マインドマップの書き方を知っていますか?
「マインドマップ」という言葉を聞いたことはないでしょうか。何となく聞いたことはある気がするものの、「マインドマップ」とはどのようなもので、どのようなときに使い、どのような効果があるものなのか。正確に答えることができるでしょうか。
正しく答えることができるという方は、別の記事を読んでいただいても良いですが、もし「正しく答えられない」「たぶんこういうことだろう」と「たぶん」がついてしまう方は、「マインドマップとは何か」を知るため/間違っていないかを確認するために最後まで読んでください。
「マインドマップ」という言葉から連想できるのは、「mind=精神/考え」「map=地図」ということから「考えを地図にする」ということではないでしょうか。果たしてこの想像は正しいのでしょうか。一緒に答えを探していきましょう。
マインドマップってそもそも何?
それではまず、マインドマップとは何かを学んでいきましょう。マインドマップが考え出されたのは今から40年以上前のことで、考え出したのはトニー・ブザンというイギリス人教育者です。
その後、世界中で使われるようになったマインドマップは、ここ10年で日本でも注目を集めるようになりました。マインドマップに関する書籍も多数出版されていて、教育関係者やビジネスパーソンを中心に注目を集めています。
ノートの書き方のひとつ
トニー・ブザンが提唱したこのマインドマップというものは、実はノート術の1つです。もう少し踏み込んで説明すると、マインドマップは「頭の働きを活性化してくれるノート法」と言われています。
そう言われる要因はマインドマップを用いた思考法に隠されており、マインドマップは「脳の思考プロセスである放射思考を反映した」ノート法であるために「脳の働きを活性化してくれる」と言われているのです。
このように世界中から注目を集めるマインドマップというノート術は、いったいどのような書き方をするものなのでしょうか。また、マインドマップを使うことでどの様なことができるのでしょうか。この後で詳細に確認していきますので、一緒に確認していきましょう。
マインドマップの詳細な説明はこの後で行いますので、まずは簡単にマインドマップとはどのようなノート術なのかを解説しておきましょう。
理解しやすいように、簡単なテーマを出しますので実際に考えながら読んでみてください。考えていただくテーマは、「今日取り組む仕事の順番をどうするか」です。少し考えていただいてから、次に進んでみてください。
いかがですか、きれいに整理できたでしょうか。このテーマを整理できた方もそうで無い方も、何かを考えるときに次に紹介するような事象を体験したことがあるでしょう。
今回のテーマを考えるプロセスを例にすると、「まずはあのメールに返信して、次に銀行に行こう」「あれ、そういえば子供の学費の振込みはいつだったかな?確認しておかなくちゃ」「そうだ、子供の三者面談があるって妻が言ってたけどいつだったかな」
「子どもは最近、あまり勉強していないみたいだけど大丈夫かな?」「あれ?そう言えば仕事の順序を考えてたんだった」
このようなことが生活の中でよくおきますし、皆さんも体験したことが何度もあるのではないでしょうか。私たちの思考は、少しの関連性から様々な方向に連想が広がっていきます。結果、最初に考えようとしていたテーマとは無関係な事柄に思考が変化することがあるのです。
この様な連想を視覚的に表現すると、テーマを中心として放射状に広がった絵を描くことができます。先ほどの例で考えると、中心にテーマである「仕事の順番」があり、テーマの周辺に「メール」や「銀行」が配置されることになります。
本来的には「メール」や「銀行」に続く、他の仕事が周辺に来ることになるのですが、今回の思考では「銀行」で「振込」することを考えた時に「子供の学費」が連想され、そこから思考が広がっていったということになります。
マインドマップではこの思考法を「放射思考」と呼んでいるのですが、この言葉もトニー・ブザンが作った造語です。そして、この連想を文字や絵を使って視覚化することに取り組むのがマインドマップというノート術ということになります。
ノートの中心にテーマを書き、テーマから放射状に線と字で思考を放射状に拡げていく。普通のノート術より絵や色を多用するため、アイデアが出やすくなったり、記憶力が上がったりするメリットがあると言われています。
