鶏胸肉の冷凍保存方法&便利なレシピを紹介!
鶏胸肉は値段がお手頃なことから、食卓の強い味方でもあるため、ご家庭でも度々登場する食材ではないでしょうか。しかし、予め献立を用意していないと、気がつけば賞味期限を迎えているなんてことも少なくありません。
では、家庭ではどのように保存していけば良いのでしょうか。これから冷凍方法はもちろん、冷蔵庫や冷凍庫で保存ができる可能な簡単作り置きレシピをご紹介していきます。ぜひ、ご家庭での鶏胸肉の保存法として、参考にしてみてください。
鶏胸肉の冷凍保存する方法
スーパーのお肉コーナーで見かける鶏胸肉は、加熱処理が行われていない生の状態なため、賞味期限が長くないのが基本です。鶏胸肉は冷凍保存をすることで、より長く家庭で保存することができます。
生のままや下味をつけて冷凍したい時、更に加熱処理を加えた場合では保存方法が異なるため、注意が必要です。それでは、これから各状態における冷凍方法や、解凍方法など詳しく見ていきましょう。気になる冷凍後の保存期限についてもご説明します。
生のままの冷凍保存
鶏胸肉を生のまま冷凍保存する場合は、ドリップと呼ばれる容器の中に滲み出た赤く見える水分に気をつけましょう。一見血液のようにも見えるこの液体ですが、食品のタンパク質や旨味成分が流れ出た組織液といわれるものなのです。
買ってきた物をドリップにつけたまま冷蔵保存をすると、それがニオイや品質低下、変色の原因となります。冷凍保存する際、鶏胸肉の表面についたドリップはキッチンペーパーなどでしっかりと拭き取りましょう。
解凍した時に食感がパサパサしてしまうのを抑えるには、冷凍保存前に料理酒を揉み込んでおくと効果的です。空気中の酸素に触れるのは酸化の原因にもなるので、ラップに包んだ上で保存袋に入れることで空気との接触を遮断できます。すぐに使う予定はない場合は早めに冷凍しましょう。
下味をつけて冷凍保存
何かと忙しい時間帯でも、鶏胸肉に下味をつけて冷凍保存をすることで、面倒な手間が減って時短調理が可能です。鶏胸肉は下味をつける前に料理酒を揉み込むことで食感も柔らかくなるので、時間がある時に予め下味をつけて冷凍保存すると便利です。
皮付きの場合は皮を剥いで身を縦に半分、筋に沿って切ります。鶏胸肉を使う予定があれば用途に合わせて、食べやすい大きさに切りましょう。また、そぎ切りすることで繊維が切断されて、柔らかさがアップして味もよく染みます。
醤油や味噌など、お好みの下味をつけたら、たれごと保存袋に入れて全体を平らにした状態で、鶏胸肉を冷凍庫に入れましょう。
加熱して冷凍保存
茹でたものを冷凍して作り置きする場合は、鶏胸肉と料理酒、薄切りにした生姜や長ねぎの青い部分を加えて約10分茹でることで、解凍後に食べる時にも柔らかく仕上がります。鶏胸肉を茹でたら粗熱が取れるまで待ち、手でほぐします。お好みの量をラップで包んで保存袋に入れましょう。
また、そぎ切りにした鶏胸肉に料理酒を揉み込んで、フライパンで炒めたものを冷凍することも可能です。鶏胸肉に味付けしない場合は、解凍後に味をつけることもできるので、アレンジの幅が広がります。
この後にご紹介するタンドリーチキンや、チキンナゲットにしたものを冷凍して作り置きすることで、鶏胸肉を自家製の冷凍食品としても保存することが可能です。小分けにしてラップすることで、その時に必要な量を解凍できるので、使い勝手が良く便利です。
冷凍保存した鶏胸肉の賞味期限はどのくらい?
鶏胸肉を冷凍した場合、鮮度が落ちることなく食べることが可能な賞味期限は約2週間です。ラップや保存袋で酸素に触れない状態にしてある場合は、乾燥や酸化が抑えられるため約3週間が、鮮度が保たれる期限と考えましょう。
長期間の冷凍は、冷凍焼けという状態に繋がるためなるべく早く使うことを心がけてください。冷凍焼けとは、水分が蒸発し、脂肪分の酸化が進むことで、風味の変化や変色してしまうことをいいます。
冷凍保存した鶏胸肉を解凍する方法
鶏胸肉の冷凍方法についてご紹介しましたが、次はその冷凍保存した鶏胸肉を解凍する方法を見てみましょう。鶏胸肉の解凍はできるだけ低温で行うことが重要なポイントです。
冷凍する時にドリップを拭き取っていても、解凍方法を間違うと更にドリップが出てきてしまうことも。ドリップの中には旨味成分が含まれているので、ドリップが出ないようにできるだけ抑えたいものです。
では、これから鶏胸肉を解凍する方法をいくつかご紹介するので、自宅で解凍する時の参考にしてみてください。
流水・氷水で解凍
比較的短時間で鶏胸肉を解凍できるのが流水、または氷水を使った解凍です。低温状態で解凍していくことで、急激に熱を加えることで出てしまうドリップを一番抑えられる方法です。
保存袋に入れたままの状態の鶏胸肉を、大きめのボウルなどに入れて流水や氷水に浸します。500g程度であれば、少し凍った部分が残る状態ではありますが30分もあれば調理ができる状態になります。
流水は常に新しい状態にありますが、氷水は交換する必要があります。30分程経って確認した時にまだ凍っている部分が目立つ場合は、氷水の交換を行いましょう。
レンジで解凍
忙しい時やお急ぎの場合は電子レンジで鶏胸肉を解凍しましょう。最近ではオート解凍機能のついた電子レンジもありますが、それ以外の電子レンジの場合、オート機能で解凍するのは避けてください。解凍を通り越して火が通ることがあります。
電子レンジでの解凍の際はできるだけ解凍機能を使ってください。その際、ときどき鶏胸肉の解凍状態を気にかけて、向きを変えるなどしてムラなく解凍するようにしてください。
解凍時間が不明な場合、通常のあたため機能で解凍する場合は、最初は2分、その後は1分ごととこまめにレンジをかけていきます。多少手間ではありますが、加熱のしすぎは細菌が繁殖するので注意してください。
冷蔵庫で解凍
他の解凍方法に比べて時間はかかるため、事前に調理の予定がある場合におすすめするのが、冷蔵庫での解凍方法です。低温で解凍することで最も安全に解凍できます。
500g程度であれば5時間前後で解凍することが可能です。解凍が進むにつれて表面の氷が溶け、液体が下に落ちてしまうので、冷蔵庫の上段に入れる場合はボウルやバットなどに入れましょう。
他の食材に液体が落ちることが心配な場合は、冷蔵庫下段の一番手前に置きましょう。柔らかい感触になれば、多少凍っている部分が残っていても調理が可能です。
常温での解凍はダメなの?
