かわいい方言「けん」の意味や地域別の使い方を調査!
普段この日常生活の中で、言葉を使って意思疎通は毎日のように使いこなしています。言葉というものは言語が成り立つ前に、意味が出来上がってきてから言葉になりますが、それが由来となり今現代まで多くの言葉が使われてきたのです。
ですが、一般的に使われる標準語だけで日本は成り立っているわけではなく、九州弁のような「けん」と語尾に付けて話すような方言までたくさん生み出されています。ここでは九州弁の方言に注目して、どのように作られたのかを追っていきましょう。
方言「けん」とは
方言の「けん」とはよく九州に旅行に行くと、お店のおばちゃんから若い人まで良く使われている方言なのはご存知の事でしょう。ですが「けん」とは、その言葉自体だけで使われ、意味するものではないのです。
実際に方言を使用している人達のお話を聞いてみると、「けん」は話している言葉の語尾に付け足すような感覚で使われているのです。これらにより、方言は完成され言葉として使われていきます。
方言「けん」の意味
「けん」という方言の意味は、標準語で「~だよ」「~だ」「~ぞ」という語尾に付けるための意味でもあります。基本的には話し言葉で使われています。
例えば、「明日は晴れだけん」「車を洗わないかんけん」というような方言を訳すと、「明日は晴れだよ」「車を洗わないといけないんだ」というように翻訳することもできるのです。
ですが語尾に付けて話すだけではなく、接続用語としても使われることも多々あります。例えば、「明日は晴れだけん、洗濯物を干さないかん」というように「明日は晴れだから、洗濯物を干さないといけないよ」とも使える万能な方言なのです。
方言「けん」の由来
実際に方言の「けん」の由来はどこから来ているのか調べてみると、特定することはとても難しいことが分かります。根拠としては九州地方で使われている事が多い為「けん」は、発祥や由来は九州だと思われがちになってしまっています。
ですが、実際には九州だけではなく、四国や中国地方でも多くの土地で使われている為、特定して方言の由来がどこからかというのは分からないのです。
九州での方言「けん」の使い方
ここまででは「けん」という方言は九州地方の方で使われている言い方であると理解できたと思いますが、実際使われているこの方言は各県それぞれ同じ意味を持つのでしょうか。同じように語尾や接続語のように、それぞれ同じ意味で使われているのか確認していきましょう。
博多弁の「けん」の使い方
まず初めに九州地方で一番人気の観光地でもある福岡県です。博多弁と呼ばれるほど、大阪弁に劣らず人気で、女の子が博多弁を話すとかわいいとも言われる九州弁の一つです。
その中で、「けん」の使い方や意味は基本的な用法と同じですが、福岡県の方言は地方によって少しずつ変わってくるようで、小倉という地域に関しては、「けん」を使うと同時に「やけん」を「やけ」と使い、「ん」の省略形が使用されています。
例え省略されたとしても、意味は同じなので、その他の九州弁とほぼ変わらないのです。博多に訪れた際はぜひ使ってい見ると、より現地の人と同じかわいい雰囲気を味わえることでしょう。
大分弁の「けん」の使い方
大分県は温泉が多く湧きでるスポットで有名ですが、こちらの県でももちろん九州弁を使います。九州のかわいい方言で一番知られている「けん」も使用されますが、大分県ならではの言い方も存在しています。
「けん」は福岡県と同様に語尾に置いたり、次の言葉を使うために使用されますが、大分県独特の「しらしんけん」は「一生懸命に」という意味があり、大分県の有名な方言として知られています。
宮崎弁の「けん」の使い方
九州というだけあり、ここまでご紹介してきた九州弁と同じ意味と言い方が使われていますが、宮崎弁も大分県や福岡県と同様に「けん」という言葉を多用に使用されています。
ですが、皆さんも聞いたことがあるでしょう「どげんかせんといかん」という言い方は、宮崎県でよく使われている言葉なのです。ここまでの生地を読んできた方ならお察しがつくかと思いますが、「どうにかしないといけない」という意味になります。
佐賀弁の「けん」の使い方
佐賀県は九州の中で狭い県として知られていますが、「けん」という方言はもちろんの事使われています。ですが、佐賀県と言えば「けん」もそうですが、「がばい」の方がご存知の方は多いのではないでしょうか。
そして、他県とは多く違うことは、佐賀県でしか使われない方言があるのです。「ふーけもん」「ぞうたんのこと」「あーた」は「馬鹿者」「冗談」「あなた」とそれぞれ決められており、外では通じない言い方も存在しているのです。
長崎弁の「けん」の使い方
長崎県も福岡県に負けず、多くの観光スポットで人気の九州となっていますが、ここでは「けん」だけではなく、「っさ」という言葉を文末に足すことで「けん」と同じような意味にもなります。
