リサイクル作品・牛乳パックの小物入れの作り方を紹介!
それでは、小さなお子さんも一緒に作れる簡単な「引き出し付き小物入れ」と、アイデア次第でさまざまなバリエーションが楽しめる「シンプル小物入れ」の2つの作り方をプロセス順に解説します。基本は切って貼るだけの簡単作業ですから、初心者の方も気軽に始めてみましょう。
使いやすい小物入れは、いくつあっても嬉しいもの。たくさん作って、作り方を覚えてしまえば応用でいろいろな物が作れます。万一失敗しても、コストのかからないリサイクル素材なので、再挑戦も気兼ねなくできます。
お子さんと一緒に作れる簡単な牛乳パックの小物入れ
まずはフェルトを使った引き出し付き小物入れの作り方からご紹介します。引き出しがついているのでちょっと難しそうに感じられるかもしれませんが、実はとても簡単。お子さんも一緒に楽しめます。
引き出しが付いた小物入れは、簡単なのに凝っているように見えるのが嬉しいところ。完成したときの満足感もひとしおなので、家族みんなでぜひ挑戦してみてください。お子さんにリサイクルの大切さを教えるのにも最適です。
必要な道具と材料
牛乳パックの小物入れを作るのに特別な道具は必要ありません。いつも使っているはさみとのりがあれば十分です。
そのほか印付け用に定規とフェルトペン、穴をあけるための目打ち、仮止めに便利なセロテープや洗濯ばさみもあると作業がスムーズになります。
主役の牛乳パックは、1リットルサイズのものを2個用意します。資源ごみとしてリサイクルに出す時と同じように、きれいに洗って乾かしておきましょう。ただし切り開く必要はありません。
ほかには好みの色のフェルト、引き出しの取っ手になるひもなどがあれば、すぐにでも作りはじめられます。
作り方
まず横にした牛乳パックの1つの面を切り取って小物入れの外側を作ります。次いでもうひとつの牛乳パックで引き出しを2つ作り、それらを合体させるという流れになります。
完成すると、長方形の外箱に、正方形の引き出し2つを横並びに収納したスタイルの小物入れになります。次項から詳しいプロセスをご説明していきます。基本の作り方を覚えたら、アイデアを出し合っていろいろなタイプの小物入れを作ってみましょう。
なお小さいお子さんと作る場合は、カットする作業は保護者が担当するなど、安全面にじゅうぶん注意してください。
①引き出しを入れる収納口を開ける
外箱用の牛乳パックに、底から測って16センチの高さでぐるりと印をつけます。牛乳パックを横に寝かせて、手前になる1面を切り取ります。奥側の面は、つけておいた印から注ぎ口側に向かって7センチの箇所でカットします。
残りの2面は印から3センチの箇所でカットします。これがのり代になります。奥側の面を印から内側に折り返し、外から上下の面をかぶせるようにしてのりづけします。のりが剥がれないようにセロテープで仮止めし、のり代は洗濯ばさみで固定しておきましょう。
後はのりが乾いて完全に接着するまで待ちます。これで、1面が開いた長方形の箱ができました。この箱が小物入れの外側になります。
②引き出しを2つ作る
次に、中に入れる引き出しを作ります。引き出し用の牛乳パックを底から6センチの高さでカットすると、ちょうどよく外箱に収まる引き出しができます。
もうひとつの引き出しは、残りの牛乳パックから6センチぶん筒状に切り出して作ります。底がないので、外箱と同じ要領で底を作ります。
底を作るのが大変だと感じる方は、1リットルサイズの牛乳パックのかわりに500ミリリットルの牛乳パックを2つ用意しておくと、カットするだけで簡単に2つの引き出しが作れます。
③フェルトを貼る
小物入れの基本的なパーツができました。でも、この段階ではまだ牛乳パックです。かわいい小物入れになるように、カラフルなフェルトを貼っていきましょう。
