「機微」の意味
「機微(きび)」の意味を国語辞典で調べると「表面からはとらえにくい微妙な事情や趣。」とあります。また「微妙」の意味をさらに調べてみると「はっきりと言い表せないほど細かく複雑なこと。どちらとも言えないほどきわどい事。言葉では言い表せない趣のあること。」とあります。意味の違いを明確にするには難しい言い回しになります。
さらに「趣」の意味を調べてみると、「味わいのある様子。風情。ありさま。」とあります。なので「機微」を誰にでもわかるように意味を明確にするのなら、「はっきりと言い表せないほど細かく複雑な事情や様子のこと。表面からはとらえにくい事情や詳細な変化。」と言うことができるでしょう。
「微妙」については後述しますが、英語にすると「subtle」となり、「趣」は「taseteful」、「elegant」となります。
①感情の小さな揺れ動きの意味
「機微」は、単独でも心の揺れ動きを意味しますが、「心の機微」や「感情の機微」というように、人間の揺れ動く心の動きを表す使い方が最も一般的です。人間の感情は本人にとってもコントロールの難しいものですが、そんな表情にも表れないような心の細かいの動きのことを「機微」と表現します。
⓶状況や事の変化の意味
人の感情以外で「機微」が使われる場合には、「環境の機微」や「状況の機微」など「何の機微」なのかを指し示す使い方をします。使われる理由としては、人の「感情」と同じように「時間や状況など」によって変化するもの、その変化を確認できるもの、に対して使用されることが基本となっています。
「環境」や「情況」の「類語」としては、「背景」、「情況」などがあります。英語にすると「background」や「situation」といった言葉になります。
③繊細な個人情報の意味
「微妙な事情」という他とは少し異なる意味で使用される際には、主に「細かく複雑な個人情報。」といった意味になり、「機微情報(センシティブ情報)」と呼ばれます。個人情報の中でも特にデリケートな「犯罪歴」「病歴(既往症)」「本名」「国籍・本籍地」などといった情報が「機微情報」に当たります。
この場合の「機微」は、「表面からはとらえにくい微妙な事情。」といった意味合いを一段階深化させて、「表面からはとらえられないよう隠している微妙な事情。」という意味を持たせています。これは後述する「隠微」にも通じるものがあります。
「機微」の使い方
「機微」は日常的に使用する言葉ではありませんが、使えるに越したことはありません。前述したように、再頻出の使い方は「感情の小さな揺れ動きをあらわすこと。」です。その次が「状況や物事の変化についてあらわすこと。」で、「繊細な個人情報について。」の使い方は、かなり難しい使い方となりますので、ここでは省略させていただきます。
①機微に触れる
「機微に触れる」とは、「相手の心の繊細で微妙な動きを感じ取ることができる、知ることができる。」という意味になります。元々の性格が優しかったり、相手の表情を読むのが上手だったり、相手の感情を感じ取ることが得意だったりすると「機微に触れる」ことがしやすい人だと言えるでしょう。
使い方としては、「田舎に行って、人情の機微に触れました。」や「最近、彼が悩んでいるようだが、彼の機微に触れる事柄のようで、話題にしにくい。」などの例文があります。
⓶機微を捉える
「機微を捉える」とは、「状況や環境の微妙な変化を感じ取ることができる、知ることができる。」という意味になります。「変化する瞬間」や「変化する直前の動き」から、変化を察知して上手に対処する際によく使われます。対処に失敗した場合でも「機微を捉えて」いるのですが、「機微を捉える」は、上手く処理した場合のみの使い方です。
使い方として、「株価の機微を捉えて危機を脱した。」や「顧客ニーズの機微を感じ取って対策を講じたので、ライバル企業との差別化に成功した。」などの例文があります。
「彼女の表情の機微を捉えられずに、振られることになった。」であれば捉えていませんので使えます。「彼女の表情の機微を捉えたが、それを活用できなかった」という使い方は、対処できていないため、この使い方はありません。
③機微に聡い
「機微に聡い(きびにさとい)」とは、「状況や環境の微妙な変化を感じ取る能力が鋭敏、敏感である。」という意味になります。「ごく少量の変化」や「他の人では全く気がつかない些細な変化のこと。」を、的確に感じ取れる際によく使われます。「機微を捉える」と異なり、「感じ取るだけの能力」なので、対処に失敗した場合でも使います。
