「敬服する」の意味まとめ!類語・感服との違いや目上の人への使い方も解説!

「敬服する」の意味まとめ!類語・感服との違いや目上の人への使い方も解説!

「敬服する」という言葉は、日常の会話ではあまり聞きなれない、少し堅苦しいイメージのある言葉です。この「敬服する」という言葉には、どのような意味や使い方があるのか、いま一つお分かりにならない方も多いはずですので、今回詳しく解説させていただきます。

記事の目次

  1. 1.敬服するとはの意味とは
  2. 2.「敬服する」使い方と例文
  3. 3.「敬服する」の類語
  4. 4.「感服・脱帽・敬服」の意味の違い
  5. 5.「敬服する」は目上の人に使っても大丈夫?
  6. 6.「敬服する」とは「とても尊敬します」という意味

敬服するとはの意味とは

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人を敬う(うやまう)ことを表す場合には、一般的に「尊敬する」が用いられることが多く、文章や日常会話でもよく見聞きする表現です。これに対して「敬服する」という表現は、あまり見聞きする表現ではありませんので、どういった意味があるのか、どのような使い方をするのか、いま一つ分からない方も多いはずです。

それでは、普段はあまり見聞きすることのない、この「敬服する」という表現について、まずはその意味合いを解説させていただきます。

敬服するとは「心の底から敬うこと」を意味する

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「敬服」とは「その人の資質や行動、振る舞いに対して、心の底から敬い、関心し尊敬すること」を表す言葉です。誰もが出来ることではない良い行いや習慣をしている人を見たときなどに、「敬服する」というかたちで表現します。

ですので、「敬服する」は「尊敬する」をより深めた、相手を敬う気持ちがより強い表現となります。それでは、実際に「敬服する」は、どのように使うことが出来るのでしょうか。次の項では、「敬服する」の使い方を例文で紹介します。

「敬服する」使い方と例文

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それでは、これから実際に「敬服」を使った例文を紹介します。「敬服する」などの表現は、日常会話などでは普段あまり使われることがありません。

ここでは、「敬服する」に加えて「敬服に値する」「敬服いたしました」「敬服される」「敬服の至り」「敬服の他ない」の計6つの表現を用いた例文を紹介させていただきますので、その使い方のコツを掴んでください。

敬服に値する

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それでは、まず「敬服に値する」の例文を紹介します。「値する」とは、「それをするだけの、相応しい値打ち、価値がある」ということを表す表現です。

従って、「敬服に値する」とは、「相手がするその行為や習慣が、心の底から敬い尊敬するだけの価値がある」ということを表す表現になります。

例文としては、「彼女は、普段からおとなしい性格ではあるが、その精神力の強さは敬服に値する。」「朝早くから毎日、怠ることな練習に取り組んでいる彼の姿勢は、敬服に値する。」「彼の料理に欠ける情熱は敬服に値する。」などが挙げられます。

敬服する

次に、「敬服する」の例文を紹介します。「敬服する」とは、先ほど申し上げた通り、「誰もが出来ることではない良い行いや習慣をしている人を見たときなどに、心の底から敬い尊敬する」ことを表す表現であることを頭に置いてご覧ください。

例文としては、「あなたの危険を顧みずに怪我人を救助した勇気ある行動には、敬服するばかりです。」「仕事熱心で残業も厭わない(いとわない)姿勢には敬服するが、そのことと効率的に仕事が出来ているかは別の話しだ。」

「彼女の先祖に対する厚い尊敬心と仏に対する深い信仰心には、敬服する次第である。」「私は、煩わしさを厭わず、何でも笑顔で相談に乗ってくれる妹に敬服するのである。」などが挙げられます。

敬服いたしました

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次に「敬服いたしました」の例文を紹介します。「敬服する(します)」が、最も一般的な使い方ですが、目上の人に対して直接伝える場合には、謙譲語に変えて「敬服いたしました(いたします、いたしております)」と表現します。

例文としては、「先生の物事に対する洞察力には敬服いたしました。」「いつもながら、社長の統率力には敬服いたします。」「先輩が、誰もやらない危険な作業を引き受けられた勇気と決意を、深く敬服いたしております。」

「私は、会長の崇高なお考えと周囲を思いやる暖かなお気持ちに接し、改めて敬服いたしました。」「いつ見ても気持ちの良いお客様対応が出来る先輩は、さすがだと敬服いたしております。」以上、「敬服いたしました(いたします、いたしております)」などが挙げられます。

敬服させられる

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次に「敬服させられる」の例文を紹介します。「敬服する」が自分の中から湧き上がった感情、気持ちを表現しているのに対して、「敬服させられる(させられた)」は「敬服に至るまでの感情、気持ちが何らかの要因がもとで出てきた」というような場合に用いる表現です。

例文としては、「自分に不利になることでも、そのことを正直に認め、解決しようと誠実に努める彼の姿勢には敬服させられる。」「日本人の礼儀正しさにはいつも敬服させられる。」

