落成式とは
「落成式」とは、公共の建物が完成した事を祝う式です。普段日常的によく耳にする言葉では無い為、なんとなくは知っていても具体的にどの様な事をする式なのかや、どの様な人が出席に招待されるのかなどまで知っている人は少なくありません。
ですが、社会人であれば今後参加する機会が来るかもしれないその時の為に、落成式について知っていおいて損はありません。ここでは、落成式について具体的に分かりやすく解説し、またマナーについても解説していきます。
工事が完成したときの式
落成式とは、公共の建物の工事が完成した時に建築主が工事関係者や取引先、建物を建てる際に騒音などで迷惑をかけた近隣住民や商業施設などを招待し、完成のお披露目と感謝の気持ちを伝える式典です。式典と言ってももう少し噛み砕いて建物をお披露目するパーティーとも言われています。
落成式を行うことで建物の建設中に携われなかった多くの関係者の人達なども、どの様になったのかを確認することができ、また喜びを分かち合う事ができるのが落成式の特徴とも言えます。
落成の意味
あまり落成という言葉は日常生活には使われないため意味を知らない人も少なくありません。ですが、知っておく事に損は無いのでどのような意味があるのかについて説明していきます。
落成という言葉の意味は、「工事が完成する事」を意味した言葉です。その為、建物などが完成した際に建築主が関係者などにお披露目する式の事を「落成式」と言われています。
落成の類義語
落成という言葉の意味は、「工事が完成した事」を意味する言葉だと説明しましたが、落成の意味に似た同じような意味をもつ言葉が一つ存在します。
それは、「竣工」という言葉になります。同じような意味を持ちますが、落成式と竣工式とでは行うことが少し異なります。
落成式と竣工式の違い
2つの言葉は「工事が完成した事」で同じような意味をもつ言葉ですが、落成式と竣工式とでは行われる内容が少し違います。
落成式と竣工式は似ている為、勘違いしやすいですが、2つの式の違いについて適切に理解し、その場にあったマナーをすることが大切です。
落成式はお披露目パーティ
落成式は、建物の工事が完成した際に建築主が関係者や近隣住民などに感謝の気持ちを合わせて建物をお披露目する式です。堅苦しくなく、皆で建物完成を喜ぶお披露目パーティーなのが落成式の特徴でもあります。
また、落成式の進行には一定の決まりは無く建物や工事の規模、主催者側によって異なります。ですが、大体の流れは開会の辞が述べられ建築主の挨拶や工事関係者の挨拶、祝電に開宴、閉会の辞といったような流れになります。
竣工式は神事を行う
落成式は、建物をお披露目するお披露目パーティーなのに対して、竣工式は神様にこれからの建物の繁栄などを祈る神事になります。また、竣工式は神事のみ行うケースもあれば、祝賀会と合わせて行われる場合もあります。その場合は、神事ごとを行い見学、パーティーと行った感じになります。
落成式と竣工式は同じような言葉の意味合いではありますが、神事を行うか行わないかの違いがあるので知っておきましょう。
落成式のマナー
ここでは、落成式に包むお祝いの相場や包み方、お祝いに適切な贈り物の品、招待された際の基本的なマナーについて解説していきます。
落成式は一般的に招待を経験する機会は少ない為、マナーについてもあまり知っている人は少ないかもしれません。ですが、社会人であればいつか参加する時の為に抑えて置きたいマナーばかりなのでぜひ理解しましょう。
落成祝いの相場
落成祝いをする際の一般的に包む相場については、身内や親戚であれば1万円〜5万円で、友人や知人であればま5千円〜3万円、ビジネス関係の人であれば3万円〜5万円が相場になります。
この金額が絶対というわけではなく、あくまでも相場になります。相手との関係性によって金額を決めるのがおすすめです。
包み方
落成祝いの包み方にもマナーがあるので覚えておきましょう。落成祝いに贈る物となれば、現金やお祝いの品を贈ることに主になりますが、現金の場合は祝儀袋に入れ水引で紅白のものか金銀の蝶結びが適切です。
