「精悍」の意味とは
「精悍(せいかん)」は「精悍な顔つき」など、主に男性を称えるときに使われます。「精悍」にはどのような意味や由来があり、どんなシーンで使うのが好ましいのでしょうか?実は「精悍」には「力強い・才気が鋭い」という意味と「勇敢」という意味の2つがあります。まずは「精悍」の2つの意味についてみていきましょう。
意味①力強い・才気が鋭い
「精悍」の1つ目の意味は、対象の表情や言動から力強さや才気の鋭さが見受けられることです。例えば、一生懸命仕事や部活に励んでいる男性から、力強く頼もしい様子を感じられたり、才気盛んで鋭い様子を感じられたりした場合、その人の力強く才気が鋭いさまを「精悍」という言葉を使って言い表します。
意味②勇敢
「精悍」の2つ目の意味は、対象から勇敢さを感じられることです。例えば、ある男性の言動や顔つき・ボディ、特に瞳などから、勇敢さや逞しさ、活力に溢れている様子が感じられた場合、その人の活気溢れる勇敢で逞しいさまを「精悍」という言葉を使って言い表します。
「精悍」の由来
「精悍な顔つき」など、主に男性に対して、力強く才気が鋭い表情・言動や、勇敢な顔つき・ボディ・瞳などを言い表す時に「精悍」という言葉を使うことが分かりました。次に「精悍」という漢字を「精」と「悍」の1文字ずつ分けて意味を考察し、主に男性を称えるときに使われる「精悍」の由来を考えていきましょう。
精と悍のそれぞれの意味
「精悍」の「精」という漢字には「気力」や「たましい」「こころ」といった内面を表現する意味があります。そして「悍」という漢字には「あらあらしい」「あらい」「たけだけしい」など、外見を表現する意味があります。
そのため、この2つの漢字を合体させた「精悍」は、内面でも外見でも、力強さに溢れ、才気が鋭く勇敢な様子を表現する言葉となっていることが分かります。
「精悍」の使い方
次に「精悍」という言葉はどういった場面で使うのが適切なのでしょうか?「精悍」という言葉は一般的に、力強く才気がする鋭い様子や勇敢さを言い表すため、嫌味や悪口などネガティブな意味で使われることはなく、褒め言葉として使われることが多いです。ここでは「精悍」という言葉の使い方について、紹介していきます。
厳粛な場面
「精悍」という言葉は、あまり日常的な会話で使われることはなく、厳粛な場面で使われる方が一般的です。例えば、結婚式のスピーチなどで「精悍な顔のイイ男だ」や「顔つきが精悍になった」などと新郎を褒めるときに使われることもあるでしょう。
「精悍」は普段はあまり使われない難しい言葉であり、幅広く様々な意味を含んでいるため、使う場面に迷うこともあるかもしれません。ただ、一度使い方を覚えてしまえば案外簡単に使いこなすことができるでしょう。
男性の容姿
前述のように、力強く才気に鋭い様子や勇敢な様子を現す「精悍」という言葉は、殆どの場合、男性の言動や顔つき、ボディ、瞳などを称えるときに使われます。ここでは「精悍」の幅広い意味の中で、男性のどのような顔立ちが「精悍な顔立ち」なのかについて、いくつかの特徴とともにみていきます。
精悍な顔立ちとは
「精悍な顔立ち」と言われる男性には、いくつかの特徴があります。1つ目は引き締まった顔つき・体つきです。毎日欠かさず筋肉を鍛えている人や過酷な環境に身を置いている人などは、意識しなくても自ずと顔つきや体つきに締まりが出て、「精悍」と言われるようになります。
例えば、毎日、身体を鍛えてストイックな生活を送る、スポーツ選手や肉体労働に従事する男性などがそれに当てはまります。また、普通の職業の男性でも常日頃、ジムでトレーニングを行っている人などは、自然と「精悍な顔つき」に近づいていくことでしょう。
「精悍」と言われる男性の顔立ちの特徴2つ目は、血色の良い表情です。例えば、海に行って元気に遊んだり、スポーツを楽しんでいる人などは、自然と明るく血色の良い表情となり、活発で健康的な印象を相手に与えることができます。
また、ほどほどに肌が日に焼けている顔も「精悍な顔つき」と捉えられています。日に焼けて血色の良い男性は、日にあまり当たらず血色の悪い人よりも、逞しく勇ましい印象を相手に与えることができます。このように、日に焼けて血色の良い男性も「精悍な顔立ち」ということが出来るでしょう。
「精悍」と言われる男性の顔立ちの特徴3つ目は、キリッとした鋭い目つきです。日常生活の男性に限らず、フィクションの世界でもそうですが、何かを決意したときの瞳や、集中して何かに取り組んでいるときの瞳は、その人を「精悍な顔つき」にしてくれます。
