「ネットリテラシー」の意味とは?低い人の抱える問題や鍛える方法を紹介!

「ネットリテラシー」の意味とは?低い人の抱える問題や鍛える方法を紹介!

ネットリテラシーという言葉があります。高度情報化社会において、ネットリテラシーの意味を理解していなかったために、重大な過ちを犯していることに気がつかない人もいます。ネットリテラシーの意味や言葉の使い方、英語での意味や低下した人のための鍛え方などをご紹介します。

記事の目次

  1. 1.「ネットリテラシー」の意味や低下による問題について紹介
  2. 2.「ネットリテラシー」の意味
  3. 3.「ネットリテラシー」の使い方・例文
  4. 4.「ネットリテラシー」が低い人の問題
  5. 5.「ネットリテラシー」を鍛える方法
  6. 6.「ネットリテラシー」を鍛えてネットを安全に活用しよう!

「ネットリテラシー」の意味や低下による問題について紹介

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日頃の生活にインターネットを使うようになって、情報は瞬時に得られる時代になりました。少し前まではPCによるインターネットの時代でしたが、今ではスマホで何時でも何処でも誰にでも簡単に情報が得られる時代です。それ故、以前とは別次元の問題が起こっています。

「インターネットリテラシー」というものがあります。情報が瞬時に発信・収集できる時代において、新しい常識が必要になりました。この常識を使って、インターネットを適切に使用していく力全体のことを「ネットリテラシー」と呼んでいます。

ネットリテラシーについて、正しく理解していない人がいます。ネットリテラシーが驚くほど低下している人たちがいます。インターネットの使い方が雑になり、様々な問題を生んでいるのです。このためネットリテラシーを鍛える必要があると、有識者たちが警鐘を鳴らしています。

「ネットリテラシー」の意味

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ネットリテラシーという言葉をよく目にするようになりました。例えば「委託」のことを「コミットメント」というようなものを「意識高い系ワード」といいます。ネットリテラシーは、そのような意識高い系ワードとは、少しだけ違います。IT企業専門用語でもありません。

スマホを持って生活しているならば、ネットリテラシーの意味を正確に理解することは重要です。スマホでネットを使っているのであれば、正確にネットリテラシーの意味を理解し、ネットリテラシーが低下しないようにネットリテラシーを高め鍛える意識を持つ必要があるのです。

インターネットに必要な知識・能力

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ネットリテラシーとは、インターネットリテラシーの略です。ネットリテラシーとは、ネットを使う上での新しい時代の常識のことです。ネット上に溢れる情報の中で何が正しい情報なのかを読み取る読解力、プライバシーに関することへの配慮、セキュリティに関する危機感などを指します。

ネットリテラシーが備わっていないままネットを使っていると、気が付かないうちにコンピュータウイルスに感染したり、他人の個人情報を流出させるなど、知らないうちに加害者にも被害者にもなってしまう危険性があるのです。

英語の「literacy(リテラシー)」の意味

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英語のliteracy(リテラシー)には、大きく二つの意味があります。英語の意味の1つ目は、読解力のことです。英語のリテラシーは読み書きする力があるという意味です。英語では派生して教養のある人という意味の使い方をすることもあります。

また英語のリテラシーでは、識字率という意味での使い方もあります。さらに英語のリテラシーの意味は、読むだけではなく、文章で表現する力を指すことがあります。また英語のリテラシーの意味の2つ目の意味は、特定分野における知識や技能や能力のことです。

さらに最近の英語の意味で、「自分の力で情報を獲得して、その情報を利用したり活用したりすることができる能力のこと」という使い方も登場しています。英語のリテラシーの新しい使い方は、ネットリテラシーの意味が世間に定着してから英語に逆輸入されたとされています。

「ネチケット」の意味とは

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ネットリテラシーという言葉とよく似た言葉に、「ネチケ」という言葉がありました。「インターネットエチケット」の意味で、「ネチケット」と言われたこともありました。ネチケットはインターネットの使い方における「他人に配慮したマナーやエチケット」のことです。

