「サンクコスト」の意味
サンクコスト効果は遠い存在のようですか。実は身近なところにもサンクコスト効果は潜んでいます。日常から一般的、ビジネス、恋愛など多方面にあります。
サンクコスト効果とサンクコストバイアスがあります。サンクコストバイアスは人の性格を意味です。サンクコスト効果と同じ意味はコンコルド効果ともいいます。サンクコストバイアスを変えることはできませんが対処法があります。
サンクコスト効果とは、投資や消費で失った金銭、時間、労力がどのような行動をとっても回収できないことを言います。サンクコストの概念は人間の心理に大きな影響を与えていると考えられます。身近な言葉で「もったいない」がそれにあたります。これから、サンクコスト効果にとらわれず意思決定ができるようになりましょう。
回収が不可能になった投資費用
本来サンクコスト効果のサンクコストの意味は、回収不能になった投資費用を言います。サンクとは沈むという意味で沈んでしまって手元に戻らない費用という意味もあります。
行動経済学や心理学ではコンコルド効果とも呼びます。今までサンクコストしたものがもったいなく損しても後には引けなくなる感情は誰にでもあるものです。損をするとわかっていてサンクコストを気にするあまり、未来の判断を誤らないように気を付けましょう。
「Sunk Cost」の「Sunk」は沈む意味
英語でSunkとはSinkの完了形です。Sinkの意味は「沈む」でSunkの意味は「沈んだ」などが訳です。SunkCostは「沈んでしまって戻らない費用」と意味を訳せます。
行動経済学ではコンコルド効果とも言います。投資を続けることが損失につながることをわかっていても投資がやめられない状態です。超音速旅客機コンコルドの商業的失敗を由来です。サンクコスト効果とコンコルド効果は同じ意味で別名です。
「Cost」は取り戻せない時間・お金・労力
サンクコスト効果のコストは取り戻せない時間、お金、労力を意味です。例をあげると、本屋で書籍を何気なく買います。読んでみて、自分には合わなかったとしても、そのために使ったお金と読む労力そして購入して読み決断するまでの時間は取り戻せません。損しても書籍を買うことを諦めないとしたらサンクコスト効果が見込めます。
サンクコスト効果とは?
コンコルド効果とサンクコスト効果は同じ意味です。過去を振り返るならば、コンコルドは世界初の超音速旅客機として4000億円ほどかけて開発されたのですが、途中でプロジェクトが大赤字になることが判明しました。今までのサンクコスト(投資)を無駄にしたくないため、開発は進められ最終的に数兆円の赤字になった過去があります。
このとき、コンコルド効果は心理学で使われます。コンコルドの事例も赤字が判明した時点でサンクコストから撤退できれば、結果は変わっていました。サンクコスト効果とは損失が拡大し戻ってこない費用を言います。サンクコストは経済学やファイナンスで使われます。
サンクコスト効果の意味
サンクコスト(埋没費用)の意味とは、事業や行為に投下した資金、労力、時間のうち事業や行為の撤退、縮小、中止しても戻ってこない資金や労力を示し、コンコルドと同じです。
サンクコスト効果とコンコルドの意味は同じです。投資が回収できず損失につながるとすでにわかっていながら、今までの金額や時間、投資を継続してしまう心理的傾向の名称です。埋没費用(サンクコスト)を生み出す心理や埋没費用そのものを意味する場合もあります。
心理学ではコンコルド効果
先入観や思い込みで合理的ではない判断をしてしまうことを認知バイアスとも言います。コンコルド効果もその1種です。コンコルド効果とは、ある対象にお金、時間を投資し続けることが損失になるとわかっていてもその投資を惜しみ止められない心理のことです。誰しもが話す「もったいない」もコンコルド効果につながる場合があります。
サンクコスト効果の例【ビジネス】
ビジネスでのサンクコスト効果は、「うまくいかない事業にこれだけお金と労力をかけたのだから引き返せない」という心理をマーケティングではサンクコスト効果(サンクコストの呪縛)と言います。もったいないが作用して、駄目なことに時間、お金、労力を増やし失敗を加速されると言います。ビジネスで、コンコルド効果も同じ意味です。
もったいないと資源を再利用など環境によい活動もあります。しかし、もったいないがどの分野でもよさがあるわけではありません。ビジネスでサンクコスト効果はそのもったいないが悪影響を与えます。ビジネスではもったいないではなくいつ損切りをするかです。