例えば、映画などの主人公が普段は精悍さをあまり感じない人物だったとします。しかし、そんな主人公が意を決して戦いに臨むときの表情などは、普段とのギャップも相まって、非常に勇ましく感じられることもあるでしょう。
このように、何かを決意したときの瞳や、集中してなにかに取り組む瞳には、才気の鋭さが宿っており、その瞳の持ち主を「精悍な顔つき」にしてくれるのです。
「精悍」と言われる男性の顔立ちの特徴4つ目は、人生を楽しんでいる表情です。スポーツであっても、芸術であったも何かに打ち込んでいる男性というのは「精悍な顔つき」になっているものです。分かりやすい例は、スポーツを楽しんでいる人です。スポーツに打ち込んでいる人は、心身ともに鍛えられ、充実した表情をしている人が多くいます。
また、音楽活動をしている人や絵を描いている人など、芸術に携わっている人も、楽しんで物事に打ち込んでいるということで、充実した表情をしている人が多いでしょう。
このように、何か物事に打ち込んで人生を楽しんでいる人というのは、表情が明るく血色の良い表情をしていることから「精悍な顔つき」をしていると捉えられます。
「精悍」と言われる男性の顔立ちの特徴5つ目は、自信に満ち溢れた表情です。人生を楽しみ、自分に自信のある人は自然と「精悍な顔つき」をしています。これまではどちらかというと「精悍な顔立ち」の外見的な特徴についてみてきましたが、「精悍な顔」と言われるためには外見だけでなく内面の充実も必要です。
自分に自信のある人は、思考がポジティブになりやすく、表情も明るくなります。そして、自分に自信がある人はそこに行動が伴い、物事をやり遂げることが出来ます。
このように、外見だけでなく内面も充実して、自信に満ち溢れている人は表情も明るく、仕事もできるため、より自分の中で自己肯定感が増していくことになります。そのことでまた、自信が深まり、やがて「精悍な顔つき」となっていくのです。そのため「精悍な顔」になりたいという人は、外見だけでなく、内面にも目を向けると良いでしょう。
誉め言葉
人の主観にもよりますが、基本的に「精悍な顔立ち」という言葉は褒め言葉とされています。「精悍」とは、対象者の力強さや才気の鋭さ、勇敢さを言い表す言葉なので、嫌味や悪口と使われることはほとんどと言っていいほどないでしょう。
ただ、相手によっては皮肉として捉える人もいるかもしれませんが、だいたいにおいて褒め言葉として使える言葉となっています。例えば、初対面の人に「精悍な顔つきをしているね」と言われたり、ダイエット成功後、友人から「精悍な体つきになったね」と言われた場合、それは「褒め言葉」として受け取って支障はないでしょう。
精悍の対義語
ここまで「精悍」の意味や由来、使い方についてみてきました。スピーチなどの厳粛な場面で主に男性を褒めるときに使われる「精悍」は、力強く才気が鋭く勇敢な様子を表す言葉ですが、どのような言葉が対義語として当てはまるのでしょうか?次に「精悍」の対義語についていくつかみていきます。
精神的な様子を意味する対義語
精神的な様子を意味する「精悍」の対義語を3つ紹介します。1つ目は穏やかでやさしげな内面を言い表す「柔和(にゅうわ)」。2つ目は穏やかで他者と争うことのないさまを言い表す「温厚(おんこう)」。3つ目は穏やかで大人しげな様子を言い表す「温和(おんわ)」です。
いずれも力強くて荒々しい様を言い表す「精悍」とは正反対の、精神的な穏やかさや大人しくて優しい様子を意味する対義語となっています。
外見を表す対義語
次に、外見を言い表す「精悍」の対義語を3つ紹介します。1つ目は身体的に弱く、病気をしやすいさまを言い表す「虚弱(きょじゃく)」。2つ目は弱々しい態度で他人の意のままになっている様子を言い表す「軟弱(なんじゃく)」。3つ目はあからさまに弱々しげで病気をしやすい見た目を言い表す「ひ弱(ひよわ)」です。
こちらも力強くて勇敢な顔つきやボディなどを言い表す「精悍」とは正反対の、外見の弱々しさや他者の意のままになる様子、病気がちな様子などを意味する対義語となっています。
精悍の類語・同義語
上記のように、力強くて才気に鋭い様子や勇敢な様子を表す「精悍」には、柔和や柔和、温厚のように精神的な意味での対義語と、虚弱や虚弱、ひ弱など外見的な意味での対義語があることが分かりました。次に「精悍」の精神的な意味の類語・同義語や、外見的な意味の類語・同義語をいくつかみていきます。