人によって書き方は異なる
簡単にマインドマップの書き方や放射思考という考え方を紹介しました。先ほど紹介した書き方が最も基本となる書き方で、書籍等で確認すると「色は3色以上使いましょう」や「イメージ(絵)を描きましょう」などと書かれています。
最初はそのようなマニュアルに従ってマインドマップ作成に取り組んでみれば良いですが、マインドマップは色々な書き方をすることができますので、慣れてきたらその書き方にこだわることなく、自分の書きやすい書き方でマインドマップ作成に取り組んでも良いでしょう。
多くの方がマインドマップを書いていて、成功した多くの経営者の中でもマインドマップを書いている人がたくさんいます。それらの方々も、色を3色使ったり、イメージを描いている方の方が少数派なので、自分が整理しやすい書き方を探し出しましょう。
マインドマップの特徴
それでは次に、マインドマップの特徴を紹介しましょう。マインドマップの特徴は、①思考の全体像を把握しやすい、②ノート術なので広範囲に応用できる、③色々な書き方ができるの3つが挙げられます。
テーマを中心に思考が広がっていく様子を文字、イラストで書いているため一覧性が高く、全体像を把握しやすいのが1つめの特徴です。また、ノート術として汎用性が高く、アイデアを出したいとき、記憶の定着を図りたいときにも使えます。
物事のつながりがわかる
マインドマップを誰かに見せるのでなければ、字やイラストの上手さなどは気にせず、自分の書きやすい書き方をするのが良いでしょう。マインドマップ本来の目的はきれいな紙を作り上げることではなく、思考を整理することにあるはずです。
書きあがったマインドマップは、思考の「結果」ではなく「プロセス」を書いています。連想により拡がり、変化していく思考を整理することで、それぞれのつながりが視覚的に表現されています。
「良いアイデアが浮かんだのに、別のことが頭を過った瞬間、そのアイデアを忘れてしまった」このような経験は、どなたも1度は経験したことがあるのではないでしょうか。
頭の中だけで考えていると、連想がどんどん広がり変化してしまうため、何を考えていたか分からなくなってしまうことが起こるのです。この様な事を避けるために「マインドマップ」が役立つのです。
思いつくままに書き進められる
マインドマップは、頭に浮かんだ連想をそのまま書き起こしていくノート術です。「見える化」することで、連想が変化していったとしても、前に考えていたことに戻ることができるのが特徴です。
1つのことにこだわって考え続けることもできますし、逆に様々な方向に思考が広がっていったとしても、考えたことを書き留めてさえいれば問題ありません。自由に思いついたままに書いていきましょう。
物事を考えるとき、最初から整理された考えがあればそれ以上に考える必要はないわけで、大抵の場合は混沌としたアイデアをバラバラに考えています。
この「連想」から生まれたアイデアを「これは関係ない」と判断せず、どんどんマインドマップで「見える化」してみましょう。関係ないと思ったことが素晴らしいアイデアに繋がることは多いものです。
マインドマップの向き不向き
マインドマップとはどのような物なのか、大雑把に理解できたのではないでしょうか。また、ここまでの解説を読み進めていただいた方の中には、何かの機会にマインドマップを使って何かを考えてみたいと思った方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
マインドマップの詳しい書き方は、この後で詳しく解説していきますのでもう少しお待ちください。詳しい書き方の前に、そもそもマインドマップを作ることに向いている人と不向きな人がいますので、それらのタイプについて紹介しておきます。
マインドマップに向いている人
まずはマインドマップに向いている人です。先ほど紹介したように、マインドマップはノート術の1つですので、学生や頭脳労働をするビジネスマンに適しています。特に、何らかのテーマを中心に考えをまとめるようなケースに用いるのに適しています。
学生
年齢がいった人よりも、若い学生等の方が一般的には想像力がたくましいと考えられています。想像力が働くということは、1つの言葉から連想する言葉やイメージが広がりやすいということですので、逆に何を考えていたのかを忘れやすいということでもあります。