株式の事例
ビジネスとして投資をする際もサンクコスト効果があります。最初は値上がりした株価でどんどん増えていくと予想ができた株価かもしれませんが、ビジネスにおいて購入した会社を期待するあまり、株が値下がりしても手放さず、損切りをしないことで損益が増加し、ますます手放すタイミングがわからなくなっていきます。損益あたりがサンクコストです。
ビジネスで株価が下がったときある程度で損切りをするのは撤退であり、利益の確保ができます。ビジネスで株価にサンクコストがでれば他社に乗り換えてもよかったのです。そのタイミングが、利益の確保を見通すことでした。
経営の事例
ビジネスで会社経営をしていたとして、時代のニーズに応えることができれば利益がでます。今まで売れていたテレビもこれからの時代は携帯が売れるとしたら、テレビ製造から撤退を簡単に決断できるでしょうか。この決断がとれるかでサンクコスト効果がでます。
もし撤退できなかったら携帯が売れた資金もテレビ製造の維持で消えます。損切りをすることは、会社を経営するうえで重要なことです。損切りとは名誉ある撤退のことです。ビジネスでは、これからの時代何が売れるかわかりません。売れる物がわかったなら売れない物からは撤退しましょう。サンクコスト効果はビジネスでなるべく小さく納めましょう。
資格取得の事例
ビジネスをするうえで、資格は重要なことです。人それぞれ憧れる資格があります。自分に向き不向きがあるかは10年でその資格がとれたかどうかです。
もし、不合格が続いたなら、撤退しましょう。それまで学んだ知識を生かして働くことができます。不合格は、サンクコスト効果が増えていると言えます。資格がなくても学習する前より専門知識は増えています。ビジネスは資格がすべてではありません。
ビジネスで資格と免許は違います。免許がなければ働けない仕事もあります。サンクコスト効果がある仕事を選ばずに今まで学んだ専門知識で働ける仕事を選びましょう。ビジネスを始める前の就職活動では資格や免許も重要ですが、専門的知識ややる気、積極性も見られています。叶わない夢だと終わる前に仕事で、夢に関係する分野に携わることもできます。
サンクコスト効果の例【一般的】
身近なところにサンクコスト効果があります。恋愛、ギャンブル、映画など。恋愛では、相手に対して結婚を考えるようになったときに関係してきます。ギャンブルでは買ったり負けたりしてなかなか増えないときに、映画ならばあらすじを見ずにとりあえずチケットを買って席に着いたときです。代表的ですがまだまだサンクコスト効果がある場面があります。
恋愛の事例
サンクコスト効果が関係なさそうな恋愛を例に挙げます。もったいないという気持ちは恋愛で相手とどれだけ接してきたかです。恋愛の相手を新規で選び直そうなど考えません。
恋愛で相手に浪費癖があることがわかり、借金があるとしてサンクコスト効果をなくすためには別れることです。もったいないという時間、労力、お金が絡んでいる恋愛の相手を忘れられますか。サンクコスト効果意識して、恋愛関係を断ち切る勇気も必要です。
恋愛でのサンクコスト効果は、恋愛の相手がどのような人かを知ったときです。浪費家だと知って結婚する人はいないでしょう。恋愛で相手と長く付き合う前にお互いを知るきっかけをもつことです。恋愛ですぐ結婚しないのは性格だけでなく相手を知ることでもあります。好きというだけでは結婚はできません。恋愛は時に諦めることもあります。
ギャンブルの事例
身近なギャンブルとしてパチンコや競馬、競輪、ボートレースなどがあります。もっと近いのは宝くじなども含まれます。確率的に必ずあたるわけではないため引き際が肝心です。
ギャンブルは大負けしやすいです。引き際がわかりません。勝ったり負けたりすることでギャンブルがどんな状態かもわかりにくくなります。その感覚がわからなくなってきたときに大負けする条件ができています。サンクコスト効果が高い状態です。
サンクコスト効果はギャンブルでもあります。最初は、買ったり負けたりして資金が増えない状態が続くこともあります。このときに撤退していれば、どんどん悪い方向へいき、大負け状態にならずに帰ることができました。1日使って大負けしたことはサンクコスト効果があったと言えます。勝ったり負けたりしているときに我に返って諦めることです。