貼る箇所は外箱の4面と底面。引き出しも同様に、開いていない5つの面のそれぞれ外側です。見えない内側は貼らなくても構いませんが、気になる方は画用紙など厚みの出ないものを貼り付ければよりきれいな仕上がりになります。
切りっぱなしでもほつれないのがフェルトの特徴です。好きな色や形を自由に切り張りして、オリジナルな小物入れを作りましょう。
④引き出しに取っ手をつける
仕上げに、引き出しがより使いやすくなるように取っ手をつけましょう。まず引き出しの前面の、好きな位置に目打ちで穴を2つ開けます。
位置はどこでも構いませんが、引き出し面の中央からあまり離れると使いにくくなるので、中心地点から少し下あたりがおすすめです。表から穴にひもを通し、内側で結べばできあがりです。
取っ手はある程度の強度があるひも状の素材なら何でも大丈夫。ゴムひもやリボンなど、身近にあるものを活用してオリジナルの取っ手を作りましょう。穴を開けたくない場合は、ボタンや大き目のビーズなどを縫い付けるとかわいい取っ手になります。
牛乳パックの扱いに慣れたら、応用していろいろなものを作ってみましょう。軽くてやわらかい安全な素材なので、手作りおもちゃにもおすすめです。
はぎれを使ったかわいい牛乳パックの小物入れ
フェルトの小物入れよりやや大人っぽいデザインの、おしゃれでかわいい小物入れの作り方です。牛乳パックの形をそのまま活かして作るので、組み立てるところはほとんどなく、簡単にできます。
作り方がシンプルなぶん、飾りにこだわって自分だけのオリジナル作品にしましょう。リサイクル工作初心者の方の、初めての作品にも最適です。
必要な道具と材料
使う道具ははさみとのり、印付け用の定規とペンです。材料として、牛乳パック1本、小物入れの外側に貼る用と、内側に貼る用の2種類の布を用意します。
用意する布のサイズは作りたいサイズで前後しますが、大体縦8センチ、横30センチくらいが目安です。底布用に約8センチの正方形の布も準備しておきましょう。ほかに、外側の底に付けるフェルト、飾り付け用のレースやリボンなどを用意します。
使う布地はわずかなので、はぎれでも十分。余り布や古着を活用すれば、リサイクル素材だけで作ったエコロジカルなインテリアになります。
作り方
基本の形は、天面が開いた正方形。前項で作り方を解説した引き出し付き小物入れの、引き出し部分だけを取り出したような形になります。
ただし今回はもう一手間かけて内側にも布を貼り、中も見せて楽しめる作り方になっています。箱内部の底には、同じ牛乳パックで作った底板を敷き込みます。
底板をつけると牛乳パックそのままよりもぐっと見栄えがよくなりますが、効果はそれだけではありません。こうすることで、底のでこぼこがなくなり、安定してより使いやすい小物入れになります。ちょっと面倒ですが、手間をかける価値はあるのでぜひお試しください。
①牛乳パックを切り取る
底から測って6センチの高さにぐるりと線を引き、その線でカットします。この小物入れは高い位置で切ればペン立てに、低い位置で切ればトレイになりますが、ここでは正方形に近い高さ6センチのタイプをおすすめします。
コロンとしたかわいい形は見栄えよく、どこから見てもバランスよく見えるという長所があります。また各辺の長さがそろった正方形は扱いやすく、この後の作業も楽になります。
あまった牛乳パックは切り開き、そこから6.8センチの正方形を1枚切り出しておきます。これは、小物入れの底板になります。
②のり代をつけて布を裁つ
牛乳パックの4辺をぐるりと回って、少しあまるくらいの長さに布を裁ちます。大体30センチくらいの長さにしてみて、実際に牛乳パックを当てて適当な長さになっているか確認するとよいでしょう。上下は各1センチずつ余裕をもたせます。高さ6センチであれば、8センチになります。