その為、この様な状況を回避する為にマインドマップが有効であると考えられます。マインドマップを用い、思いついた言葉をどんどん紙に落としておくのです。
アイデアを出す必要がある人
アイデアを出す必要がある人にもマインドマップはおすすめです。アイデアを出す際、強制的に発想を広げながらアイデアを生み出すことが多々あります。
なかなかアイデアが考え付かないときなどは、そこに至るプロセスを紙に落としておくことで、途中で考えた言葉の中のいくつかの言葉を眺めることで新しい発想が生まれることもあります。この様な方にもマインドマップは有効に機能すると考えられます。
マインドマップに向かない場合
一方で、学生やビジネスマンであってもマインドマップに不向きな人もいます。例えば「抽象化していくのが得意な頭の良い人」です。マインドマップは、テーマを中心に発想を広げていきますが、実はそのテーマが正しいとは限らないという場合があります。
テーマを決めて書いていくノート術なので、テーマの正しさを検証しにくいノート術でもあります。頭の良い人は前提を疑うクセがありますので、この様な方にはマインドマップは不向きです。
また、いくつものことを同時に考えるのが得意な人にも向きません。いくつものことを考えるのが好きな方は、1つのことだけに集中して考えるという手法に馴染みにくいかもしれません。
マインドマップの基本の書き方①用紙やペンの使い方
さて、それではいよいよマインドマップの書き方の解説に進んでいきましょう。工程別に区切りながらマインドマップの書き方を解説していきますが、まずは『マインドマップの書き方①用紙やペンの使い方』として主に準備する物や用紙、ペンの使い方などを解説していきます。
先ほども紹介しましたが、ここで解説する用紙やペンの使い方も「基本の使い方」ということで解説を進めていきます。慣れてきたら自分の整理しやすい、後から見直してわかりやすい整理の方法でマインドマップを活用していただければ良いでしょう。
横長の用紙がおすすめ
では『マインドマップの書き方①』として、用紙の選び方を紹介しましょう。用紙の選び方1つで思考に影響がでると言われていますので、慎重に選びましょう。
まず鉄則として『マインドマップを書くときは、罫線の入っていない無地の用紙を横長に置いて使う』ことを覚えておいてください。
罫線が入った用紙だと、脳が無意識に罫線の影響を受けることで、思考の自由度がなくなってしまうと考えられているからからです。例えば、罫線入りの用紙でアイデア出しをしたところ、罫線数分のアイデアが出たところで思考がストップしてしまうというようなことです。
これは、用紙に書かれた罫線の終わりを見て、脳が無意識に「仕事は完了」と感じたために起きたことと考えられています。このように脳は、無意識にも用紙の罫線に影響を受けてしまうのです。自由な発想を阻害しないためにも、用紙は無地の用紙を使うようにしましょう。
無地の用紙を使う意味を解説しましたが、次に用紙の向きについて解説しましょう。マインドマップを書く時、用紙は横長に書ける向きに置いて使用します。
これはマインドマップが基本的に横書きであるという理由から来ています。マインドマップはイギリス生まれで、英語が横書きだということと、言葉に対して引くアンダーラインが重要なノート術であるため、アンダーラインを引きやすい横向きで用紙を使うのが鉄則です。
最後に用紙の大きさについて。用紙の大きさは用途に応じて様々です。小さなメモ帳でも大きなキャンバスに書いても問題ありません。
ただ、じっくり考えたいのであれば、なるべく大きな用紙を使うことをおすすめします。用紙が小さいと書くスペースも少なくなります。思いついたことをどんどん書けるスペースがある大きな用紙を使う方が思考も整理も進み、面白いアイデアが湧きやすくなるでしょう。
ペンの色はカラフルにする
色は脳に刺激を与えてくれる一因です。脳はもともとカラフルなものを好む性質を持っていて、色からさまざまな刺激を受けているのです。
余談ですが、英語の「monotonous」は「単調な」「つまらない」「変哲もない」という意味で、「monotone (モノトーン)」は「単色」という意味です。スペルを見ると語源が一緒であることが伺えます。「モノトーン」は、脳にとって「つまらない」「単調なもの」なのです。
