道教の始祖である老子とは?
道教の始祖「老子」とは一体どんな人だったのでしょうか。「老子」とは、どんな人でどのような時代を生きた人なのか解説していきます。老子に対する歴史家の評価についてもご紹介していきましょう。老子について簡単に説明していきます。老子とはどんな時代を生きた人だったのでしょうか。
老子は中国春秋時代における哲学者
老子は、「ろうし」と呼ばれています。労使は中国春秋時代の哲学者です。老子の思想を基礎にしてつくられた道家は道教として今もなお多くの人達に教えを伝えています。
「老子」の呼び名には、「偉大な人物」という意味があり、「老子」という書物には、不明な点が多いため実在が疑問視されている人物でもあります。道教のほとんどの宗派で、老子は神格とされているのです。
老子はたくさんの名言や格言を残しているので、私達の人生にも大きな影響を与える名言、格言が多く存在しています。現代に生きる私達に通じる名言格言がたくさんあるのが老子の思想でもあるのです。
老子に対する歴史家の評価
老子に対する歴史家の評価については、実際に老子がいたのかどうかを明確に示す証拠が今のところ何一つ見つかっていません。そのため、老子は正体不明の伝説の人物ではないかといわれているのです。
歴史家の中での見解も色々あって、老子ではないかと言われる3人の内の誰かではないかという意見や複数の歴史上の人物をもとに作られた神話上の人物ではないかという意見もあるのです。
今もなお老子の存在は、研究中ではあります。だからこそ老子の名言・格言は、私達に訴えかけてくるものが多いのかも知れません。
老子の名言・格言集を紹介
それでは、早速老子の名言と格言をご紹介していきましょう。老子の名言や格言には今を生きる私達にも語りかけてくる明言格言が豊富にあるのです。あなたにもきっと心に残るような老子の名言格言があります。老子の名言・格言から老子の思想を学んでいきましょう。
老子の名言・格言①「人を知るものは智なり…」
「誰でも自分のことは自分が1番よく分かっていると思い勝ちではあります。しかし、生きていると他人から自分でも気が付いていないことを自分のいいところ悪いところを教えてもらうことがたくさんあります」という意味の名言格言になります。
老子の名言・格言②「足るを知る者は…」
「足るを知る」というフレーズを聞いたことがある方も多いことでしょう。「自分にとって何が十分かを知る人は豊かになる。努力を続ける人は志を果たすことができる。
そして、自分の立ち位置を見失うことはない。死を自然の一部として自然に受け入れられる人は死に囚われることはない」という解釈ができます。
老子の名言・格言③「曲がれば則ち…」
「曲がった木は、役にたたないのだから、倒されることなく天寿を全うできる。尺取虫は、体を曲げて移動するから真っ直ぐ移動することができる。
地面にくぼみがあれば、そこに水を貯めることができる。こうして世の中には足りないことで得をすることがあり、逆に多過ぎると迷って損をすることがある」という意味を表しています。
老子の名言・格言④「我に三宝あり…」
「私には大切にして続けている3つの宝がある。1つは慈しみ、2つは倹約、3つはむやみにでしゃばらない謙虚さです。慈しみがあるから勇敢になれて、倹約しているから人に施せて、でしゃばらないから大きな器でいられる」という老子の名言格言となります。
老子の名言・格言の思想を漢文と現代語訳で解説!