次に底板用の牛乳パックに対して、一回り大きいサイズに切った布を用意します。この一回りの余分がのり代になります。
布の中央に底板用の牛乳パックを置き、のり代の角に両側から斜めにはさみを入れて楔形に切り取り、折りやすくしておきます。のり代にのりをつけて折り込むように接着すれば底板のできあがりです。
③牛乳パックの外側に布を貼る
牛乳パックの側面に、外側用の布をぐるりと巻くように貼ります。巻き終わりになる部分は、ほつれないようにあらかじめ少し内側に折り込んでのりでとめておくと仕上がりがきれいです。
上下1センチののり代は、それぞれ箱の内側と底に折り込んでのりづけします。底になる部分は、貼る前に角に切り込みを入れて折りやすくしておきましょう。
このとき、布が薄い色で下の牛乳パックの模様が見えてしまうようなら、牛乳パックに白い紙を貼るなど透けない工夫をしてみてください。
④牛乳パックの内側に布を貼る
内側にも布を貼ります。要領は外側に布を貼るときと同じですが、あらかじめ両端と上側の1センチを折って、のりでとめておきます。
上側を箱の縁にぴったり合わせ、角からスタートしてぐるりと貼っていきます。内側は外側よりも貼りにくく、しわができやすいので慎重に作業しましょう。
下側の余裕は、角の部分にはさみで切り込みを入れてから底に沿わせるようにして折ります。貼り終わったら、作っておいた底板を箱の中底に貼りこみます。
⑤外側の底にフェルトを貼る
外側にも内側にも布を貼って、きれいな小物入れができましたが、実はまだ終わりではありません。できた小物入れをひっくり返してみると、まだ底部分が牛乳パックのままなのがわかります。ここにも布を貼って、完璧に仕上げましょう。
貼る布は、フェルトが最適です。フェルトは切りっぱなしでもほつれないので端の始末が要りません。それだけでなく、厚みがあり、ソフトな安定感を与えてくれます。重圧にも強いので、少々重い物を入れてもぐらついたりする心配はありません。
フェルトの大きさは底と同寸で大丈夫ですが、原寸よりも少々小さめにすると、外から見えずスマートな見た目になります。好みで縁から少しはみ出すくらい大きめのフェルトを貼って、あえてきれいな色を見せるのも素敵です。
⑥好みの装飾をして完成
これで小物入れの基本形ができました。仕上げに、できあがったシンプルな小物入れに好きな飾り付けをします。リボンや山道テープ、ラインストーンなど、好きなものを好きな場所にのりで貼り付けて、自分だけの小物入れを完成させましょう。
シンプルな小物入れだから、アレンジは自由自在。アイデア次第でフェミニンにもカジュアルにもなります。置く場所に合わせてデザインすれば、お部屋の雰囲気にぴったりの素敵なインテリアができます。
牛乳パックの小物入れは、材料費がかからず簡単にできるのが魅力。お金をかけずにいろいろなデザインを試すことができます。家族一人ひとりのぶんを作ったり、いろいろな色でたくさん作って並べるなど、アイデアを自由に試してみてください。
小物入れ以外の牛乳パックを使ったアイデア作品
牛乳パックで作れるのは、小物入れだけではありません。小物入れ作りで牛乳パック工作の基本をマスターしたら、それを応用していろいろなグッズを生み出すことができます。
オリジナル作品作りの参考になる、アイデアいっぱいの便利でかわいいグッズの作り方を集めてみました。軽くて丈夫で、加工も容易な牛乳パックは、簡単な手作りに最適の素材。アイデア次第でどんな物でも作れます。ぜひオリジナルグッズ創作に挑戦してみてください。
牛乳パックでビニール袋ホルダー
どんどん溜まるビニール袋を、きれいに整理できる便利グッズです。上部の窓からビニール袋を入れて底の扉から取り出す仕組みで、牛乳パックをそのままの形で使うので、とても簡単にできます。