表書きには、「御祝」や「祝御落成」、「祝新社屋落成」にします。品物や商品券など包む際は、包装紙とのし紙で包み、表書きに「御祝」「祝新社屋落成」「祝御落成」にします。水引は、紅白のものか金銀の蝶々結びが一般的です。
落成祝いにおすすめの贈り物
落成祝いにおすすめの贈り物についても知っておくとよいでしょう。落成祝いには、一般的に縁起の良い鉢植えの胡蝶蘭や観葉植物が物が好ましいと言われています。特に胡蝶蘭は幸せを意味する花言葉や新しい建物を豪華に彩ることで贈る品として人気です。また、品物を送る際は後に残らないお酒やお菓子などが好ましいです。
また、落成祝いには送ってはならない物や色が存在します。それは、建物の完成を祝う場で火事を連想させる赤色のラッピングや赤一色の花、ライターやキャンドルなどです。ぜひこれらの事を注意しながら贈る品を選ぶようにしましょう。
落成祝いを贈るタイミング
落成祝いにも贈るタイミングというのがあります。適切なタイミングは、建物が完成してから1ヶ月以内を目処にお花などを送ります。落成式を行う場合はその式が行われる前日を目安に贈ると良いでしょう。贈る際は、先方の都合に合わせて贈るのが一番好ましいです。
また、落成式の当日は忙しくなるため当日に贈り物を贈るのは避けたほうが無難です。あくまでも先方に失礼が無いように贈り物を贈るようにしましょう。
落成祝いで花を贈る際の相場
落成祝いでは胡蝶蘭や花を贈ることが多いですが、その場合の相場についてもご説明します。花を贈る際の相場は、1万円〜10万円を目安に選ぶことがおすすめです。その中でも一番多い予算の目安は、3万円〜5万円とされています。
あくまでも相場ですが、落成祝いを包む時と同様に相手との関係性によって予算を決めることが一番望ましいです。
落成式に招待されたときのマナー
ここでは、落成式に招待された場合についつ解説していきます。まず、落成式に招待されたら出席するかしないかを決める必要があります。出席するかしないかもなるべく早く先方にその事を伝えることがマナーとなります。
また、出席する場合やしない場合によっても相手に適切な対応がする必要があります。先方に失礼の無いような対応を心がけましょう。
出席の場合の対応
落成式に出席することが決まった場合は、その有無を主催者側にできるだけ早く伝えることが丁寧です。出席することを伝える際には、必ず一言お祝いの言葉を添えるようにすると良いです。
また、出席する場合には、当日に贈り物を持参する必要があります。贈り物は相手との関係性を考えた上の予算で選び、失礼の無いものを選びましょう。それと同時に参加する際に適切である服装を用意します。当日はお祝いの言葉を伝えるのと同時に直接手渡しで贈ることが適切です。
辞退の例文
場合によっては参加できず辞退するようになることもあります。その場合の適切な文例としては、お祝いの言葉を先に伝え、招待していただいた事にお礼を述べます。
その後に参加できない理由を述べ最後に出席できないことのお詫びをすることが適切とされています。例文としては以下のようになります。
「この度は、落成を迎えられたとのこと心よりお祝い申し上げます。また、このような喜ばしい式に招待頂き誠にありがとうございます。本来なら、お祝いに駆けつけるべきところなのですが、当日は出張のため出席することがかないません。不参加の失礼をお詫びいたします。最後となりますが、貴社の益々のご発展を心からお祈りいたします。」
落成祝いを添える場合の例文
出席することができない場合であっても落成祝いを贈る事があるかもしれません。その場合に落成祝いの言葉を添えます。その際は、まずお祝いの言葉を述べ出席できないがお祝いの贈り物をお送りしたいという気持ちを伝えることが適切です。例文は下記になります。
「この度は、落成を迎えられたとのこと心よりお祝い申し上げます。あいにく当日は出張のため出席することがかないませんが、お祝いの品をお贈りします。貴社の益々のご発展を心からお祈りいたします。」
欠席したがお祝いをもらった時の返礼品
欠席したがお祝いをもらった時の返礼品はどのようにすればよいのか説明します。出席できない場合でも主催者側からお祝いの品をもらうことがあるかもしれません。ですが、状況によって対応が変わってきます。