それでは、老子の名言と格言から老子の思想を理解していきましょう。老子の名言格言から老子の思想を漢文と現代語訳から解説していきます。老子の思想がよく分かるようになっているので、あなたの人生に大きな影響を与えてくれることでしょう。
名言・格言「人を知るものは智なり…」の漢文
老子の漢文として「知人者智、自知者明。勝人者有力、自勝者強。」となります。書き下し文は「人を知るものは智なり自らを知るものは明なり。人に勝つ者は力有り自ら勝つものは強し」です。老子の思想を表す名言でもあります。
「人を知るものは智なり…」を現代語訳で解説
「誰でも自分のことは自分が1番分かっていると思ってしまいがちではありますが、他人が自分のことを教えてくれることはたくさんあるのです。自分に勝つことほど難しいことはないのです。」という意味の老子の思想が入った名言格言となります。
名言・格言「足るを知る者は…」の漢文
老子の思想の入った「知足者富、強行者有志、不失其所者久、死而不亡者壽」という漢文があります。書き下し文は「足るを知る者は富む。強めて行なう者は志有り。其の所を失わざる者は久し。死して而(しか)も亡びざる者は壽(いのちなが)し。」となります。
「足るを知る者は…」を現代語訳で解説
老子の思想にある「自分にとって何が大切かを知っている人は豊かになり、努力することを続ける人は志を果たします。自分のたち位置を見失わなければ長続きするでしょう。道教では、肉体的な死に囚われない人は本当の意味で長生きするでしょう」という思想が名言格言で表されています。
名言・格言「曲がれば則ち…」の漢文
老子の教えである道教にも通じる名言格言である「曲則全、枉則直。窪則盈、弊則新、少則得、多則惑。」があります。
書き下し文には「曲がれば則(すなわ)ち全し。枉(かが)まれば則ち直(なお)し。窪めば則ち盈(み)つ。弊(やぶ)るれば則ち新たなり。少なければ則ち得、多ければ則ち惑う」となります。老子の道教の教えでもあるのです。
「曲がれば則ち…」を現代語訳で解説
「水を貯めるには何もない空間がなくてはいけなくて、高く飛ぶためには、1度低くかがまなければいけないのだ。欠点も見方次第で長所になる」という老子の教えでもあります。現代の私達の生き方にも通じる考え方です。
名言・格言「我に三宝あり…」の漢文
「我有三寶、持而保之。 一曰、慈。二曰、儉。三曰、不敢爲天下先。 慈故能勇、儉故能廣、不敢爲天下先、故能成器長。 今舎慈且勇舎儉且廣舎後且先死矣。夫慈、以戰則勝、以守則固。天將救之、以慈衞之。」となります。
「我に三宝あり…」を現代語訳で解説
仏教の仏法僧の3法の原典にもなった名言です。1つ目は慈は、他人を慈しむ心のことで、キリスト教の愛の概念に通じるものでもあります。2つ目の倹は、「足るを知る」という仏教の教えでもあるのです。そして3つ目は無理をして人の前に立ってはいけない謙虚さを説いている名言格言となります。
老子の名言・格言はビジネスシーンで大いに役立つ
老子の名言と格言はビジネスシーンでも役に立つ名言格言がたくさんあります。ビジネスシーンでも役に立つ老子の名言・格言を集めました。
ビジネスで迷った場合や、悩んだ時に老子の名言、格言を思い出して下さい。長いビジネスマン生活の中色々なことがあります。きっと、老子の名言・格言があなたを助けてくれるでしょう。
「誰にも知られない存在」は最も理想的な指導者を意味する名言
老子の道教の中に「知不知上、不知知病。夫惟病病、是以、不病。聖人不病、以其病病。是以、不病。」という名言格言があります。
意味としては「自分が知らないことを知っていることは大切です。知らないのに、知っているというのがよくありません。聖人に短所がないのは、短所を短所と理解しているためです。そのため短所がないということになります。」という意味があります。
知ったかぶりをすることはよくなくて自分が知らないことを把握していることが決して欠点ではないという意味の名言格言となります。謙虚なことはビジネスシーンでも役に立ってくれることでしょう。
「押してダメなら引いてみる」を意味する名言
老子の名言格言に中に「将欲歙之、必固張之。」があります。この意味は、「もしも縮めたりのであれば、分散拡大させる」という意味です。押しても駄目なら引いてみなさいという考えと同じ意味になります。柔軟な発想で逆の方法をしてみれば成功することがあるという意味にもなるでしょう。
「成功の近道」を意味する名言
老子の道徳教の中には「合抱之木、生於毫末、九層󠄃之臺、起於累土、千里之行、始於足下。」という名言格言があります。「大木であっても始めは小さい枝から始まっている、千里の道も始めの一歩から始めるものです」という意味になります。
この文の後には、「普通の人は慎重さが欠けることで完成間近になって失敗してしまう」と続きます。どんな大きな仕事でもスタートは些細な1歩が始まりです。初心を忘れることなく、慎重に仕事を進めていくことで確実に完了できるであろうことがいわれています。
物事の本質を見る老子の名言・格言は重要性が高い!
老子の思想は、物事の本質を見ている名言・格言でもあります。私達が生きる現代にも通じる名言。格言はたくさんあるのです。もしも生き方に迷ったら老子の名言・格言にもう1度触れてみましょう。本当に大切なことが老子の名言・格言を見れば分かってくるのです。