「聡い」ではなく、「敏い」が使われることもあります。「聡い」が、「悟るのが早い、賢い」という意味であるのに対して、「敏い」は、「気が利いて反応が素早い。」という意味になります。ほとんど同じ使い方ですが、使い分けることもあります。「機微」は要約すると、「表面からはとらえにくい事情。」という意味になります。
ですから、「悟る、賢い」という意味を持つ「聡い」の方が相性が良く、意識して「敏い」を使わない限りは「機微に聡い」となります。
使い方は、「いつも表情は平静を装っている彼女だが、他人の心の機微に聡い。」や「人の心の機微に聡いマネージャーなので、このチームはいつも成績優秀で表情が明るい。」といった例文になります。
④機微をうがつ
「機微をうがつ」とは、「状況や環境の微妙な変化や、人の感情変化などを的確に表現する。」という意味になります。「機微をうがつ」は、日常的にはあまり使用されませんが、普通に使用される「うがった見方をする」には、「見過ごされやすい物事の本質を捉える、人情の機微を捉える。」といった意味があります。
使い方として、「むやみに人の心の機微をうがってはいけません。」や「その年に流行した言葉は、その年の機微をうがっていると言えます。」などの例文があります。なお、「うがつ」の詳細については後述します。
⑤機微を察する
「機微を察する」とは、「状況や人の心の微妙な変化を推し量って理解する。」という意味になります。「機微を察する」は、「機微」に気が付く人が少ない中で「機微に気が付くこと」そのものを指す場合にも使われます。「機微を捉える」が捉えた後で必ず行動するのに対して、「機微を察する」は、察するだけの場合もあります。
「察する」の意味は、「事情を推し量って理解する、思いやること。」です。「微妙な事情や趣」を理解できていなければ「察する」ことは出来ていないことになります。
使い方としては、「彼は、彼女の表情の機微を察することでケンカになることを回避した。」や「警官は犯人の表情の機微を察することで、ウソの自白であることを見破った。」などの例文があります。
「機微」を使った例文
ここからは、「機微」を使用した実際の例文をもっと見ていきましょう。もともと「機微」の意味は、感覚的なものが多く、限定的な状況で使用するイメージが強いのではないでしょうか。例文を見ることで、もっと広い範囲での使い方や、正しい使い方、本来の意味を理解することができるでしょう。
①相手の表情から感情の機微を読み取る
対峙している相手の表情から、微妙な感情の動きを見て取ることを、「相手の表情から感情の機微を読み取る。」と表現します。「機微」の意味をよく理解していれば、「感情」や「読み取る」、そして「表情」を上手に組み合わせることでバリエーションを増やして、様々な使い方が可能となります。
例文として、「彼は無表情を装ったが、その態度からは感情の機微を読み取ることができた。」や「彼女の表情からは、どのような手段を用いても感情の機微を読み取ることはできなかった。」、「大人っぽい表情からは想像できないくらい、彼女の感情の機微は読み取りやすい。」などがあります。
⓶上司の心の機微を察するのが上手い
上司の感情の起伏をいち早く察知して、波風を立てないように立ち回ることを「上司の心の機微を察するのが上手い。」と表現します。相手の小さな感情の変化を推測して、嫌な思いをさせないように立ち居ふるまいを変えることは、高度なテクニックを必要とします。このような人物は、上司にきっと可愛がられるでしょう。
例文としては、「上司の心の機微を察することが出来ずに、ひどい八つ当たりをされた。」や「上司の心の機微を察することで、絶体絶命の危機を脱することができた。」などがあります。
③女性特有の感情の機微に疎い
女性は、男性よりも感情の動きが繊細で複雑だと言われています。その感情の動きの理解が十分できないことを、「女性特有の感情の機微に疎い。」と表します。「疎い」とは、「知識や理解が不十分であること、詳しくないこと。」というのが本来の意味です。男性に対して使用される際には、「感覚が鈍い」の意味で使用されることが多いです。
例文としては、「彼は女性特有の感情の機微に疎く、未だに独身である。」や「女性特有の感情の機微に疎い彼は、人事担当にも関わらず女性の面接を担当していない。」などがあります。
④機微に聡い人を採用担当にする
