ささみの部位や胸肉との違いを比較して紹介!
ささみや胸肉は、あっさりとした淡白な味わいで、食感は少しパサつきがある印象の食材です。ささみと胸肉は見た目も味もとてもよく似ていて、その違いを明確に説明できる人はあまりいません。
では、多数の部位がある鶏肉の中でも、よく似ているささみと胸肉は、鶏のどの辺りの部位に位置するのか、またささみと胸肉の違いは何かについて説明します。
鶏肉のささみはどこの部位?
鶏肉のささみは、笹の葉と似ている形をしていることから、その名前が付けられたと言われています。またささみは、上の図でみるとわかる通り、胸肉ととても近い部位に、縦長に位置しています。
一見ささみと胸肉は重なっているようにも、ささみが胸肉の一部のようにも見えますが、ささみと胸肉の部位の位置関係はどのようになっているのでしょうか。
ささみの部位は胸肉の内側
ささみの部位は、なんと胸肉の一部に属します。具体的に言いますと、鶏の胸骨の辺りに胸肉が大きく縦長についていて、胸肉の内側にささみが沿うようにあり、解体すると、簡単に取り外すことができます。
ささみは、胸肉の内側にあるため普段はあまり動かされることのない部位なので、とても柔らかく、また脂肪が少なくとてもヘルシーなので、子どもからお年寄りまで美味しく食べることができます。
竜骨突起の左右の部位に沿うようにある
竜骨突起とは、鶏の胸骨の一部で、他の生き物にはあまり見られない独特の形をしています。ささみは、この竜骨突起を中心に、左右に沿うように1枚ずつついています。
つまり、ささみは胸肉と竜骨突起の間に位置する部位ということができます。ちなみに竜骨突起の先端部位は、焼き鳥でいうと「とりなんこつ」です。
ささみと胸肉の違いは?
ささみは小胸筋と呼ばれ、また胸肉は大胸筋と呼ばれる部位になります。そのためささみは胸肉の一部分ということもできます。だから見た目も味、食感がとても良く似ているのです。
しかし、部位や見た目などがよく似ているささみと胸肉は、カロリーや糖質など栄養面で違いがあります。そしてその違いをうまく生かすことで、ダイエットや筋トレの効率を上げることもできます。
では続いて、ささみと胸肉の栄養面での違いについてと、どちらがダイエットや筋トレに向いているのかについて説明します。
胸肉の部位
胸肉は、その名の通り鶏の胸の部分に位置し、胸骨に沿うようについていて、大胸筋の部位に当たります。鶏の大胸筋は、羽を動かす時によく使われる部位なので筋肉が多く、そのため胸肉はささみと比較すると少し硬めで弾力のある食感をしています。
ささみと胸肉のカロリー・糖質を比較
続いて、ささみと胸肉の糖質とカロリーについて比較していきましょう。ささみのカロリーは100gあたり105kcalあるのに対し、胸肉は100gあたり191kcalあります。
胸肉の部位には鶏皮もついていて、鶏皮の部分は脂質が多いため、その分胸肉の方がカロリーが高くなっているのです。そのため、カロリーを抑えたい方は、鶏皮を取り除いてから食べることをおススメします。
糖質については、胸肉もささみもどちらについても0gであり、糖質を制限した食材を摂りたい人には、比較的どちらも適していると食材だと言えます。ここまでだとささみと胸肉にさほど違いはありません。
しかし、ささみは胸肉より高タンパク質で、さらに筋肉を生成したり、エネルギーに転換しやすくなるビタミン類が豊富なので、ささみの方が筋トレやダイエットには向いていると言えます。
ささみと胸肉の価格の違い
ささみと胸肉の違いについて、栄養面や部位の特徴を説明しましたが、実は価格にも違いがあります。スーパーの精肉コーナーに行くと、胸肉は大きな塊が1~2枚、ささみは複数枚まとめてパックなどに詰められ、売られているところをよく見かけます。
ではささみと胸肉を比較すると、どちらの方が100gあたりの値段が安いのか、またその理由はなぜなのかについて説明します。
部位が大きい胸肉のほうが安い
胸肉は鶏の中で大胸筋の部位に当たり、ささみは大胸筋の内側にある小胸筋に当たる部位です。具体的に数字で比較すると、1羽あたりから採れるささみは100~110g、胸肉は250~300gとなり、ささみの方が1羽あたりからとれる量が断然少ないのです。
