「徒労に終わる」の意味とは?
今までの苦労や努力が無駄になってしまったと、頭を抱えている人がいます。今までの努力が報われない、報われなかった。つまるところ、無駄に時を過ごしてしまった。
そんな思いに打ちひしがれる人がいます。結局は、骨折り損のくたびれ儲けという様に、今までしてきたこと全てが、結果につながらず何の評価も得られなかったというのです。
こんな時に使う言葉が「徒労に終わる」という様に表現します。その意味は、無駄に終わるということです。そんな徒労・徒労に終わるの意味や使い方を詳しく紹介します。
「徒労に終わる」の対義語・類語
徒労とは、無駄な骨折りや無益な苦労などと説明されています。そして徒労に終わるとは、前の項でも触れていますが無駄に終わるや苦労が報われなかったなどの意味の言葉です。
この様に、報われなかったことや評価されなかったという様に「徒労に終わる」に対して反対の意味を持つ対義語や似ている意味を持つ類義語があります。
徒労・徒労に終わるという言葉には、幅広い意味が含まれています。そして、使い方も様々な状態や状況で異なることもあります。そんな徒労・徒労に終わるの対義語や類義語をまとめました。
対義語
徒労に終わるという言葉は、ひとえに生産性のない無駄な行動だったという様に、焦燥感や悲壮感という否定的な感情に表現されます。このような言語の中で、意味が正反対の言葉があります。
まさしく対義語ですが、徒労に終わるが意味する反対の意味を持つ言葉は、前向きの感情に言い表されることが多くあります。
意味があるや価値があることを言い表す「有意義」や新しい物事を生み出し、先に進むことを言い表す「生産的」などが、徒労に終わるの対義語として解説します。
対義語:有意義
徒労に終わるの対義語に「有意義」があります。有意義とは、それに値する値打ちがあるということを意味しています。「有意義な時間を過ごす」「有意義な取り組み」などの使い方があります。
この様に徒労に終わるの意味は、偏に無駄な時間などという様に成果につながらない否定的な行動ですが、対義語の有意義は、それに値する価値という様に前向きな姿勢が伺える言葉に言い表されています。
対義語:生産的
徒労に終わるの対義語に「生産的」があります。生産的には、新しい物事を生み出したり発展をもたらしたりするさまの意味です。前向きで成果が見える「生産的な行動」をする人などの使い方があります。
徒労に終わるという様に、結果的に成果もなく無駄な時間を過ごしてしまったと言うこととは真逆に、常に前向きでその成果が顕著に現れるなどの状態・状況が生産的という言葉に言い表されています。
類語
徒労に終わるという言葉の意味は、無駄とか報われなかったとかいう様な、状態や状況を表す言葉として使われます。日本語には、この言葉と読み方は違うのですが、同じ意味を持つ類語があります。
類語には、こんな言葉があります。努力をしたが結果が出なかったという「骨折り損のくたびれ儲け」や、してきた結果が何の役にも立たなかった「焼け石に水」などです。
この様に、どちらかというとマイナス色の強い類語ですが、この他にも焼け石に水とか無駄骨を折るとか元の木阿弥などの類語があります。努力が報われないというむなしさを感じる様な類語です。
類語:不毛
徒労に終わるの類語に「不毛」があります。不毛とは、実りが望めないなどの意味があります。いわゆる努力しても効果的な結果が得られないというネガティブな状態を意味しています。
不毛な論議などと言われる様に、なんの進歩も成果も得られないという、結果的に現状維持からそれ以下という無駄な時を過ごしてきたという様に言い表される類語です。
類語:悪あがき
徒労に終わる類語に「悪あがき」があります。悪あがきとは、しても仕方ないことを焦ってあれこれと試みること、という意味があります。今更悪あがきをしても仕方ないなどの使い方があります。
「じたばたする」とか「地団太を踏む」などという様に表現されることがありますが、要はやっても意味のないことをし続けるという状態を表現している様に言い表される類語です。
「徒労に終わる」の使い方・例文
徒労に終わるという言葉の意味は、何気にむなしさが残る印象が強い言葉です。そして、無駄な努力という様に否定的な状態や状況を表現します。