脳が「つまらない」「単調」「退屈」と考えていることを避けるのは、アイデアを広げたいと考えて行っているマインドマップでは当然のことなのです。
カラフルな色を取り入れることで脳を刺激し、クリエイティブな感性を呼び覚ましやすい環境を整えるべく、マインドマップを作る時も、いろいろな色を使うようにしましょう。
用紙に書き留める言葉を、いろいろな色で書くことがアイデア発想の一助になることを紹介しましたが、更には「色分け」を上手く使うことに注意しておきましょう。
多くのマインドマップは、アイデアのかたまりごとに色分けされているようです。色分けにより、どこまでが同じかたまりなのかが一目で分かります。
また、同じ色の中に1つだけ違う色が入ると、その1つが特に目立ちます。目立たせたいところや強調したいところ、大事なところには違う色を使いましょう。
色分けを自分の中で決めると見やすい
色はカラフルにと紹介しましたが、使う色は特に制限はありません。強いて言うなら「自分らしい」色を使うようにしましょう。
洋服と同じで、自分が好きな色、選ぶ色は自分らしさを表しています。明るい色を選ぶ人、おちついた色を好む人、様々です。マインドマップを書く時は、それぞれ好きな色を選んで気分を盛り上げましょう。用紙に書かれた色から更に発想が広がるかもしれません。
中心から書き始める
『マインドマップの書き方①』としては最後になりますが、マインドマップを書くときに用紙を横に使って書くということですが、手順として、まず最初に『テーマ』を書くことからマインドマップ作成は始まります。
ここまでの解説でもお分かりいただけたように、テーマを中心に発想を広げていくという手法がマインドマップですので、最初に書く『テーマ』を用紙の中心に書くというのが定石です。そこから放射状に用紙の隅々まで発想を書き留めていくという手法です。
マインドマップの基本の書き方②ブランチ
『マインドマップの書き方①』では主に準備しておく物として、用紙とペンについて紹介しました。また、書き始めは「テーマ」を用紙の中心に書くことからマインドマップ作成が始まることを紹介しました。
では次に紹介する『マインドマップの書き方②』では、より具体的なマインドマップ作成のルールを解説していきましょう。
マインドマップは、中央に書かれた「テーマ」からイメージされる言葉を放射状に書き連ねていくことになりますが、テーマと連想した言葉を線でつないでいくことが基本となります。このテーマと連想した言葉を繋ぐ線のことを『ブランチ』と呼んでいるのです。
ブランチとは枝のこと
マインドマップの中央に書かれた「テーマ」は「セントラルイメージ」とも呼ばれます。このセントラルイメージからイメージされた言葉が放射状に配置され、それぞれを繋ぐたくさんの線を同時に書き入れていくという工程を踏みます。
先ほども紹介したように、マインドマップではこの線のことを「ブランチ(枝)」と呼んでいます。木の枝のようにブランチ同士が繋がりを持ち、セントラルイメージを中心に外に向かって分岐しながら伸びているのです。
『マインドマップの書き方②』では、このブランチに注目し、ブランチにはどのような意味があるのか、ブランチはどのように書けば良いのかを解説していきます。
連想したイメージをつなげていく
マインドマップのブランチは、一言でいうと「関連づけ」で繋がっています。関連づけと言っても、ロジックツリーのように階層や分類を正確に表したものではありません。もっと自由な発想で所謂「連想ゲーム」に近い繋がりと言うことができます。
脳本来の発想力を活かし、関連性はあっても論理的な階層や分類になっていない連想というものを大事にし、その連想をストレートにブランチの繋がりに表すのがマインドマップなのです。
ブランチは曲線がおすすめ
連想を繋げるブランチですが、言葉と言葉を繋ぐブランチを書くときには、曲線で繋げていくのが良いとされています。これは、自然界のものは「すべて曲線でできている」ことからなのです。
脳が普段触れる自然のものは、ほとんどが曲線でできているということになります。そのため、できる限り自然に近い状態で脳に情報を与えるため、ブランチに関しても有機的な曲線で書くことが推奨されています。