昔は半角カナ文字などは正常に表示されない可能性があったので、使わないようにしていました。これがネチケの例のひとつです。他にもマルチポストをしないことやメールはテキストで送信することなど、当時のネチケは比較的簡単にできることがほとんどでした。

現在では技術的に過去のものとなったネチケもありますが、社会生活上最低限必要と思われる共通常識も多く見られました。ネットリテラシーのなかにネチケも生き残っていますが、技術革新した現代では、それだけでは足りなくなってしまったということなのです。

「ネットリテラシー」の使い方・例文

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ネットリテラシーという言葉には「高い・低い」「ある・ない」「持っている・持っていない」などという言葉を組み合わせた使い方があります。「ネチケ」「ネチケット」などの使われ方と同じですが、ネチケよりもネットリテラシーは広い範囲で使われています。

PCやスマホなどの技術的な約束事や情報収集時のインターネットの使い方に関するモラルに至るまで、ネットリテラシーという言葉がカバーする範囲は広いことが特徴です。このため、抽象的過ぎる状況でのネットリテラシーという言葉の使い方は、誤解を招く危険性があります。

例文①

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「スマホが当たり前になったことで、ネットリテラシーが無い人が増えた」「ネットリテラシーの欠如が、ウイルス蔓延を引き起こしている」「社会全体のネットリテラシーを向上するためには、学校での教育が重要だ」「ネットリテラシーの無い人間が、ネットを使うべきではない」

このように、ネットリテラシーとは「インターネット利用の際の常識」のような使われ方をしています。最近ではさらに省略されて単に「リテラシー」という場合も多く見られます。もちろん、本来の英語の意味の「読み書きの力」という意味からは離れてしまっています。

小学校でのプログラミングが教科として必須化している現代だからこそ、小さな子供からお年寄りまでが「そもそもネットリテラシーとは何か」を理解し、「ネットリテラシーを身につけている」状態にすべきだといわれているのです。

例文②

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「ネットリテラシーが低いから情報を鵜呑みにするんだ」「個人情報を漏洩したとは、ネットリテラシーが低すぎる」「許可もなく人の写真を使うなんて、なんてネットリテラシーが低いんだ」「怪しいアプリをダウンロードする奴はネットリテラシーが無い奴だ」

「SNSでトラブルになる奴は、もとよりネットリテラシーが低すぎるからだ」などのように、インターネットを利用する上で「うっかりやってしまっていること」に対しての苦言として、ネットリテラシーという言葉を使うことが多いようです。

「ネットリテラシー」が低い人の問題

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社会と断絶し独りだけで生活しているのであればマナーも常識も不要です。ところが二人以上の人間が存在すれば、そこには常識やマナーが必要になります。ましてや村やインターネットなどで、多くの人々とつながているのであれば、常識が無ければ社会が成立しません。

ネットリテラシーが低い人であれば、意図しないにもかかわらず、様々な問題を生じさせてしまう危険性があります。最大の問題点は、本人に自覚が無いことです。自覚がないので「自分は無関係」と無責任に言い放ちますが、ネットリテラシーの低下による問題であることは明白です。

情報を鵜呑みにし拡散する

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ネットリテラシーの低い人たちに共通する一番の特徴は、「情報の鵜呑み」です。噂話が好きな人は昔から存在します。誰かが言い始めたことが学校のクラス中に広まることはありました。広がったとしても村の中までが限界であった根拠のない噂話が、ネットを介せば世界中に拡散します。

大きな問題点は、そこにあります。ネットリテラシーが低下している人たちによる「デマの拡散」という行為です。ネットリテラシーが低い人たちは「ネットで見た」「ネットで読んだ」「ネットにあった」という言葉の使い方が多く、無責任に根拠もないデマ情報を拡散させるのです。

個人を特定できる情報を公開

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ネットリテラシーが低下している人が使う言葉のひとつに、「つい」という言葉があります。掲載許可を取っていない友人の顔写真や現住所や電話番号などの個人情報を、ブログやSNSに「つい」書き込んでしまうことがあります。プライバシーという言葉の意味を理解していません。