こんな否定的な状況に遭遇すると、すぐには立ち直れないなど精神的ダメージを受けたりします。そんな様にならないためにも、徒労に終わるという意味や言葉の使い方を例文にして紹介します。
例文①
今まで積み重ねてきた目標達成への努力の全てが、結果を見ずして徒労に終わるという現実を知り、そんな現実の厳しさに思わず心が折れました。
この例文では、目標を掲げ、日々努力をしてきたにも関わらず結果を目の前にして、無駄なことだったと知らしめられることがあります。そして、挫折感を味わうなどの時の状態・状況を紹介しています。
今まで取り組んできたプロジェクトが、完了半ばで徒労に終わることを知りました。その時の疲労感は、精神的にも肉体的にも強くて耐え難いものでした。
この例文も、同じように努力してきた結果を見ることもなく、行動の途中で骨折り損だったということが判明して、中止を余儀なくされる疲労感を覚えたなどというときの状態・状況を表しています。
例文②
業務改善などに関するテーマで、意見を聴取し資料などを調べて、提案書にまとめ報告しました。しかし、そのすべてが評価されず徒労に終わる思いを知らしめられた。
この例文では、提案やプレゼンに様々な検討を重ね、ようやくできた提案案件などを報告して、評価されなかったという現実に直面し、打ちひしがれた時などの状態・状況を紹介しています。
販売促進などのプロジェクトを任されて、すべての事が完了し報告したものの、期待した成果がなかったなど酷評され、徒労に終わる思いに打ちひしがれました。
この例文も、1個のプロジェクトが完結し報告書の作成までしたものの、期待した成果や結果が伴わなくて、努力が報われず低評価に終わってしまった時の状態・状況を意味しています。
例文③
一つのテーマに沿い、相応の結果が出せる様に努力をしています。しかし、行動半ばで無駄な時を過ごしたことに気づき、徒労に終わることを悟りました。
この例文では、何かの物事に取り組み、或いは体験するなどの途中で、そのことの全てが無駄骨だったと、自らの行動の現実を知った時の状態・状況を説明しています。
経営不振が続き、建て直しに全力で取り組んできましたが、建て直しが困難であることが判明しました。改めて今までの努力が徒労に終わると言う思いさいなまれました。
この例文も、再建策など建設的な提案などの作業をしているところで、再建は難しいなどの結論に達し、無駄な努力だったことを改めて確認した時の状態・状況を示しています。
例文④
イベント開催日に合わせて、すべての準備が完了しました。しかし、その矢先中止が決定しました。今までの準備に費やした時が徒労に終わるという現実に直面しました。
この例文では、イベントなどの準備をしてきたにも関わらず、何かの原因で中止や取りやめになってしまった。使い道のなくなった準備の全てが無用の努力になってしまった時の状態・状況を紹介しています。
計画の中止をプラン作成の途中で知りました。しかし、それまでの努力を無益のままで終わらせたくないので、徒労に終わる可能性が分かっていても、プラン作りは続けます。
この例文も、様々な計画や企画などの提案を手掛けている最中に、遂行中のプランの中止を知り、無益な努力になることが分かってもあきらめたくないと言う状態・状況を表現しています。
「徒労に終わる」と「徒労」の違い
「徒労に終わる」と「徒労」の違いは、終わるという完結或いは完了するという意味の言葉がつくことです。そして、その意味は終結と経過という様に違いが出てきます。
「徒労に終わる」は、努力してきたことに対して、結果や効果が出ないまま報われず、そのすべてが終わるという様に「終結」を意味しています。
一方の「徒労」は、ある意味行動中に起きる様々な挫折を意味しています。努力しても効果がないことや無駄な苦労をすることや骨折り損という様に、経過の中に出てくる挫折感などを意味しています。
徒労は「無駄な骨折り」という意味
更に「徒労」の意味を掘り下げると「無駄な骨折り」という様に説明されています。物事の完成或いは完了という目標を目指して、様々行動をして行く過程があります。
結果ありきの行動には、そこにたどり着くまでの作業や調査などに費やす時間があります。その時の行動や作業が、結果的に無駄な骨折りだったということになります。