「文句や愚痴を言わず、率先して自身の役割を果たしている彼の姿をみて、改めて敬服させられた。」以上、「敬服させられる(させられた)」などが挙げられます。

敬服の至り

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次に「敬服の至り」の例文を紹介します。「至り」とは、「ある物事が最も高い、最上級の状態に達している」ということを表す表現です。従って、「敬服の至り」とは、「相手を、これ以上にないほど心の底から敬い尊敬する」という場合に用いる表現となります。

例文としては、「自身の身の危険を顧みず、彼が川で溺れていた子どもを助けてくれたことは敬服の至りだ。」「貴社ご一同が、業界の手本としてのご活躍いただいておることは、敬服の至りに存じます。」

「激しく戦った相手チームの選手を、分け隔てなく慰労する監督の思いやり、スポーツマンシップの精神は敬服の至りです。」などが挙げられます。

敬服の他ない

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次に、「敬服の他ない」の例文を紹介します。「他ない」とは、「それ以外のことはあり得ない、それに間違いないこと」ことを表す表現です。従って、「敬服の他ない」とは「相手を心の底から敬い尊敬すること以外はあり得ない(そうせざるを得ない)」ということを表す表現となります。

全ての行動を心底尊敬している訳ではないけど、この点については誰もが真似出来ない、素晴らしい行動である」というときに使える表現です。

例文としては、「常にお客様目線で物事を考えている部長に対して、敬服の他ありません。」「震災被害者の支援活動を継続している先輩方については、敬服の他ないです。」「彼は、選手としてはいま一つの成績であったが、監督としては現在のチームを優勝に導くなど、その指導力は敬服の他ない。」以上が「敬服の他ない」などが挙げられます。

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「敬服する」の類語

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それでは「敬服」と同じような意味合いを持つ表現、言葉には、どのようなものがあるのでしょうか。ここからは、「敬服」と同じような意味を持つ類語について、その意味合いや使い方の違いをなどを詳しく解説していきます。

「敬服」と同じような意味合いを持つ類語もあわせて覚えておくことで、ビジネスシーンなどで目上の人や同僚に対して使う言葉、表現の幅も広がります。この機会にぜひ覚えてください。

敬慕

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「敬慕(けいぼ)」とは、「その人の持つ人柄を心の底から尊敬し、敬い慕う」ということを表す言葉です。「心の底から相手を尊敬する」という意味を持つ言葉であることから、「敬服」の類語になります。

「敬服」は、主に相手の行動や振る舞いに対して心底尊敬する場合に使いますが、「敬慕」は相手の資質や人柄、品位について心底尊敬する場合に使います。ですので、相手の資質や人柄、品位に重点を置く場合には、「敬服」よりも「敬慕」を使った方が良いでしょう。

敬仰

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「敬仰(けいぎょう)」とは、「相手を敬い、仰ぎ(あおぎ)みる」ということを表す言葉です。「仰ぎみる」とは、「上を向く」という意味のほか、「尊敬する」という意味を持つ言葉です。

ですので、「敬仰」は、「相手を敬い尊敬する」という意味を持つ言葉であることから、「敬服」の類語と考えられます。「敬仰」には、「仰ぎみる」と意味合いも含まれていますので、謙譲語にして「敬仰いたします」として用いることで、目上の人に対して適した表現、言葉になります。

心服

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「心服」とは、「相手を心の底から敬っており、その人物に従う」という意味を持つ言葉です。「相手を心の底から敬う(尊敬する)という意味を持つ言葉であることから「敬服」の類語と考えられます。

ただし、「敬服」が相手の行動や振る舞いを心底尊敬する場合に使われる言葉であるのに対して、「心腹」は特定の人に対して心酔している状況を表す際に使われる言葉となります。

「敬服」が、そのとき垣間見た、相手の行いや振る舞いに対して使われる言葉であるのとは違い、「心服」はその人自体、その人全体に対して、尊敬するときに使われる言葉となります。

感服

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「感服」とは、「心の底から感動し、気持ちが動くこと」を意味する言葉です。「敬服」も「感情や気持ちがを揺り動かされることで、結果として尊敬の念を抱くようになる」ということになりますので、そういった意味合いから「感服」は「敬服」の類語と考えられます。

ただし、「感服」は「敬服」とは対象が違います。「敬服」は人の行為や振る舞いが対象であるのに対して、「感服」は人が持つ技術もその対象となるからです。

「こんな技術はなかなか真似できない」「そうそう出来ることではない」と思えるようなた場合に、「感服する」「感服させられる」として使います。

脱帽

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「脱帽」は、「(帽子を脱いで)敬意を表すこと。また、降参の意を表すこと」を意味する言葉です。「敬服」と同じく、相手を敬い尊敬する気持ちを表す意味合いを持つ言葉ですので、そういった点から「敬服」の類語と考えられます。

