つまり、一回のゆっくりした動作によって、一カ所の筋肉を構成するすべての筋肉をバランスよく鍛えることができるということになります。
自分の体重を利用して3~5秒かけてひとつの動作を行い、さらに次の動作も同様に3~5秒かけて行うのが一般的です。例えばスクワットや腕立ての場合は、3~5秒かけて下げ、再び3~5秒かけて上げるというのがスロートレーニングになります。
さらに、ノンロックという肘や膝などの部位を完全に伸ばし切らないという動作と組み合わせるとより効果が期待できると言われています。スクワットの場合は、完全に立ち上がることをせずに、再び腰を落とす、腕立ての場合は完全に肘を伸ばし切らずに再び体を鎮めると言った具合です。
深く大きな動きをするよりは、より負荷がかかるものを持つなどしてノンロックを取り入れたスロートレーニングをすることは、筋肥大のための筋トレとしてかなり効果的です。筋肉を休ませることなく、常に動作中は力を入れ続けてゆっくりと行うことがポイントです。
スロートレーニングは、ゆっくりと一回ずつ時間をかけて行うので、素早い筋トレほど回数をこなす必要はありません。
トレーニング後にはもちろん栄養も重要!
筋肥大には、筋肉を構成する筋繊維を太くすることと、筋繊維の数を増やすという2つの要素が必要です。8割程度の負荷を加えた筋トレによって筋繊維を適度に損傷させて、回復させるという繰り返しによって筋繊維が自ら修復していく過程で徐々に太くなっていくという超回復のメカニズムです。
筋繊維の本数を増やすということに関しては、一度破壊した筋肉を合成に向かわせることが必要です。筋繊維の修復や合成に関しては、破壊させた後の栄養補充が必要なポイントになります。
色々なメニューの筋トレを行った後は、筋肉の材料となるたんぱく質や必須アミノ酸をしっかり補充する必要があります。適切な栄養素がしっかり補充されなければ、筋肉の超回復は行われず、せっかくハードな鍛え方をしても、そのメニューが無駄になってしまいます。
筋トレ後のたんぱく質や必須アミノ酸の補充は必須です。さらに、そのうえでBCAAやHMBといったアミノ酸をプラスして摂取することも大切です。
BCAAやHMBといったアミノ酸は、筋肉の合成スイッチをオンにする役割を果たし、この栄養素を補充することにより、筋トレを効果的に筋肥大につなげることができるのです。BCAAやHMBはメニューをこなしている最中に摂取するのも効果的で、ぜひおすすめです。
筋トレ中はインターバルを設定して効果的な鍛え方をしよう!
いかがでしたでしょうか。筋トレはメニューの間に挟むインターバルの設定によって、より効果的になります。かつての短いインターバルで筋肉を極限まで追い込む方法は、今や覆されています。
筋トレのインターバルは正しく設定し、効果的なメニューによる鍛え方で筋力アップをはかってみてはいかがでしょう。