欠席する有無を伝える際にお祝いの言葉と一緒に落成祝いを贈った場合は、引き出物としてお返しされたと考えるので返礼品を用意する必要はありません。ですが、ただ単に引き出物だけを受け取ったのであれば、頂いた返礼品の3分の1から半分程度の金額でお返しするのがマナーになります。
落成式に出席する服装のマナー
ここでは、落成式に招待され参加する際の服装のマナーについて解説していきます。服装によって相手に与える印象が大きく変わるため適切な服装をして参加する必要があります。
また、服装はあくまでも招待された主催者側に合わせて選ぶことに徹したほうが良いですが、一般的な落成式に参加する際に適した服装は、フォーマルな服装です。
基本はフォーマルウェアで上品に
落成式は、完成した建物をお披露目するパーティーになりますが、あまりに華美な服装は好ましくありません。開催する主催者によって服装の雰囲気は変わってきますが、基本はフォーマルウェアで上品な服装になります。
女性であれば、フォーマルスーツの中のワイシャツをフリルつきのブラウスやパステルカラーでお祝いを彩る感じにしたり、ワンピーススーツやワンピースアンサンブルなどがおすすめです。また、アクセサリーをつける際はパールなどが適切です。足元は、ベージュのストッキングにオープントゥやバックストラップのあるサンダルを履きましょう。
男性であれば、光沢感のあるフォーマルスーツやダークカラーのスーツ、グレーのストライプスーツなど年齢に合わせて選びましょう。また、足元は革靴が良いです。
主催者側にふさわしい服装を確認しておく
上記では基本的な落成式での服装を紹介しましたが、主催者側によって服装の華やかさなどは随分と差があります。ですが、いくら完成した建物のお披露目パーティーとはいえ、あまり華美な服装は主催者側のイメージダウンになりかねないので控えるべきです。
もし服装に悩んだ場合は、招待された主催者側にどのような服装がふさわしいのか確認しておくと一番安心なのかもしれません。
落成式の挨拶のマナー
最後に落成式を主催した場合の挨拶のマナーについても解説していきます。落成式は、建物の完成を祝うと共にそれまでに携わってきた関係者やそれに協力してくださった近隣住民、商業施設などに感謝の気持ちを述べる場でもあります。その為、失礼のない挨拶を心がける必要があります。
挨拶と自己紹介
落成式が始まった際に一番最初に行うことは、挨拶と自己紹介を行います。その時のポイントとしては、まず自己紹介を行い、落成式に出席いただいたことのお礼の気持ちを述べ、建物が何日に完成し今日を迎えらてたのかをお伝えし最後に今後もお願いしますという気持ちを伝えます。
関係者へのお礼
初めの挨拶の後に建物を完成する上でお世話になった関係者の方たちに感謝の気持ちを述べます。一つの大きな建物を完成させるには多くの人の力と努力がなければ完成させることはできません。
今まで長い期間その建物に対して時間と労力をかけてくれた関係者にしっかり落成式という場を借りて感謝を伝える必要があります。
騒音のお詫び
次に近隣住民や商業施設の方には騒音について迷惑をかけたことをお詫びします。建物を建てる際は、どうしても大きな音が伴ってしまいます。
それに対して建物が完成するまで暖かく見守ってくれていた近隣住民や商業施設の方にも落成式という場を借りて騒音に対するお詫びと感謝の気持ちを伝える必要があります。
今後の自社の成長予定
最後の挨拶に自社の今後の成長予定を述べます。この建物を完成させた事にはなにかしらの理由があって建物を立てたのだからこそ、今後どのような会社にしていくかやどのように貢献していくのかなど具体的に伝えるのが良いです。
より良い会社を作っていくことに対して応援してもらえるよう落成式と言う場を借りて関係者の方たちや近隣住民、商業施設の方にアピールしましょう。
落成式は工事の終了を知らせ関係者に感謝を伝える式
今回は「落成式や竣工式の違いは?パーティーでの服装や挨拶などのマナー」について解説していきました。普段の生活の中では、あまり参加する機会は少ないかもしれませんが、いざという時に知っているか知らないかでは社会人として大きく差があります。また、服装や挨拶のマナーは落成式に限らず色々な祝賀会に生かされるはずです。