相手の感情の小さな動きを推し量ることができる人を人事担当にすることで、「機微に聡い人を採用担当にする。」ことができます。採用担当者には、相手の小さな表情などの変化から、重要な事柄を判断する能力が求められます。それは、感覚が鋭いことであり、反応が早いことであり、賢いことであると言えます。
例文としては、「機微に聡い人を採用担当にすることで、辞職率が大幅に減少した。」や「機微に聡い人を採用担当することができずに、今年の新人は玉石混交だ。」などがあります。
⑤他人心の機微をうがつものではない
相手の感情や表情の変化を的確に表すことを、「他人の心の機微をうがつものではない。」と言います。「うがつ」は漢字では「穿つ」で、「穴をあける。物事の真相や本質を的確に言い表す。人情の機微をしっかりと捉える。」という意味になります。日本では、他人の心の内を覗くことは重大なマナー違反となります。
「他人の心の機微をうがつ」は「相手の心に穴をあける」こと、と「本質を捉える」という意味が「ダブルミーニング」になっていて、「相手の心に穴をあけ、さらに、その本質を捉える。」という意味になります。あまりにも的確に相手の感情や表情の変化を表現してしまうと、人間関係に影響しますので注意して発言するようにしましょう。
例文としては、「うかつに他人の心の機微をうがつと、よいことはありません。」や「彼女の心の機微をうがつような物言いに、自分の対応が子どもっぽかったことを反省しました。」などがあります。
「機微」の類語①
「機微」にはいくつかの「類語」があります。その「類語」の中には間違った使い方をしやすい言葉もあります。誤った使い方をすると、国語能力だけではなく、その人の知識レベルまで疑われることにもなってしまいかねません。できるだけ正しい言葉を使用するように心がけ、間違いに気が付いたらすぐに修正するようにしましょう。
「機微」の使い方に迷ったら、「英語」に変換してみることがお勧めです。そうすることで、しっかりとその意味を再確認できます。
ささいな違いという意味の類語
「機微」には、「ささいな違い。細かな差異。」といった意味があります。このような場合に使用される「類語」には、「微妙」「隠微」「陰影」「精妙」などがあります。どの「類語」も似通った意味となりますが、それぞれに少しづつ異なります。ここでは、「微妙」と「隠微」について詳しく述べさせていただきます。
1.微妙(びみょう)の意味
「微妙」を辞書で調べると、「一言では言い表せない趣があること、はっきりと言い表せないほど細かく複雑なこと。また、どちらとも言えないほどきわどいこと。」とあります。「機微」との明確な違いとして、「変化、動きを含むかどうか。」があります。「微妙」は変化を含みませんが、「機微」は変化、動きを含みます。
「はっきりと言い表せない複雑なこと。」の中で、変化や動きを含むもの、例えば「心」や「情景」、「風景」などは「機微」になります。一方で変化を含まない、「美術品」や「言葉使い」などは「微妙」と表現されます。
「微妙」の「類語」には、「玄妙(げんみょう)」「繊細」「おぼろ」などがあります。「機微」で調べた「類語」とは少し印象が異なる「類語」が多くあります。
2.隠微(いんび)の意味
「隠微」の意味は、「かすかで、表面からはわかりにくいこと。外に現れず、目立たないこと。」とあります。「機微」が表面からわかりにくいのに対して、「隠微」はそもそも表面に現れてこない、表れてもわずかであるということです。表面に現れないように隠すのであれば「隠微」を、単純にわかりにくいのであれば「機微」といった使い方がよいでしょう。
自分の知りたいもの、見たいものが、表面からわかりにくい理由は様々であり、その心の動きや変化などが「機微」と言えるでしょう。一方で「隠微」は、初めから隠すことが前提であると言えます。表情からも態度からも、分からなくても仕方がないでしょう。
「隠微」の「類語」は、「模糊(もこ)」「茫漠(ぼうばく)」「不明瞭(ふめいりょう)」といった、いかにも「もやもやとした。あいまいな。」言葉が並びます。
「機微」の類語②
次に、「機微」だけではなく「感情の機微」や「社会の機微」など、「機微」に合わせる言葉のなかで最も頻度の高い「心の機微」について、詳細を見ていきます。「心の機微」は、もともとの「機微」の意味に、「心」、つまり「感情」や「気持ち」が込められたものです。つまり、「感情や気持ちの揺れや微妙な変化。」といった意味を表します。
心の機微という意味の類語