精神的な意味を持つ類語・同義語
精神的な意味を持つ「精悍」の類語・同義語を4つ紹介します。1つ目は、勇気があって勇敢であることを言い表す「勇ましい」。2つ目は、勇ましさやためらいなく決断する様子を言い表す「勇敢」。3つ目は、勇ましさや猛々しさを言い表す「勇猛」。4つ目は、選りすぐりの鋭さを持つ者を言い表す「精鋭」です。
いずれも、力強さや鋭さ、勇ましさ・猛々しさを表現する「精悍」と同じような意味を持つ類語となっています。
外見を表す類語・同義語
次に、外見を表す「精悍」の類語・同義語を3つ紹介します。1つ目は、非常に頑丈な様子を言い表す「屈強」。2つ目は顔つきや言動がキリッと引き締まっており、威厳のある態度を言い表す「凛と」。3つ目は勇ましさやキリッと引き締まっている様子を言い表す「凛々しい」です。
こちらも身体的な頑丈さや勇ましさ、態度がキリッと引き締まった様子を表す言葉揃いとなっており、「精悍」と同じような意味を持っている類語となっています。
精悍な顔立ちの有名人
ここまで「精悍」という言葉の意味や由来、使い方を紹介し、対義語や類語もみてきました。「精悍」という言葉は主に男性への褒め言葉として使われますが、具体的にはどういった男性に使われる言葉なのでしょうか?次に、精悍な男性の具定例として、精悍な顔立ちの有名人の男性を紹介していきます。
精悍な有名人は誰?
ここでは、力強く才気が鋭いという意味を持つ「精悍」という言葉にピッタリな、内面的にも外見的にも「精悍な顔立ち」と言える代表的な有名人の男性を3人紹介していきます。それぞれミュージシャン、スポーツ選手、俳優・アイドルといった職業で、3人ともそれぞれの個性を持った「精悍な男性」たちです。
稲葉浩志(ミュージシャン)
「精悍な顔立ち」の男性有名人、1人目はB'zのヴォーカリスト・稲葉浩志さんです。稲葉浩志さんは美形な顔立ちだけでなく、ストイックなまでに体調管理を徹底しているところや真摯に音楽活動に取り組んでいる姿などが、彼の「精悍さ」につながっていると考えられています。
また、2019年9月23日に55歳になる稲葉浩志さんですが、年齢を感じさせないダイナミックなパフォーマンスを行うところも、力強さや才気の鋭さを感じるとして、「男も惚れる男」と言われる要因となっています。
大谷翔平(メジャーリーガー)
「精悍な顔立ち」の男性有名人、2人目はロサンゼルス・エンゼルスで「二刀流」として活躍するメジャーリーガー・大谷翔平選手です。大谷翔平選手も美形な顔つきだけでなく、アスリートとしての屈強な身体、そして投手と打者の「二刀流」を実現するために生活を徹底管理するストイックな姿が「精悍さ」の要因となっています。
さらに、ストイックなだけでなく純粋に楽しんで野球に取り組む姿や、当初多くの専門家に反対された「二刀流」を貫き通す意思の強さも、大谷翔平選手の「精悍な顔つき」につながっているとされています。
また、試合中の才気溢れる鋭い顔つきから、試合後のインタビューでの飾り気のない爽やかな笑顔もギャップがあって魅力だと言われ、誰にも真似できないほどの才能・実力を考慮しても「最も精悍な顔つきをしている日本人のスポーツ選手」と称されています。
岡田准一(俳優・アイドル)
「精悍な顔立ち」の男性有名人、3人目はジャニーズ事務所のアイドルグループ「V6」のメンバー・岡田准一さんです。岡田准一さんはV6としての活動だけでなく、俳優としても多くの作品に出演し、実績を残しています。
岡田准一さんも、整った顔つきであるだけでなく、真摯に仕事に取り組む姿勢や鍛え抜かれた身体、説得力のある鋭い目力などが「精悍」と言われる要因となっています。
また、意思の強そうなところや、スーツや髭がよく似合うところも「力強くて逞しい」と捉えられ、出演作品に男らしくて「精悍な」役柄が多いのも頷けると言われています。
精悍は力強さなどを意味する熟語
ここまで、主に男性を褒める時に使う「精悍」の意味や由来について紹介し、用語の使い方や対義語・類語をみてきました。「精悍」は力強さや才気の鋭さ、勇敢さを表す言葉で、その言葉に当てはまる「精悍な顔つき」の男性芸能人として、B'zの稲葉浩志さん、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手、V6の岡田准一さんが挙げられることが分かりました。
皆さんも、「精悍」という言葉の意味や使い方をしっかりと理解して、身近な男性を褒めてみてはいかがでしょうか?