しかしながら、「敬服」は相手に対して純粋に尊敬の念を表しているのに対し、「脱帽」は、「相手が優れており、とてもかなわない、ある意味で「降参」「負け」という意味合いが含まれており、相手に伝わるニュアンスが明らかに違います。

敬服

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「敬服」とは、先ほどから申し上げている通り、「その人の行動や振る舞いに対して、関心し尊敬すること」を表す言葉です。

この「敬服」と、5つの類語の持つそれぞれの意味合い、使い方の違いをここまで解説させていただきましたが、ご理解いただけたでしょうか。

それぞれの言葉の持つ意味合いや使い方の違いを理解し、しっかりと使い分けが出来るようになれば、ビジネスシーンでも大いに役立つはずです。堅苦しい表現、言葉だからといってスルーするのではなく、しっかりと覚えておいてください。

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「感服・脱帽・敬服」の意味の違い

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それでは、ビジネスシーンでは比較的良く使われる「感服・脱帽・敬服」の意味合いや使い方について、それぞれの違いをもう少し詳しくみていきましょう。

「感服」は、その人の行動や振る舞いのほか、持っている技術や技能に対して敬意を払うという意味があります。対して「敬服」は、その人の資質や行動、振る舞いに関心し、尊敬するという意味があります。「脱帽」は、「(帽子を脱いで)敬意を表すこと。また、降参の意を表すこと」を意味する言葉です。

3つの言葉に共通しているのは、全ての言葉が相手に対して関心し、敬意、尊敬の念を表するする気持ちを表現している点です。ただし、「感服」「敬服」は純粋に相手に対して感動を伝えているのに対し、「脱帽」は「降参」「負け」というニュアンスが含まれています。

「感服・脱帽・敬服」の使い方

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それでは、「感服・脱帽・敬服」の使い方を例文でみていきましょう。「若いのに活躍している野球選手のインタビューを聞き、その受け答えに感服した。」「どんな苦しい状況にあっても、必ず成果につなげる貴社営業マンの実力に感服した。」

「教授の熱心な研究への取り組み姿勢には、いつも敬服いたしております。」「彼の大学合格に向けた意欲と熱心さには脱帽した。」「彼の見事な包丁さばきには脱帽した。」以上が「感服・脱帽・敬服」の例文となります。それぞれに使い方がありますので、その違いをこの機会にしっかりと理解しておきましょう。

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「敬服する」は目上の人に使っても大丈夫?

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「敬服する」は目上の人に使っても大丈夫?と疑問を持たれる方も多いはすです。確かに「敬服する」という表現は、「相手の行動や振る舞いを心の底から敬い尊敬する」ことを表す表現です。

しかしながら、「敬服する」を使う相手は、あくまでも目下の人や自分と同格と思える人物になります。目上の人に対する使い方については、次の項で解説します。

使い方に注意

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目上の人に対しては、「敬服する(した)」の謙譲語である「敬服いたします(いたしました)」を使うようにしましょう。

「敬服する(した)」の「する(した)」は、相手の立場や状況に関係なく、自らから行う能動的な行為を表す表現ですので、目上の人に対して使うのは適切ではありません。

ですので、目上の人に対しては、「敬服する」の謙譲語である「敬服いたします」を使うように注意してください。

敬服と同じように注意が必要な言葉

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「敬服」を目上に人に対して使う場合には、謙譲語である「敬服いたします」で表現する必要があります。「感服」「脱帽」についても、「敬服」と同じように使い方には注意が必要です。

「感服」は、「敬服」と同じように目上の人に使っても良いと言う意見と、目上に使うと失礼だという二つの意見に賛否が分かれています。ですので、目上の人に対しては、無理に「感服」を使うよりも「敬服」を使った方が無難です。

また、「脱帽」についても目上の人には使わない方が良いとされています。目上の人に対して、「降参して自分より上であると認める」というのは失礼です。

ですので、「脱帽」も目下の人か同格の人に向けて使うようにし、目上の人には決して使わないよう注意してください。

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「敬服する」とは「とても尊敬します」という意味

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「敬服」という言葉について、その意味合いや使い方を、類語との違いなどを交えて詳しく解説させていただきました。

「敬服」という言葉は、確かにビジネスシーンなどを除き、普段の日常生活ではあまり見聞きする言葉ではありません。「敬服する」とは、「とても尊敬します」と意味ですので、わざわざ使う必要もないといえます。

ですが、「敬服」のような少しかしこまった言葉を正しくさらっと使えると、「この人は出来る人だな」と一目置かれるのではないでしょうか。かしこまった難しい言葉だからと嫌がらず、自分の言葉として使えるようにしていきましょう。

敦
ライター

某銀行系のクレジットカード会社に勤めるおじさんサラリーマンです。高速道路を使わない下道ドライブ大好き人間です。仕事柄、キャッシュレスやキャッシングに関する知識は豊富です。

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