映画の事例
映画のサンクコスト効果は、まったく興味がないタイトルのチケットを買って映画館でみているときです。興味がないので、時間と映画をみるために準備した労力、そして映画のチケットを買った金額は無駄になりやすいです。映画でもみたい映画と興味がない映画があります。話題だからと自分に合う映画とは限りません。サンクコスト効果を意識しましょう。
サンクコスト効果・マーケティングへ応用
サンクコスト効果のマーケティングで○○日間、お試し価格や付録付き、利用金額でランクアップなど消費者を対象にするサービスが目立つようになりました。法律でクーリングオフ制度があります。試用してみてや注文したけどなどのとき返品することができたり、お試しだけで買わずに済みます。サービスをより使いやすくなっています。
事例①お試し版
サンクコスト効果を利用して、お試しサービスを利用すると人は自然に「もったいない」と継続して利用してしまいます。お試ししたときにかけた時間、労力をもったいないと購入することもあります。無料でサービスを体験できると言いながら、使ってみると継続して使いたくなる心理がコンコルド効果とも言えます。有料でも継続することは珍しくありません。
事例②付録付き
サンクコスト効果がある付録が、定期購読することで完成する付録付き書籍です。扱いが書籍ですが、毎号買わないと完成しないパーツなどが付録で付いてくる商品が流行りました。何も知らずに初回が安いと買ってしまうとパーツが中途半端で読むと何号まで続きますと書かれていることもありました。付録付き書籍はサンクコスト効果があります。
事例③会員のランク付け
サンクコスト効果がある店でショッピングをすると会員ランクが付くことがあります。ランクによって特典があり、会員でいることを継続したくなるようなサービスがあります。心理的に「ゴールドランクだから」などと他店で買わない心理が働きます。サンクコスト効果が心理的に働くコンコルド効果とも言えます。消費者はマーケティングで分析されています。
サンクコスト効果から逃れる方法
サンクコスト効果を知ったときに逃れる方法を知りましょう。あまりよくないサンクコスト効果が高い状態も逃れる方法はあります。逃れる方法は考えです。大きく分けて2通り有ります。身近に隠れているサンクコスト効果から逃れましょう。
サンクコスト効果から逃れるためにはどうしたらいいのでしょう。サンクコストの呪縛とも言われます。その逃れる考えとしてゼロベース思考やオポチュニティーコストの検討などがあります。条件を白にして考えることや意思決定をするときオポチュニティーコストで決定してみることも要点です。あらゆる視点にサンクコストが隠れています。
ゼロベース思考
既存の枠や過去の経験を意識せず、条件を白にして考えることです。まずサンクコストを忘れましょう。未来が成功するか失敗するかは自分の判断次第です。専門書が高価な値段です。その専門書は役に立ちません。買う前に戻れるならその高価な値段を自分を高める別の物か購入しないを選択できるように変換しましょう。
オポチュニティーコストの検討
ある選択をしたために逃した利益をオポチュニティーコストと言います。風邪や体調不良で仕事を休むことには該当しませんが、疲れなどを理由に会社を休んだときにオポチュニティーコストができます。心の安らぎを得たこと、休んだことにより代償があります。働いていたら機会費用がありました。
他には専門書などで高価を払い自分のためにならない時間や労力に費やすよりストレスがあります。そんなことに高額を払うより他の本を買う、運動をする、家族と出かける、などの行動をとるほうが心身のストレスを解放できます。サンクコストの呪縛から離れましょう。
サンクコストバイアスから逃れる
サンクコストバイアスには種類があります。例えば、オンラインゲームで課金したあとに解約できない。含み損がある株式を売れない。悪い人間関係を切れないなどがあります。もったいなくてやめられないことをサンクコストバイアスと言います。サンクコストバイアスに打ち勝つことで、必要なことと向き合えるようになります。
サンクコストバイアスとは
サンクコストバイアスとは、何かを始めたときにお金や時間や労力を使い回収不能になったため後には引けず合理的な判断が難しくなる人間の認知的な傾向を言います。
