メモリアル(memorial)の意味とは
メモリアルという言葉を耳にします。メモリアルの原語は英語で「memorial」です。英語で語尾が「al」になると形容詞のように思いますが、実は英語のmemorialは主として名詞として使われます。例えばthe Lincoln memorial(リンカーン記念館)という具合です。
もっとも英語のmemorialも形容詞として使われる場合もあります。例えば a memorial service(追悼式)という具合です。外来日本語のメモリアルはほとんどの場合、何か他の外来語と結合して使われるので、その意味では形容詞的と言えます。
例えばメモリアルホールとかメモリアルパークとかメモリアルセンター、メモリアルペア、メモリアルボックスなどです。さてこの「メモリアル」という外来語の意味は何でしょうか、という問いに以下でお答えいたします。
何かを記念したもの
メモリアルという言葉は上に申し上げたようにメモリアルホール、メモリアルアルバムなどと他の言葉と結合して使われることが多いのですが、メモリアルの単独の意味を答えるなら、原語のmemorialと同じく名詞として「何かを記念したもの」という意味であると言うことになります。
メモリアルアルバムなら記念アルバム、メモリアルコンサートなら記念コンサートというわけです。但し一つ注意したいことがあります。メモリアルホールは記念館となるはずですが、メモリアルには追悼という意味もあるので、メモリアルホールは葬儀場を指す場合もあるのです。
メモリアルの語源
メモリアルの意味は「何かを記念するもの」でした。ではそのメモリアルという言葉の語源、すなわちルーツは何でしょうか?メモリアルの原語は英語の「memorial」です。その英語の memorial はやはり英語の「memory(メモリー)」に由来しています。
英語の「memory(メモリー)」の意味は「記憶」とか「思いで」という意味です。さらに英語の「memory(メモリー)」の語源はラテン語の「memoriale(メモリアーレ)」で、このラテン語の意味は「記録」とか「記念物」です。
メモリアルを使った言葉・名前の意味
メモリアルを使った言葉がいろいろあります。例えばメモリアルデー、メモリアルパーク、メモリアルペア、メモリアルボックス、メモリアルホールなどです。名詞としてのメモリアルの意味は、「何かを記念するもの」でした。
しかし上の例のように他の言葉と一緒に複合語として使われるメモリアルは形容詞的に使われていて、その意味は「記念の」ということになります。以下にこのようにメモリアルを使った言葉や名前を5つ挙げてその意味を解説いたします。
メモリアルデーの意味
メモリアルを使った言葉・名前の意味で最初にご紹介するのは「メモリアルデー」の意味です。メモリアルの意味は「記念の」で、デーの意味は「日」ですから、メモリアルデーの意味は「記念日」となります。
しかしメモリアルには「追悼の」という意味もあり、アメリカではメモリアルデーはこの意味で使われて「戦没した将兵を追悼する記念日」となります。メモリアルデーはアメリカでは5月最終の月曜日で祝日に指定されています。
メモリアルパークの意味
メモリアルを使った言葉・名前の意味で2番目にご紹介するのは「メモリアルパーク」の意味です。メモリアルの意味は「記念の」でパークの意味は「公園」ですから、メモリアルパークの意味は「記念公園」となります。例えば東京都昭島市の昭和記念公園などです。
しかしメモリアルには「追悼の」という意味もあり、この意味ではメモリアルパークは「共同墓地」とか「霊園」という意味でも使われます。例えば「メモリアルパーク 南横浜」とか「メモリアルパーク 藤沢」などがあります。
メモリアルベアの意味
メモリアルを使った言葉・名前の意味で3番目にご紹介するのは「メモリアルベア」の意味です。メモリアルの意味は「記念の」で、ベアの意味は「熊」です。そしてメモリアルベアの意味は「記念として残すための熊のぬいぐるみ」です。
赤ちゃんの誕生の記念として赤ちゃんが生まれた時の体重と身長に合わせて作られる熊のぬいぐるみで普通名詞としてはテディベアと呼ばれるものです。メモリアルベアは普通名詞ではなく、これを売り出したボッシュ・シゴーニュ社の商標です。
メモリアルボックスの意味
メモリアルを使った言葉・名前の意味で5番目にご紹介するのは「メモリアルボックス」の意味です。メモリアルの意味は「記念の」でボックスのい意味は「箱」ですから、メモリアルボックスの意味は「何かの記念の品を入れておくための箱」となります。