ですが「けん」と少し違う場所は、けんよりカジュアルな言い方になる為、友達同士や家族と話すときによく使われるようです。
熊本弁の「けん」の使い方
九州弁はどこも同じような意味や使い方となっている為、熊本県も「けん」を使うことで人と人のコミュニケーションが出来るわけですが、熊本県はけんを「やけん」と使用している為、可愛らしいキャッチボールが完成するのです。
九州以外での方言「けん」の使い方
これまでに九州弁に関してご紹介してきました九州弁は、九州の土地で使われてきているように感じられるでしょう。ですが、日本は広いようで狭いように九州だけではなく、少し海を越えると他の土地でも九州弁は使われてきているのはご存知だったでしょうか。
ここからは九州地方以外で使われ、時をかけて広まっている九州の方言について勉強していきましょう。本場と違って薄まっている使い方なのか、もしくは九州と違った独自の方言の仕方が増えているのか探っていきましょう。
島根弁の「けん」の使い方
島根県は九州と近いためか「けん」という使い方はほぼ同じようですが、一つ違うポイントは濁音を使用する接続語も存在していることです。皆さんもお馴染みの「じゃけん」という言葉は島根県独自の方言だったのです。
博多弁のように「やけん」と間違われる方もいるかもしれませんが、単独に現れたものであり、さらに派生した言葉として「げん」というものもあります。「じゃけん、さっき言ったやろ」というように「だから、言ったでしょ」と話し方を変えられます。
愛媛弁の「けん」の使い方
愛媛県は、伊予弁と呼ばれる方言が一番多く使われており、今治弁と二つの方言が語り継がれてきた場所です。その中でも伊予弁は全国でかわいいと言われるほど人気のある方言で、九州と同じような優しい言い回しとして知られています。
特徴としては、語尾に付けるものが目立っていますが、「~やけん」「~わい」とふんわりした言い方の方言であるめ人気の理由がわかります。今治弁では強調された言い方が多いようですが、伊予弁と同じく「~けん」と使っています。
こちらの方言も、「~だよ」「~です」という意味がありますが、語尾に付けることが多く九州のように接続用に使うことは特徴的ではないようです。
静岡弁の「けん」の使い方
静岡県では、「~けん」「だけん」という方言は地元では頻繁に使われているそうですが、親しい間柄のような場合であると「だけんねえ」というような「ね」が少し強調されることにより、和やかさも残る使いやすいものなのです。
「けん」以外のかわいい博多弁も紹介!
福岡県には「だけん」など、これまでご紹介してきた方言だけ使われているのではなく、他にも可愛らしい方言の表現があることはご存知かと思います。ですが、標準語やその他の方言使用者が博多弁を使うならば、エセと呼ばれたくはありません。
そこで、ここからは博多弁に関して「けん」以外の方言の使い方や意味を含め、例と共にご紹介していきます。これで博多弁のマスターと呼ばれるに違いないでしょう。
~と?
博多弁と言えば、と言うくらい「けん」は人気で有名であるのは間違いありませんが、「~と」という方言の使い方も皆さんはご存知の事でしょう。特徴的な使い方は、語尾に「~と」と付けることで、その文章が疑問形になることです。
「今日は勉強するの?」という文から「今日は勉強すると?」という方言の言い回しが出来るのです。博多弁だけで使われている方言ではない為、九州に行くと耳にする人がほとんどでしょう。
~やった
「やった」は標準語で表すと「だった」という意味になります。こちらも使いやすい方言となっている為、簡単な日常で使えるような「そうだった」を「そうやった」とおきかえることができるのです。この方言は関西でも使われていそうなニュアンスも出ていて、面白いです。
ばってん
「ばってん」もお馴染み博多弁や九州の方言としてくくられていますが、「雪ばってん学校はお休み」、「雪だから学校はお休み」というように「だから」と標準語に直せるのです。由来としては英語の「but and」「but then」から来たとされています。
どげんしょったや~
「どやんしよった~」はどうしたの?と質問されているような雰囲気が出ていますが、実は「最近どうしてた?」など調子を聞くときによく使われる方言になります。近所の人に久しぶりに九州に帰省した時に用いられるため、旅先で耳にすることが出来れば少しラッキーな気分になれるかもしれません。
かわいい方言「けん」を使ってみよう!
ここまでで九州を中心とする「けん」という方言をご紹介してきましたが、意味を理解すればある程度の簡単な日常的な会話は、これらの方言を使うことでコミュニケーションがとれるでしょう。可愛らしさも備わっている博多弁でこれからもたくさん使って九州の方言を広めていきましょう。