これまでノートに曲線を使うことは少なかったかもしれません。むしろ定規を活用して直線を書いていたことの方が多かったかもしれませんが、マインドマップではブランチを曲線で書いてみましょう。
実際に曲線を使うと、ブランチをどこにでも伸ばせるのでスペースを有効活用できます。柔軟で自由な印象、絵的で記憶に残りやすいというメリットがあります。
メインとサブを使い分ける
さてこの「ブランチ」ですが、ブランチには「メイン・ブランチ」と「サブ・ブランチ」の2種類のブランチがあります。
「メイン・ブランチ」は、セントラルイメージから直接伸びている第1階層目の太いブランチのこと。「サブ・ブランチ」は、それ以降(第2階層以降)のブランチのことを指しています。
「メイン・ブランチ」は、記憶しやすい6~7本までが良いとされていますが、記憶にこだわらなければ数に決まりはありません。「メイン・ブランチ」別に色分けしておくと、まとまり別に色分けされることになりますので、後に見やすくなるのでおすすめです。
「サブ・ブランチ」は、「メイン・ブランチ」に繋げるように伸ばしていきます。1本のブランチからどれだけ分岐が増えても構いません。注意点は、必ずブランチの先端から分岐させることです。
ブランチは中央から放射状に外に向かって広がります。そして、時には複数のブランチが、1本のブランチに収束していくことがあることにも着目してください。
マインドマップの基本の書き方③イメージの深め方
ブランチの使い方はご理解いただけたでしょうか。続いて『マインドマップの書き方③』として、イメージの深め方について解説を進めていきましょう。
マインドマップは、ブランチの上に言葉やイメージを書いていきます。長い文章ではなくあくまで短い言葉やイメージを書くのが特徴です。
言葉で書くので、文章を書くよりもスピードが出ます。また、端的な言葉でブランチを繋げることになるので、後から見た時に何故その繋がりがあるのかを言葉を見ただけで理解できるという利点があります。その際、言葉だけなら後から付け足しすることができるのもメリットです。
マインドマップでイメージを膨らませる際、まず曲線を描きます。そして、その曲線の上にイメージした言葉を書くという順序で進めていきます。言葉を先には書かない点に注意しましょう。
また、イメージをブランチの上に書くときには、ブランチに対してバランス良く文字を配置しましょう。ブランチの曲がり具合に合わせて、文字も曲がって書かれることになりますが、それが良いのです。ブランチが言葉に対するアンダーラインに見えるように書くイメージです。
さて、マインドマップを書くときはスピードも意識しましょう。マインドマップは書くことが目的ではなく、整理することが目的だからです。省略できるところはできるだけ省略しましょう。
真ん中のテーマからサブテーマを派生させる
マインドマップ作成時は、とにかくイメージを膨らませ、思いついたことをどんどん言葉にしていきましょう。マインドマップの配置をイメージすることも、実は新しいイメージを発想する手助けになることがあります。イメージすることは、頭を上手く使うことにも繋がります。
マインドマップは、セントラルイメージを中心に外へ広がっていきます。使用する用紙がA4用紙であれば、セントラルイメージはこぶし大に書きましょう。セントラルイメージが小さいとブランチを伸ばしにくくなります。
また、セントラルイメージにこそカラフルに色を使い、楽しいセントラルイメージを作りましょう。色が脳に与える刺激を最大限活用することを狙っていきましょう。
BOIは大きめに書く
突然BOIという言葉出てきましたが、BOIとは「BOI (Basic Ordering Idea)」の略で、第1階層の言葉を指しています。セントラルイメージを最も大きく書きますが、その次に来るBOIも大きく描き、外に行くほど小さく書いていくようにしましょう。
一つの枝につき言葉は一つにする
先ほど、ブランチの上に書くのはイメージしたことを端的に表した「言葉」であることを紹介しました。これがどの程度の「言葉」なのか、具体的に紹介しておきましょう。
例えば「20日の全体会議の準備」ということをマインドマップに落とすとした場合(このようなことを落とすかは別として)、「20日」「全体会議」「準備」と分けて、一連のブランチ上に分けて書いておくようにしましょう。