結果が評価されないことや報われなかったなどというところに行きついてしまうのですが、それに至るまでの行動の全てが、無駄な骨折りだったという徒労の意味にもつながります。
「徒労に終わる」を使う際の注意点
「徒労に終わる」という言葉の持つ意味は、結果ありきで且つ報われないという様に、精神的にも相当なダメージが伴う言葉です。
そんな意味合いの言葉ですが、使い方を間違うと全く意味をなさない言葉になってしまいます。徒労の「徒」は無駄を意味し、徒労の「労」は働く・疲れるを意味します。
いわゆる徒労には、無駄な働きなどの意味があることが確認できます。そして、徒労に終わるの意味は、何度もいう様ですが、結果ありきで報われないということになります。その使い方に注意したいです。
「徒労する」では使えない
徒労とは、無駄な働きや無駄な骨折りなどという意味があり、ある意味物事に対する行動の過程や結果に結びつく使い方になります。
この徒労の使い方は「徒労する」といった動詞形としては使えないです。経過の中で無駄に気づいて中止するときなどに、徒労に終わるという使い方はします。
しかし、徒労するという様に行動的状態や状況の変化には、使えない言葉です。徒労は、あくまでも結果ありきで報われないという場合に使う言葉と解釈できます。
「徒労に終わる」の由来・歴史
徒労に終わるという使い方には、由来や歴史があります。努力やその結果の全てが、無駄になってしまうというという様に、負の要素が強い言葉です。
日本語には、何気に使っている言葉でも、その一つ一つに由来や歴史があります。当然に、徒労という言葉にも大切な意味が隠されています。
そんな「徒労に終わる」の由来・歴史について記載します。「徒」「労」「終わる」という様に分解して、その文字・単語の意味を紹介します。
由来
前の項で少し触れていますが徒労の「徒」には、「あだ」や「いたずら」や「かち」といった読み方があります。その一つ一つに意味があります。あだは無駄、いたずらは無益なこと、かちは歩くことなどです。
そして「労」には、骨折って働くやほねおりなどの意味があります。このように徒労という言葉の、一つ一つに意味があります。
そして、徒労という言葉自体では、「無駄な骨折り」という意味になるわけです。このように徒労とは、徒と労が組み合わされてできた言葉というのが、由来になっています。
歴史
そもそも日本語は、主に日本国内や日本人同士の間で使われている言語と説明されています。古代の日本語(大和言葉)は、孤立した言語などどいわれ、ある意味日本固有の言葉としての考え方があります。
そんな様で、日本語の歴史は古く古代日本のころから使われていている歴史のある言葉です。そして、徒労に終わるという言葉にも、古くからの歴史があります。
その使い方や意味などは、時代の経過に伴い変化をしてきました。そして、現在に様に徒労に終わるという言葉には、結果が出ず、無駄な苦労だという様に歴史的な使われ方をしています。
「徒労に終わる」の英語表記
徒労に終わるの英語表記は、その意味の捉え方で様々です。例えば、徒労に終わるを英訳すると「Ends in labor(無駄な働き)」という様に英語表記されて説明されています。
また時間の無駄という意味の英語は「wasta of time」と英語表記されます。更に、価値に見合うなどの意味の英語では「not worth my while」と英語表記されます。
日本語で、徒労に終わる、無駄な時間を過ごしたなどと意味する言葉が、前述の様に英語表記になると「What a wasta of time(時間の無駄もいいところだ。)」という英語表記になります。
そして時間の価値感を言い表す英語表記には、「It's not worth my while(時間に見合う価値がない。)」という英語表記の仕方もあります。いずれも徒労に終わるという意味の英語表記です。
「徒労に終わる」は無駄に終わるという意味
よく「無駄に終わってしまった」、もしくは「骨折り損」などという言葉が日常的に使用されますが、この言葉と同じような意味を持つのが「徒労に終わる」という言葉でした。
また、徒労に終わるという言葉は、ある意味負の要素があり、精神的にも体力的にもダメージのある言葉とも言えるでしょう。この言葉ひとつで、そんな意味合い全てを言い表すことができるため、覚えておくと便利でおすすめな言葉のうちのひとつです。