リスケの意味とは?
ビジネスの現場でカタカナ語を使う機会は増えています。しかし、元々英語だった言葉がカタカナ語となり、さらに略語化されていると、一回聞いただけでは何を意味しているのかさっぱり分からないというケースもあります。
例えば「この案件について、先方にリスケしてもらう必要がある」と言われた時、何をすることなのか意味がすぐに分かるでしょうか?
今回は、一回聞いただけでは意味の検討すらつかないリスケについて、意味からビジネスにおける注意点、例文による使い方までまとめてご紹介します。
ビジネスで使われる意味
リスケとは、英語の「reschedule」の略語で、一般的なビジネス用語としては、予定の組み直しや、計画を変更するといった意味があります。
元々の計画が様々な理由で合わなくなってしまったために、やむなく変更するという意味合いで使われることが多いです。また、基本的に予定が前倒しになるという意味ではなく、予定が延びてしまうときの組み直しとして使われるケースが多いです。
予定の組み直しという意味で使われる場面は、日程や時間の変更だけではありません。例えば商品の受注量や発送量の変更がある場合にも使われます。
デザインや規格の変更場面でも、当初の予定と変更になるという意味で、リスケが使われることがあります。
金融機関で使われる意味
金融機関に対して使われるリスケは少し意味が異なり、金融機関への返済プランが従来のままでは厳しくなってしまったので、返済可能なプランに練り直したいという意味合いで使われます。
予定を組み直すという意味合いから大きく変化するわけではありませんが、一般のビジネスの場で使われる意味合いとは少し違うということは理解しておきましょう。
リスケの由来
続いては、予定の組み直しという意味を持つリスケの由来となった英語について、みていきましょう。リスケは英語の「reschedule」を略語化したものです。
英語でもスケジュールの組み直しや、金融機関への返済プラン変更などの意味を持ち、日本での使い方と大差はありません。「Please allow me to reschedule the meeting」で、ミーティングの予定を組み直しますという例文になります。
また、日にちや時間の変更をお願いするのであれば、「change in the date」を使ってもいいでしょう。
リスケの特徴
リスケの意味や由来をみていきました。カタカナ語で略語であるリスケには、使う相手やシーンに特徴があり、使い方に注意しなければならない用語でもあります。どんな特徴があるのか、さっそくみていきましょう。
リスケを使える相手
リスケは略語である特性上、同僚やスタッフなど、社内の親しい人に対してのみ使うようにしましょう。仲が良いとしても、目上の人や上司、取引先にはリスケを使わず、「予定の変更」など日本語に言い換えて伝えた方が無難です。
また、上司や目上の人に、メールなどでリスケをお願いしたい場合には、「申し訳ございませんが、予定の変更についてご検討をお願い申し上げます」など、低姿勢なメールを送りましょう。
リスケが使えるシーン
予定の変更はビジネス上やむを得ないことも多く、リスケしなければならない用件は日々、大なり小なり発生します。単純な予定の変更をメンバーに伝えるときならば気軽に使える便利な言葉です。
しかし、大掛かりなプロジェクトを最終段階で変更しなければならなかったり、自分のミスで予定の変更が必要になったりといった、明らかに相手に迷惑がかかることが前提のスケジュール調整に対しては、リスケという略語は適していません。
リスケを使うと、本当に申し訳ないと思っている気持ちが伝わりにくいため、略語やカタカナ語を使わず、先ほどご紹介した上司や取引先に送るメールの例文のように、丁寧な言葉でスケジュール調整をお願いしましょう。
リスケのように略語して使うビジネス用語
リスケの意味や由来、略語としての特徴点などをみていきました。ビジネスの場では他にも英語が略語化された用語を、口頭や社内メールで見聞きする機会が多いです。
しかし、元々が英語のカナカナ語である上に略語化されていると、どんな意味なのか想像がつかない用語も多いでしょう。そこで、リスケのように英語が略語化されたビジネス用語の意味と使い方を、例文と一緒にいくつかご紹介します。
キャパの意味と使い方