分けて書いておくことで、後から付け足すことも可能になりますし、マインドマップを書くスピードも上がるので、非常に便利なのです。
マインドマップの基本の書き方④簡単にできる工夫
ここまで読み進めていただいた方は既にご理解いただけた状態と推察されますが、マインドマップとはつまるところ「脳が自然に行っている連想をそのまま表現する」ノート術です。
ロジックツリーと比較して構造化されていないと紹介しましたが、第1階層目の言葉であるBOIは「まとまり」を表します。セントラルイメージからBOIを考え、そこから書き始めることがマインドマップを構造化させていることになります。
ロジックツリーの考え方を取り入れ、レイヤーと分類を整頓したマインドマップを作ることも可能です。この様にして作ったマインドマップは、構造的かつ論理的なものに仕上がります。
ただし、構造を考えるのにこだわると自然にイメージを広げることに支障が出ることがあるので注意しましょう。
矢印や線を使い分ける
さていよいよ『マインドマップの書き方』も最後の解説になります。最後は「矢印」と「クラウドマーク」を加えることで、より理解しやすいマインドマップに仕上げることを紹介します。
書き出したマインドマップを改めて俯瞰で見てみると、新しい繋がりを発見したり、全体の関係性を見出すことができたりと、新たなポイントを発見することがあります。マインドマップに書き出したこと再構造化を行うということです。
そして、改めて「矢印」や「クラウドマーク (雲の様な形をした吹き出し)」を加えていくという工程に移ります。「矢印」は関連性のあるところ、「クラウドマーク」は大切なところに追記していきます。
他にも自分で何らかの意味を示すと決めた「マーク」、または「ナンバー」などを入れることで、より整理されたマインドマップに仕上げていきましょう。
イラストなどを描いてもOK
脳は、言葉よりもイメージに反応し、記憶にも留めやすい傾向があります。そのため、マインドマップでもなるべく視覚的な表現(イメージ)を入れるようにしましょう。
カラフルでイメージを掻き立てるようなマインドマップは、スピード感をもって脳に働きかけるので、思考スピードも仕事のスピードも上がることに繋がります。
マインドマップの書き方実例
マインドマップとはどのようなものか、マインドマップを作るためにどの様に考え、どの様に紙に落としていくのかご理解いただけたのではないでしょうか。マインドマップの解説は以上ですが、最後にどの様な場合にマインドマップが有効なのかを簡単に紹介します。
知識の整理に使う
マインドマップは知識の整理に使うことができます。学校の勉強を思い出していただくと理解しやすいかもしれませんが、複雑な知識を枝分かれで分解し、それぞれの関係性を理解することで全体を把握します。理科や経済学などの勉強において有効に機能します。
文章を書く準備として使う
最もわかりやすい実例が「文章を書く準備」かもしれません。例えば自己紹介をするときに「自分」をセントラルイメージに据え、自分のことを分解して自己紹介文を考える。この様な場合にも応用できますし、何らかの情報を整理して文章や論文を書く場合の設計図を作る場合など活用できます。
自己分析に使う
先ほどの自己紹介に近いかもしれませんが、就職活動などで必要な自己分析においてもマインドマップは最適なツールです。マインドマップを用い、履歴、成長経験、趣味などの情報を書き出します。それらの要素から長所・短所を抽出して自己改善や自己PRに応用していくのです。
マインドマップを取り入れよう!
いかがでしたか。マインドマップについてご理解いただけたのではないでしょうか。マインドマップはノート術と言われていますが、自らの思考を記録して新たな発想を促すという観点では「思考法」ということもできるのではないでしょうか。
物事を整理して考えるのが苦手と感じている方、すぐに色々なことに考えが飛んでしまい、いつまでも考えをまとめることができないと考えている方。むしろそのような方たちにこそ、マインドマップは有効に機能する「思考法」なのではないでしょうか。
思ったことを、とにかく紙に書き出して線でつなぐ。それくらい軽い気持ちでマインドマップを取り入れてみるのも悪くないのではないでしょうか。