「心の機微」とは、目に見えている表情や態度だけでなく、心の中の繊細な感情の動きや変化のことを意味しています。「心の機微」という言葉で「類語」を調べてみると、「情緒」「心情」「感慨」「機嫌」などがありますが、今回はその「類語」の中でも「情緒」と「心情」について詳しく述べさせていただきます。
「情緒」も「心情」も英語で表現すると、「feeling」、「emotion」、「mind」といった言葉になります。後述する「機微」を英訳したものとは明らかに異なります。
1.情緒(じょうちょ)の意味
「情緒」とは、「ある物事にふれたときに起こるしみじみとした感情のこと。また、その感情を起こさせる独特の雰囲気」とあります。「機微」が意味する「言葉にできないような細かな変化」というよりも、完全に「感情」が前面に出てきています。そういった感情を表現するために「情緒的」や「情緒的感情」、「情緒的表情」などと表すこともあります。
「情緒」の「類語」は、「感情」「気分」「情感」などの「思い」や「気持ち」に関連するものとなります。
2.心情(しんじょう)の意味
「心情」とは、「心の中で感じていること。また、心中の思いや感情。」とあります。もう「機微」とは、かなりかけ離れてしまっています。完全に「思い」や「感情」についての表現です。そういった「思い」や「感情」が表面や表情から現れることを「こみ上げる」や「にじむ」とあわせて表現することがあります。
例文として、「表情に思いがにじむ」や「感情がこみ上げる」などとなります。そして「心情」の「類語」は、「気持ち」「心持」「情緒」などとなります。
「機微」の類語を使った例文
「機微」を簡単に他の「類語」で言い表すのであれば、「微妙」が便利です。相手に「言葉では言い表せない、細かく複雑な状況」であることが伝わりやすいからです。「感情」の動きを表現するのであれば、「ニュアンス」という言葉があります。元々はフランス語ですが、現在では英語としても普通に通用します。
「ニュアンス」の詳細は後述しますが、大まかな意味は「色彩、色合い、微妙な差異、陰影。」となります。
①周りの雰囲気がいつもと微妙に違う
前述の通り、「微妙」とは「細かく複雑で小さな差異」のことです。この「微妙」を用いた「例文」をいくつか見てみましょう。「前回の訪問時とは、微妙に家具の配置が違うような気がする。」、「株やFXは、市場の微妙な変化を読み取ることで大きく勝率が変わってきます。」などがあります。
使い方の「こつ」は、「変化」は含まれないことを理解することです。大きな差異ではなく、「小さな差異」であることを忘れないことになります。
⓶私生活を覗き見された隠微な写真
前述のとおり、「隠微」とは「表面からわかりにくく目立たないこと。」です。この「隠微」を用いた「例文」は、「この絵には、何だか隠微な雰囲気がある。」や「彼女の隠微な表情からは、本心をうかがい知ることはできない。」や「犯人には隠微な動機があったに違いありません。」などがあります。
使い方は難しく、何か「隠している」「隠されている」ことを、直接的な表現ではない「類語」で表現する場合に使用されることが多いです。
③相手の心情を察して配慮する
前述のとおり、「心情」とは「心の中の思いや感情」のことです。繰り返しになりますが、「機微」の「類語」として「心情」を選択することは少ないでしょう。「心情」を用いた「例文」は、「いくら説明しても、現場の切迫した心情は半分も伝わらないだろう。」や「犯罪被害者の心情を配慮しての行動だった。」などがあります。
使い方としては、「まだ言葉にしていない、心の中の感情」であることに気を付けることです。言葉にしてしまったら、それは「心情」ではなく、「心境」や「情動」などの別の意味となってしまうからです。
「機微」の英語表現
「機微」は日本語ですので、当然ですがぴったりと一致する英語はありません。意味からしても、「見た目からはわからない、細かく複雑な変化。」と、かなり日本的な内容です。その中でも意味が近い、正に「ニュアンス」が近い英語が3つあります。その3つの英語について詳しくみていきましょう。
①subtlety
「subtlety」は、多くの意味を持つ英語の名詞です。代表的な意味は「微妙、微細、細かい区別、精妙」など、「機微」に近い意味を持っています。形容詞として使う場合には「subtle」となり、「微妙な、微細な、細かな、精妙な」と変化します。「機微」と異なる点としては、「ずるい、狡猾な」といった意味が含まれる場合があることです。