1つめの用語は「キャパ」です。キャパとは英語の「Capacity」の略語で、受け入れる容量を意味しています。「この案件は新人にはキャパオーバーです」という例文は、この仕事を新人に任せるには、まだ能力が足りないという意味合いで使われます。
「このプロジェクトを無事に成功させたおかげで、キャパが広がった」という例文は、プロジェクトを成功させたおかげで自分の能力が上がったことを意味します。キャパは能力の度合いを意味しますが、数量の限度の意味合いでも使われます。
「この会場のキャパは100人だ」という例文は、会場の収容人数が100人であることを意味しています。
オンスケの意味と使い方
2つめの例文は「オンスケ」です。オンスケとは、英語で予定通りを意味する「on schedule」が略語化された用語です。仕事が予定通りに進んでいるのか尋ねたり、報告したりするときに使われます。
「リーダーにオンスケで進んでいると報告した」という使い方は、予定通りのスケジュールで仕事が進んでいることを報告したという意味になります。
予定通り進まない場合は早急な計画の立て直しが必要なため、オンスケとリスケは密接な関係があると言ってもいいでしょう。
リスケの使い方
リスケの意味や由来、略語ならではの特徴点やリスケのように略語化されたビジネス用語をみていきました。続いてはスマートに使えるように、ビジネスやメールで使える例文を確認していきましょう。
例文①
1つめの例文は、「部長が急に出張になったから、会議をリスケする必要がある」という使い方です。これは、部長の急な出張が入ってしまったため、予定していた会議の日程を変更しなければならないときに使われます。
例文②
2つめの例文は、「クライアントの希望が変わったから、デザインのリスケを頼むよ」という、社内で同僚やスタッフに対する使い方です。これは、クライアントの要望に合わせて、デザインのスケッチを作り直すという意味で使われます。
例文③
3つめの例文は、「商品の発送が来週へとリスケになった」という使い方です。これは、商品の発送日が来週へ変更されたという意味で使われます。発注する量が変更した場合でもリスケが使われることもあります。
例文④
4つめの例文は、「資金繰りが思わしくないため、銀行へリスケの相談をすることにした」という使い方です。
この場合のリスケは、銀行への返済プランの見直しという意味で使われているため、銀行へ返済プランを変更してもらえないか相談することにした、という意味で使われます。
リスケの注意点
予定の組み直しはビジネスの場でひんぱんに発生するため、リスケはあらゆる場面で使える用語ですが、略語という特性上、使う相手を選ぶ必要があります。また、予定の組み直しはネガティブな印象が強いです。
そのため、なるべくならば相手にリスケをお願いすることがないように注意する必要があります。しかし、どうしてもリスケをお願いしなければならないときの注意点を確認しておきましょう。
リスケをお願いするとき
メールでも口頭でも、相手に対して申し訳ないという文を最初に持ってくることも大切ですが、予定の組み直しが必要だと判明した時点で、早急にリスケをお願いしましょう。
特に海外企業との間でリスケが必要な場合は、時差の関係もあるため、1秒でも早く報告することが大切です。
銀行へのリスケは慎重に実行する
銀行へリスケを相談して承認されると、基本的に半年から一年の間返済を待ってもらえます。資金繰りが悪化してしまったときには、返済を待ってもらえるリスケをしたくなるでしょう。
しかし、リスケも無条件に待ってくれるわけではなく期限がありますし、利息は返済しなければなりません。また、場合によっては多少なりとも元本の返済が必要なこともあります。
返済を待ってもらったり軽減してもらったりしている間も、経営を立て直して元通りの返済に戻せるようにしなければなりません。デメリットも多く、精神的負担は大きいものです。なるべくリスケを行わずに立て直しができないか、しっかり検討することが大切です。
リスケは予定を組み直すという意味
ビジネスの場で多く発生する予定の組み直しを意味するリスケは、同僚やスタッフなど社内の親しい人に対して使える用語です。上司や社内で使われることが多く、覚えていて損な用語ではありませんが、意味はネガティブですし、使える相手やシーンも限られてきます。
そのためリスケを使うときには、使える相手なのか、使えるシーンなのかを確認した上で使い、場合によっては言い換え表現を使いましょう。もしリスケを使うときには、なるべく早く相手に知らせるよう心がけることも大切です。