そういう理由から、ささみは希少価値があり、1羽あたりからたくさん採れる胸肉の方がお安くなります。そのため糖質制限に重点を置いている方は、よりお買い得な胸肉を選ぶのも一つかと思います。
ささみと胸肉の味と美味しい料理方法
ささみと胸肉は、鶏肉の他の部位や様々な食材と比較してみても、低カロリーで高タンパク質、糖質ゼロ、そして何よりお手頃価格なので、これからも家庭料理で活躍すること間違いなしの食材です。では続いて、ささみと胸肉の味の違いと美味しくいただける料理方法についてを説明します。
ささみと胸肉の味の違い
まずは、ささみと胸肉の味の違いです。ささみは脂肪が少ない部位のため、さっぱりとした、やさしい風味をしています。しかし、白い筋があり、そのまま加熱調理すると硬く縮んでしまい、かみ切りづらくなってしまうため、しっかり取り除いてから料理することが望ましいです。
胸肉も同様に脂肪分が少なく、さっぱりとしたまろやかな味わいが楽しめる部位です。また大きく、厚みがあるため、調理したいものに合わせて、大きさや薄さを調整することができるため、様々な料理に応用できます。
ささみの美味しい料理方法
まずは、ささみの料理方法です。ささみは加熱しても柔らかく、茹でたり蒸したりすると手でも細かく裂くことができる部位なので、マリネやサラダなどの和え物にもピッタリです。
また、さっと湯通ししてさしみにしたり、表面をじっくりと弱火で、白くなる程度まで炙って焼き鳥としていただくと、よりささみの美味しさを感じることができます。
胸肉の美味しい料理方法
胸肉もささみ同様あっさりとした味わいがある部位なので、他の素材の味を引き立てます。蒸したり、茹でたりすると簡単に裂くことができ、裂いたものは、サラダなどにトッピングしたり、和え物に使ったりと、料理への使い道は豊富です。
また、衣をつけて揚げ物にすることで、胸肉の水分を閉じ込め、柔らかさを保ったまま調理することができるので、外はカリカリ、中はしっとりふんわりとした食感に仕上げることもできます。
鶏ハムもおススメ
最近話題の鶏ハムは、鶏肉の中でも、胸肉やささみなどの部位から作ることができます。作り方はとても簡単です。
まず、砂糖と塩をこの順番に肉の表面にまぶし、ビニール袋などで密封して、半日から一日程度おきます。次に袋から肉を取り出して、塩分の量に合わせて流水で洗ったり、水に漬けたりしながら塩抜きをします。
続いて肉をラップで巻いて成形し、沸騰したお湯に入れます。再び沸騰したら火を消し、そのまま放置します。お湯が冷めたら完成です。
最後にラップを外して、クレイジーソルトや黒コショウなど好きな味や風味付けをして、そのまま食べても、サラダにのせても、サンドイッチにはさんでも美味しくお召し上がりいただけます。
胸肉やささみを柔らかくする裏技を紹介
ささみや胸肉は、脂肪分が少なくさっぱりとした味わいを楽しめる部位である反面、パサついた食感が苦手という方もいます。しかし、ほんのひと手間で食感が生まれ変わる裏ワザがあります。
1つ目は適量の日本酒、塩こうじ、マヨネーズ、はちみつなどの中から料理の味に合いそうな調味料を加えることで、肉の保水効果を高めたり、タンパク質を分解して肉自体を柔らかくする効果が得られます。
調味料として加えるだけではなく、肉を切ってから上記の調味料と一緒にビニール袋に入れ、袋の上からもみ、そのまま30分以上置いてから調理するとより効果的です。
2つ目は肉の切り方です。肉には、一定の方向に繊維の向きがあります。その繊維を垂直に断つように切る、それだけで肉が柔らくなります。これらのひと手間で、よりおいしく仕上がりますので、ぜひ一度お試しください。
筋トレやダイエットには胸肉よりささみがおすすめ
ささみと胸肉は、比較すると見た目や食感、味、糖質の量もほぼ同じですが、ささみの方がたんぱく質が多く、脂質やカロリーが低めです。
またささみにはビタミン類が豊富に含まれていて、糖質や脂質をエネルギーに変えやすくするナイアシン、筋肉や骨の生成を助けるビタミンKやビタミンB6が含まれています。
さらにささみには、代謝を上げたり、脂質を体に蓄積されにくくする特性があるパントテン酸が多く含まれているため、この点からもささみは筋トレやダイエットにはよりおススメの部位です。