例えば、オンラインゲームで課金をしてしまうとこれだけお金をかけたからとサンクコストバイアスが働きます。投資家はもう含み損で買値の半分以下の価値しかないけど、買ってしまったから損切りするのに抵抗がある人もいます。サンクコストバイアスは潜んでいます。
もったいない心理がある人は、未練がましい性格をしていると言いサンクコストバイアスが働きやすいと言います。自分だけがサンクコストバイアスに経験しているわけではなく、客観的に周囲を見渡すとサンクコストバイアスに縛られている人も見かけます。サンクコストバイアスは恋愛でも、日常でもビジネスでも潜んでいます。
サンクコストバイアスの対処法
サンクコストバイアスは人間が持っている認知バイアスです。事前にルールを決めておけば、サンクコストバイアスに勝てます。機械的にルールを決めることです。物事を始める事前に、撤退したり止めたりする条件を決めておきます。認知バイアスは変わらないため、条件にあえば機械的に行動することで決断するエネルギーを無駄に消費せずに済みます。
事前にルールを決めておく
サンクコストバイアスに対抗するために、ゲームルールのように事前に止めるとき撤退するときの条件を決めておきます。サンクコストバイアスそのものをなくすことはできませんが、迷いや不合理な判断を避けることができるようになります。サンクコストバイアスから離れるために、こうした工夫をすることで回避することができます。
人間関係や仕事などの損切り
人間関係はライフステージによって変わります。中には腐れ縁もあるでしょう。縁を切ろうとすることに躊躇いがあるようです。そして、勉強や仕事も始めるとなかなか損切りができません。結果が出ないことは、人に向き不向きがあるためです。損切りして他のことに挑戦するほうが結果が出やすい場合もあります。人は人や物事に依存しやすい傾向あります。
人間関係の清算
仕事をすると同僚ができます。同僚から友人になることもあります。人の性格は推し量れないため、腐れ縁も必然とあります。良い関係でいるためには節度が必要です。
学生時代に友人ができます。学生時代の友人が年数が経てば自然と連絡をとらなくなります。ライフステージによりつながりが変わることが意味です。腐れ縁も関わる機会が少なくなれば自然に消滅するものです。人間関係の精算は、環境を変えることです。
サンクコストバイアスを断ち切るために、続いている人間関係を清算したいときもあります。いざ清算するときに大きなエネルギーが必要になります。近くなると躊躇ってしまうこともあります。人は何かを止めるときに悩みます。人生では、ライフステージにより多少SNSでつながっても物理的に関わる時間も機会も少なくなるものです。
勉強や仕事の損切り
大学へ進学するときに学部を決めます。1年経てば編入もできます。勉強の損切りが大学はできるようになっています。通える年数も決まっているので、早めに決断しましょう。
仕事は入社すると役職があり、部署が変わることは珍しいです。なかなか損切りの覚悟を持つことができません。やりたいことが向いているとは限りません。仕事の役職が長く続けられそうならば継続することも大切です。自信がない分野の方がうまくいくこともあります。
勉強で損切りは何年間で資格がとれたかです。回数ではありません。仕事で損切りは継続できるかどうかです。短い期間でやめて、他で長期間働けるならば早めの方がよいです。勉強と仕事で損切りのタイミングが違います。仕事はリストラなどもあります。会社都合で退職だとどうしようもないので、就活の理由になります。堂々と転活ができます。
サンクコスト効果には冷静な判断・勇気ある撤退!
冷静な判断と勇気ある撤退を行うためには、サンクコスト効果に対する知識や事前に決めたルールも影響があります。損切りするためのタイミングは知識を理解することです。
サンクコスト効果を意識して生活することで、失敗を引きずらず最悪な結果にならない心がけができます。もう少し続けたら取り戻せるようなギャンブルに確立はありません。どの場面で損切りして、諦めるかです。その損切りのタイミングを知ることは難しさがあります。
サンクコスト効果は身近なところ、ビジネス、などに潜んでいます。もったいなかろうと、サンクコスト効果があるようになってきたら、撤退することで呪縛から逃れられます。人生で損をしない生き方はサンクコスト効果を減らすことです。諦めることが早ければ早いほどサンクコスト効果は下がります。冷静な判断と勇気ある撤退を心がけましょう。