結婚式の場で新郎新婦二人の思いでの品々を紹介するのに使われるメモリアルボックスなどもあります。またメモリアルには「追悼の」という意味の使い方もあるので、この意味の使い方としてはペットの遺骨を入れた骨壺を収めるペット用仏壇もメモリアルボックスと呼ばれます。
メモリアルホールの意味
メモリアルを使った言葉・名前の意味で5番目にご紹介するのは「メモリアルホール」です。メモリアルの意味は「記念の」でホールの意味は「会館」です。メモリアルのこの意味の使い方ではメモリアルホールの意味は「記念館」です。例えば「野口英世メモリアルホール」という具合です。
しかしメモリアルには「追悼の」という意味もあります。メモリアルのこの意味の使い方ではメモリアルホールは葬儀会館とか斎場を意味することになります。例えば「メモリアルホールやすらぎ」という具合です。
メモリアルとアニバーサリーの違い
メモリアルはメモリー(記憶、思い出)に由来する言葉ですが、この言葉の名詞としての使い方での意味は「何かを記念するもの」でした。またメモリアルの形容詞としての使い方での意味は「記念の」と「追悼の」の二つがありました。
メモリアルの名詞としての使い方で特に「何かの記念日」という意味を持つこともあります。ところでメモリアルとよく似た意味の言葉にアニバーサリーという言葉もあります。このアニバーサリーという言葉の意味と、メモリアルとアニバーサリーの違いについて以下にご説明いたします。
アニバーサリーの意味
アニバーサリーという言葉の意味は「何か起こった事についての毎年の記念日」です。日本ではアニバーサリーという言葉は良い事やおめでたい事についての記念日に使われます。例えばバース・アニバーサリーなら誕生日、「~第100回アニバーサリー」なら「~生誕100周年記念日」という具合です。
しかし外国ではアニバーサリーという言葉は良いことにも悪い事にも使われます。例えばウェディング アニバーサリーなら結婚記念日、第20回 アクシデント アニバーサリーなら事故から20周年の記念日という具合です。
メモリアルとアニバーサリーの違いは?
さて、メモリアルという言葉も、またアニバーサリーという言葉も共に「何かの記念日」という意味を持つ言葉でした。ではこのメモリアルとアニバーサリーという二つの言葉の違いはどこにあるのでしょうか?という問いにお答えします。
メモリアルを記念日として使うのは故人を追悼する記念日という場合です。命日とか物故~周年記念日という使い方です。これに対してアニバーサリーは良い事に対しても悪い事に対しても~周年記念日とか~記念日として使われます。両者の違いはここにあります。
メモリアルとメモリーの違いは?
さて今度はメモリアルという言葉とメモリーという言葉の違いをご説明します。メモリアルの由来となる言葉がメモリーですが、メモリーの意味は「記憶」、「思い出」という意味です。またIT用語のメモリーは「記憶装置」を意味します。
これに対してメモリアルは名詞としての意味は「何かの記念になるもの」で、形容詞としての意味は「記念の」と「追悼の」の2つです。メモリーが抽象的な記憶自体を指す言葉であるのに対して、メモリアルは記憶の内容を指す点に違いがあります。
メモリアルの使い方と例文
以上にメモリアルという言葉の意味、メモリアルを使った複合語5つの意味、メモリアルとアニバーサリーという言葉の違いなどについてご説明しました。最後にメモリアルという言葉の使い方を例文を挙げてご説明します。以下に2つの例文を挙げます。
例文①
メモリアルの使い方の例文として最初に挙げるのは「東京の上野公園には西郷さんのメモリアルがある」という例文です。この例文はメモリアルという言葉の「記念物」という意味での使い方の例文となっています。
例文②
メモリアルの使い方の例文として2番目に挙げるのは「今日は母校の80年目の創立メモリアルデーだ」という例文です。この例文はメモリアルという言葉の「記念の」という意味での使い方の例文となっています。
メモリアルの意味を覚えて正しく使おう!
メモリアルという言葉は英語のメモリー(記憶、思い出)に由来する言葉で、さらにそのメモリーの語源を辿ればラテン語のメモリアーレに行き着きます。メモリアルの名詞としての使い方の意味は「何かを記念するもの」で、形容詞としての使い方の意味は「記念の」、「追悼の」です。
メモリアルという言葉は単独で使われるよりも、むしろ他の言葉との複合語としてメモリアルデー、メモリアルホールなどと使われます。よく使われる複合語を5つ挙げてそれぞれの意味をご説明しました。
またメモリアルという言葉とよく似た意味を持つアニバーサリーという言葉についてもその意味と両者の違いなどをご説明しました。メモリアルには「記念の」と「追悼の」という2つの意味がありますので、使い分けに注意が必要です。