ネットリテラシーが低下している人たちからすれば「実名を出さなければプライバシーは侵害していない」と言い張ります。この時点で、インターネットを利用する人間としてのモラルや常識に欠けるということで、まさにネットリテラシーが低いということなのです。

ネットリテラシーが低下している人たちは、「なんか、そういう決まりを覚えておくのが面倒」という言い訳をします。ネットリテラシーが低い人たちは、個人情報を拡散させたことで生じる被害が想像できないのです。ネットの使い方が凶器になっている自覚がありません。

他人の情報も勝手に使う

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特に日本人気質には「サービス=無料」という概念が長く定着しています。また「無料=何をしても良い=自分のもの」という考え方も、定着しています。インターネットで公開されている情報の多くは、誰にでも公開されているものがほとんどです。

このため、ネットリテラシーが低下している人たちは、他人の情報であっても勝手に使ってしまうことがあります。有名な例でいえば、論文などのコピペ問題や著作権侵害などの問題です。これらは、場合によっては法的責任に問われることもあります。

ネットリテラシーが低下している人たちからは、「ネットにあったんだから、勝手に使ってもいいじゃないか」と反論します。正しい知識を身につけていなかったにもかかわらず自分の過失を認めないということも、ネットリテラシーが低下している人たちの問題点です。

セキュリティが甘い

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ネットリテラシーが低下している人たちに共通する傾向として「自分たちは大丈夫」という根拠のない自信を持っていることが挙げられます。このためコンピュータウイルスなどに関しても「自分たちには関係ない」という態度を示します。

セキュリティに関することには意識が低下していて、例えばパスワードを人目にさらしたり、社内重要機密を居酒屋で大声でしゃべったり、社外持ち出し禁止のデータをUSBメモリなどに許可なくコピーして持ち出すなど、セキュリティに対しての危機感が皆無です。

アプリやソフトをよく考えず使う

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「かっこいいアイコンだったからクリックしちゃった」「無料だというのでダウンロードしてみた」「知らない人からのメールだったけど、分からないから開けちゃった」などという言葉が、ネットリテラシーの低い人たちの常套句です。さも、自分には非が無いような言い方です。

例え個人情報を盗まれても、例え後から高額使用料金を要求されても、例えウイルスを感染させられても、「自分は悪くない。悪いことをしたのは向こうだ」と言い張るのがネットリテラシーの低い人たちです。このような態度であるため、いつまでたっても問題解決には至りません。

SNSでのトラブルに巻き込まれやすい

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自分のとった言動が、社会に大きな迷惑をかけてしまうことを想像できない、ということがネットリテラシーの低い人たちに共通する点のひとつです。特にネットリテラシーの低い人たちのSNSへの投稿が、社会的大問題となることがあります。いわゆる度を越した言動です。

SNSは匿名性が高いと思われがちですが、写真から場所を特定したり、過去の投稿から個人情報を探り当てることが得意な人たちもいることで、個人の特定がされないということでは無いのです。それを理解できていない点が、ネットリテラシーの低い人たちの問題点です。

「ネットリテラシー」を鍛える方法

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ネットリテラシーを鍛え高めてく方法は、小さいころからの教育が重要とされています。学校教育で鍛えることも、家庭でも鍛えることも必要でしょう。さらに「一度教えて終了」という性質のものではないことを、周囲にいるネットリテラシーが高い人は理解しておくべきです。

KDDIでは「ネットスキル診断」を無料公開しています。こうしたものを定期的に使って、インターネット社会の新しい常識を身につけてネットリテラシーを鍛えていきましょう。親の管理から離れ始める、小学校低学年になったら話し合い、鍛える機会を持つと良いでしょう。

ネット情報を読む視点を増やす

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簡単に言えば、ネット上の情報に対しては「疑う」という態度を常に意識すべきだ、ということです。書物に残してある情報は「文責」というものが存在します。ところがネット上の情報には責任のない情報が非常に多いのです。このことを常に意識するだけで鍛えられます。