結論からいうと、冷凍保存している鶏胸肉の常温での解凍はおすすめしません。寒い時期でも、サルモネラ菌や大腸菌といった雑菌は活動しています。夏の暑い時期はもってのほかです。
雑菌が繁殖することで、食品の腐敗にも繋がります。鶏胸肉の内部が凍っているからと安心していても、温度の影響を受けやすい表面だけ温度が上がっていて、腐敗が始まっている可能性も少なくありません。
そのため、食中毒の危険もあります。食中毒細菌が繁殖する温度は37度前後と人の体温に似ています。60度以上になると多くの細菌は死滅しますが、このことを前提としても、できるだけ常温解凍は避けましょう。
鶏胸肉の便利な冷凍作り置きレシピ3選
調理した鶏胸肉を冷凍保存で作り置きしておけば、お弁当や仕事帰りで忙しい時間帯などの食事に、手早く一品加えることができます。
空いた時間で簡単に作れて、冷凍保存が可能な作り置きレシピを3つご紹介していきましょう。普段忙しい方も、後々の手間が省けるのでぜひ挑戦してみてください。
しっとり醤油煮
鶏胸肉1枚のドリップをキッチンペーパーで拭き取ります。熱したフライパン全体にサラダ油大さじ1を馴染ませたら、鶏胸肉の皮の方からしっかりと焼きます。皮に焼き色がついたら、鶏胸肉を裏返し、料理酒大さじ2を入れ蓋をして、弱火で3分ほど蒸し焼きにしたら取り出しましょう。
醤油大さじ2、みりん大さじ2、水200cc、お茶パックに入れた鰹節2gを、鶏胸肉を焼いたフライパンに入れて火をつけましょう。沸騰したら火を止めて、鶏胸肉を入れます。蓋をして10分ほど蒸したら、しっとり醤油煮の完成です。
密閉容器に移し替え、全体が冷めたら冷蔵、または冷凍で保存します。冷蔵の場合は4日、冷凍の場合は3週間ほどが保存期限です。
ガーリックチキン
鶏胸肉3枚を1cm幅のそぎ切りにします。にんにくの薄切り1片分、オリーブ油大さじ2、塩小さじ1/2を準備して、鶏胸肉と共にボウルに入れて、よく揉み込みましょう。
保存袋に分けて入れ、平らなところで押さえつけて空気を抜き、密閉します。これを冷凍することで約3週間保存できます。
食欲をそそるにんにくの風味が抜群の作り置きレシピです。オリーブ油を揉み込んで冷凍することで、解凍調理をしてもしっとりと柔らかい肉質に仕上がります。
タンドリーチキン
筋と余分な油を取り除いた鶏胸肉2枚を、縦半分に切って、そこからそぎ切りにします。ケチャップ大さじ3、はちみつ大さじ3、ヨーグルト大さじ3、塩小さじ1/2、おろしにんにく小さじ1、黒胡椒少々を鶏胸肉と一緒に保存袋に入れてしっかりと揉み込みましょう。
平らな場所で、鶏胸肉同士が重ならないように広げ、空気を抜いて密閉します。この時点で分けて保存袋に入れれば必要量の保存が可能です。一つの保存袋に入れる場合は、真ん中で折ることで2回分に分けられます。
冷凍保存の賞味期限は約2週間。冷凍庫から取り出したものをそのままフライパンやオーブンで調理できます。トースターで焼く際は、アルミホイルを広げたトースター用の天板に並べて10分焼いたら、上からアルミホイルをかぶせて10分焼きます。
鶏胸肉を冷凍保存して美味しく活用しよう!
鶏胸肉の冷凍保存や解凍方法、作り置きレシピについてご紹介してきましたが、いかがでしたか。正しい冷凍保存をすることで、生のままで冷蔵保存するよりもグッと保存期限が伸びます。
また、冷凍保存を活用して作り置きをしておけば、手軽においしい鶏胸肉レシピを楽しむことができます。手の空いた時間にさっと作れるレシピも多いので、ぜひお試しください。