使用するのは1リットルサイズの牛乳パック1本。底の部分は1辺を残して切り開き、開閉できるようにしておきます。上部は引き出し付きの小物入れと同様1辺を切り落とし、左右の辺も1~2センチを残してカットし、それをのり代にして残る1辺を張り込み長方形の形にします。
上の方の好きな場所にビニール袋を投入する窓を切り抜きましょう。それから引き出し付き小物入れの引き出しの取っ手と同じように底部に2箇所穴を開け、ひもを通して輪にします。このとき、穴の位置は切り離していない1辺の真向いの辺の縁にします。
全体に好きな布を貼り、底に取り付けたひもを引いてちゃんと閉じる位置にボタンをつければ完成です。使わないときはボタンをとめておき、使うときに底を開けてビニール袋を取り出します。
牛乳パックでブックスタンド
本やノートを立てて収納するスタンド型のボックスも牛乳パックで作れます。材料として牛乳パック3本を用意しましょう。
1本はいちばん端の面に底をつけたまま、もう1本は底を切り取って切り開きます。さらに注ぎ口の部分も切り取ってきれいにしておきます。
底がついている面を、もうひとつの切り開いた牛乳パックの端の面とぴったり重ねる形で接着し、残る3面と底面を折り上げて、マスキングテープなどで仮止めします。
底面を接着した点から上に向かって斜めに線をひきましょう。この角度がブックスタンド全体の形を決めるので、慎重にバランスをみて好みの角度に整えます。
線のとおりにカットした後、開いている面にのり代をつけてカットした牛乳パックを貼り込み、内側と外側に布を貼ってできあがりです。
牛乳パックのひし形ペンケース
三角に折った牛乳パックの入れ物に、ペン類を立てて収納するペンケースの作り方です。三角にすることで頑丈になり、安定して物を入れやすくなります。
作りたい高さに応じて、2本から3本の牛乳パックを用意します。牛乳パックを切り開きます。底部分は使いませんので、切り離しておきましょう。完成したときの高さを想定してペン立て部分2枚を切り出し、それぞれ4面のうち両端2面をぴったり重ねるようにしてのりづけします。
これで上下の開いた三角柱が2つできました。この2つを背中合わせにのりづけすると、ひし形のペンケースの基本形ができます。
残った牛乳パックにペンケースを接着し、乾いたら余分を切り取って底にします。あとは全体に好みの布を貼ればできあがり。左右の高さを変えたり、入れ口を斜めに切ったり、いろいろ工夫して使いやすい形を探してみましょう。
牛乳パックでかわいい椅子
牛乳をたくさん飲むおうちなら、牛乳パックをたくさん溜めて、子ども用の四角い椅子を作ることができます。使用する牛乳パックは全部で32本。ほかには丈夫な布系のガムテープと布、大きめのボール紙を準備します。
まず、ひし形ペンケースの作り方を参照して三角柱を作ります。この三角柱を2つ組み合わせた四角柱を作り、4個ずつ並べて正方形の椅子の形を作ります。
ガムテープで周囲を巻くようにしてしっかり固定したら、天面に同じ大きさにカットしたボール紙をのせて、それもガムテープでしっかり貼り込みましょう。周囲と天面に布を貼って完成です。
牛乳パックで作る椅子は、このほかにもいろいろな作り方があります。もっと凝った作り方にもぜひチャレンジしてみてください。
牛乳パックでかわいい小物入れを作ってみよう!
牛乳パック工作の長所は、とにかく簡単なところ。切って貼るだけなので特別な道具や材料を用意する必要もなく、大人から子どもまで家族みんなで楽しめます。
しかもリサイクル素材なので、費用がかからず環境にも優しいといいことずくめ。工作が苦手な方も、まずは簡単な小物入れ作りから、リサイクル工作を楽しんでみませんか?