信憑性の高い情報であるかを見極めるためには、まずは情報発信源が明記されているかを確かめます。誰が発信しているかも分からない情報は、信用度が低いということを意識します。ネットリテラシーを鍛えることは、疑う気持ちを鍛えることと同義にはなりません。

それでも、ネットリテラシーを鍛えるには、情報を見る視点を増やすことが重要だということなのです。視点を増やすということは、情報に飛びつくのではなく、その情報を取り巻くあらゆる情報を考えるということです。つまり鍛えるとは「考える」ということなのです。

2つ以上の情報源を使う

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複数の情報源を持つことは重要です。ひとつのニュースサイトだけではなく、複数のサイトから情報収集することは大事なことなのです。検索も、ひとつの検索サイトで調べて終了ではなく、複数のサイトで調べて得られた情報を照らし合わせてみましょう。

複数の情報源から得られた情報に大きな差異はなく、特に中立性の高い情報であれば信憑性が高いと考えられます。このようにして、ネットリテラシーを高めていくのです。特にSNSには主観による情報拡散が多いので、やみくもに情報を信じない態度が重要なのです。

根拠なしに信じない

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人の噂話であっても「らしいよ」と語尾につく噂は信用に値しないといわれます。特にSNSや個人ブログの情報などは、思い込みや誤解、一方通行の気持ちが暴走して発信された情報であることが多く、これを鵜呑みに信じると誤情報の拡散を手伝ってしまうことになりがちです。

人の感じた印象や思った意見を「事実」と思うことで、こうした負の連鎖が始まることがあります。特にSNSでの情報には十分注意して「はずだ」「ではないか」などという言葉が語尾にある情報は鵜呑みに信じないように心がけるようにしましょう。

自分でも調べるようにする

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自分で調べる習慣も、いまは「スマホで検索する作業」となってしまっています。ネットでの検索は早いので便利です。ただし、他の方法や別の角度から調べる習慣を持ちましょう。人づてに聞いた情報を鵜呑みにすることは危険なことだと認識しましょう。

「みんな言っているから」と信じ込む態度は、ネットリテラシーが低くなる入り口です。根拠なしに情報を信じないことは、自分で調べることで解決することも多いのです。身近な人からの情報であっても、自分で複数の情報源で確かめてみる習慣を身につけてみましょう。

ネット詐欺の事例を知っておく

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ネットを使った詐欺事件は巧妙になり、判断が難しいことも珍しくはありません。オンラインショッピングでの口コミ情報の多くが、実は買ったことも使ったことも無かった偽情報だったという詐欺事件もありました。クレジットカード番号を盗むフィッシング詐欺なども有名です。

こうした事件を「自分には関係ない」としないことが最も重要なことです。最低限、詐欺事件の手口を理解し、同じような行動はしないように気を付ける心構えが重要です。インターネットは使い方を間違えれば、自分だけではなく人にも迷惑をかけることもあると理解しましょう。

「ネットリテラシー」を鍛えてネットを安全に活用しよう!

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インターネットリテラシーという言葉は、これからの時代に重要なIT常識のひとつです。非常に多くの意味や広い範囲の常識を扱い、また刻一刻と進化することでもあるので、一度学んで終了ということはありません。常日頃からネットリテラシーを鍛える意識をする必要があります。

インターネットを利用するに際して必要な、情報を使いこなす力を幼少期から身につけることが重要です。豊かな生活にするためにインターネット上の情報を使いこなすことは、ネットリテラシーを鍛えることと比例させることが必要であるということなのです。

てぃーえむ
ライター

てぃーえむ

アメリカ在住のシニアライター。音楽と料理と酒を愛する、ばりばりインドア人間。伝えることと知ることは、すなわち勉強。人間、一生勉強です。そんなことを、つまみを作りながら、最高の音楽を聴きながら、酔っ払って思っています。

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