例文としては、「They have many qualities, but subtlety is not their strong suit.」や「This was not simply due to their technical excellence, but their subtlety and force in emotional expression.」といった英語の文章になります。少し難しいので詳しい日本語訳を後述します。
はじめの例文は、「彼らには多くの美点がありますが、繊細さは彼らの強みではありません。」となり、次の例文は「これは単純に彼らの技術的な優秀さという訳ではなく、その繊細さと感情的な表現への力によるものです。」となります。
⓶nuance
「nuance」は、元々はフランス語ですが、現在は英語としても使用されますし、「ニュアンス」として日本語としても使用されます。英語での名詞としての意味は、「(色彩・音・意味・感情などについての)濃淡、陰影、差異、色合い」を表します。動詞としての使い方をすると、「微妙な違いを出す、かすかににおわせる。」となります。
日本語としては、「(言葉や意味などの)微妙な違い」、「(色彩や音色などの)微妙な差異」を意味します。
英語の例文としては、「In short, he's learning subtle nuances.(つまり、彼は微妙なニュアンスを学んでいる最中です。)」や「He needs to get a little bigger, but he understands the nuances of a difficult position.(彼はもう少し大らかになる必要がありますが、難しい立場のニュアンスを理解しています。)」などがあります。
③sensitive information
「sensitive information」は、「機密情報」と日本語訳されやすい言葉です。しかし、本来は「機微情報」を英語にすると「sensitive information」になるのです。それでは、日本語の意味の違いからその違いを見ていきましょう。「機密情報」とは、「国家の安全保障や外交などに関わる重要な情報」となります。
「機密情報」を「sensitive information」以外の英語にすると、「secret information」、「confidential information」、「classified information」となり、こちらの方が一般的に使用されます。一方で、「機微情報」は「表面からはとらえにくい微妙な事情、個人情報」となります。
やっぱり英語はわかりやすい
日本人は、良い意味で漢字の意味を理解することができます。ですから「機微」とあれば、「機」と「微」の漢字の表情、いわばイメージを受け取ることができます。しかし、英語はアルファベットの羅列です。そこには何の意味もありません。単語になって初めて意味を持ちます。だから余分な情報がなく、シンプルなのです。
文脈や、伝えたい事によって「subtlety」、「nuance」、「sensitive information」を使い分ける必要がある分、分かりやすいのが英語のメリットです。日本語で「機微」を使われた場合には、受け取る側にも読み取る能力が必要とされます。
機微を理解して、1ランク上の言葉使いを目指そう
「機微」を実際に理解するには、聞き上手になることです。相手の表情や話し方、話す速度など、様々な情報から「機微」を拾い上げ、分析します。そして相手の立場になって考えます。そうすることで、プライベートでもビジネスでも今以上にコミュニケーションが円滑になることでしょう。
そうすることで、言葉の使い方だけでなく、生活態度の変化や相手との関係性も1ランク上になる可能性を秘めています。英語の能力も向上するかもしれません。
機微の使い方を知って正しく使おう!
ここまでで「機微」の意味、類語、使い方についてはしっかりと理解できたでしょう。ただ、日常的に使用する言葉ではないので、使い慣れていないとぎごちない感じになってしまいます。「いざという時に」正しい使い方ができるように、使える場面が来たら使ってみるようにしましょう。そうすることで、自分の言葉になっていきます。
はじめは例文をそのまま使ってみましょう。慣れてきたら思うように変えて、自分の言いたい事、伝えたいことを表現するようにしましょう。英語での表現をしてみることもお勧めです。異なる言語体系での使用により、本来の理解が一段と深まることでしょう。