頭が透明な深海魚デメニギスの謎に迫ってみよう!
深海で生活する深海魚は、まだまだ謎に満ちている世界です。その中でも変わった容姿であるデメニギスの謎に迫っていきます。デメニギスは太平洋の深海に住んでいると言われていて、一体どんな不思議を持っている深海魚なのでしょう。
頭が透明な深海魚デメニギスの特徴
デメニギスの特徴として目立つのが、不思議な透明の頭です。頭部が透けて見えていて操縦席のような緑のパーツが2つ並んでいます。内側には黒い脳が存在しているようです。深海魚の中でも頭が透明な魚はデメニギスだけとされていて、見た目からして不思議な特徴を持っています。
深海魚デメニギスの特徴①体長14cmの深海魚
デメニギスは画像や写真で見ると、アップな画像が多いためとても大きく見えますが、実際は約14cmほどのとても小さな深海魚です。そんな小さな深海魚なら、おもちゃのような可愛さに見えてきませんか。実際のデメニギスを見たくなってきます。
深海魚デメニギスはどこにいる?
デメニギスは一体どこにいるのか調べたところ、水深400m〜800mの深海に生息しており、亜熱帯海域に暮らしているようです。私たちが住んでいる日本でもデメニギスの生存が確認されていて、北海道全域、東北より上の海域に生息していた事が分かっています。
北海道で確認された際には、仕掛け網に掛かった状態で発見されたそうです。もちろんキレイな状態ではありませんでした。デメニギスが泳いだ状態で撮影されたのは2004年と、ごく最近の事なのでまだまだ謎が多い深海魚である事は確かです。
深海魚デメニギスの特徴②頭が透明
デメニギスは上記でもご紹介したように頭が透けていて、透明なヘルメットのような頭です。この透明な部分にデメニギスの全機能が集中して詰まっているのです。透明な頭部はどうなっているのか不思議に感じますが、ゼラチン状で質感もまさにゼリーのようにプルプルとしています。
深海魚デメニギスの特徴③目の特徴
デメニギスの目は画像で見ると、頭部の前方の2つの窪みが目に見えますが、実はこの部分は目ではなく鼻孔でナーレと言われています。どこに目があるのかというと、透明な頭の内部にある緑色の部分に目が格納してあります。この透明なヘルメットのような頭に目があるのは驚きです。
深海魚デメニギスの名前の由来にもなった
デメニギスの名前の由来は、金魚の出目金からきているそうです。出目金は目が飛び出ているのが特徴的で、デメニギスも目が飛び出ているように見えます。ニギスの仲間でも目が飛び出て見えるため、デメニギスという名前になったようです。
頭が透明な深海魚デメニギスの生態
なぜデメニギスはこのような不思議な姿をしているのでしょうか。透明な頭の部分は何か理由があって、あの特徴的な姿になったのでしょうか。緑色の部分は一体どんな役割があるのかも気になります。デメニギスの不思議な姿の理由について詳しくご紹介していきます。
デメニギスの特徴的な目の理由
デメニギスの特徴でもある2つの緑色の目は、優れた機能を持っています。エサとなるクラゲや小魚を探し出す探索する機能と、エサを追尾して捕まえる捕獲機能の両方を持ち合わせています。デメニギスの目は上向きなので、今までは上方向しか見れない深海魚だと思われていました。
しかし、生きているデメニギスの捕獲に成功して観察したところ新事実が発覚しました。エサを発見すると目が上から前に回転して、デメニギスの目は可動式だという事が明らかになったのです。上方向、前方向、横方向と目を動かしてエサを捕食しているのです。
緑色の目は双眼鏡のようで、獲物が見えやすいようにするためだと考えられています。また、深海では光が少ないため少しでも光を感じやすく、他にも獲物の影を捉えることができるためではないかと言われています。緑色なのはフィルターの役割も果たしてくれるそうです。
盗み食いをするデメニギス
デメニギスの主食はクラゲと言われていて、クタクラゲの食べているエサを盗み食いすると研究者が言っています。クラゲに絡まっている小魚などをデメニギスが狙い、盗み喰いをするようです。深海の厳しい環境がそうさせているのかもしれません。
デメニギスの動き
デメニギスは活発に動く魚ではなく、普段はじっとしていることが多い深海魚です。エサを捕獲するときにだけ動くと言われていて、ゆっくりと動くクラゲを捕食の対象にしているのです。ただ、危険が及んだ時のデメニギスの動きはとても俊敏な動きをするそうです。
俊敏に動くことであの透明な頭が破裂したりしないのか心配になりますが、デメニギスは俊敏に動ける魚だと言うことも分かっています。普段はヒレで安定をとって、エサの捕獲をしているのがデメニギスです。
デメニギスの透明な頭の理由
デメニギスの頭が透明な理由は頭を守るためだと言われています。頭部の中はゼラチン状なので、デメニギスのエサとされているクラゲの針を通さず、安全に食べる事ができます。毒を持っているクラゲもいるため、針や毒などから頭を守るためこのような姿になったのでしょう。
もう一つは透明な頭の内部に目があるため、視界をクリアにするためと言われています。緑色の目を十分に活用するには、頭が透明であればとても好都合です。大切な目を外敵から守り、視界をクリアにするために頭が透明に進化したのでしょう。
デメニギスの見た目はグッズ化
デメニギスは約14cmほどの小さな深海魚で、深海生物でもかわいいと人気です。デメニギスの個性的な見た目はグッズ化されて、フィギアや靴下、Tシャツのグッズなども販売されています。ハンドメイドでデメニギスグッズを作成している方も多くいて、とてもかわいいグッズが多くありました。
漫画家の西原理恵子先生(毎日かあさんが有名です)も、デメニギスファンでありブログでも紹介していました。クリスタルな頭部と光る尾びれ、しかも小さいとなるとかわいいと感じる方も多くいるのかもしれません。
また、期間限定で深海生物おっとっとも販売されており、お店で見かけたら是非購入してみてはどうでしょう。お友達や親子で面白い深海生物を探して楽しむことができるのでおすすめです。デメニギスも入っているので、探してみてください。販売は2020年2月中旬からなので、要チェックです。
デメニギス深海特別展も開催された
2017年に上野にある国立科学博物館で深海特別展が開催されています。そこでもデメニギスの標本や映像が展示されていました。2013年の夏にも開催していて、なんと60万人の人が来場したそうです。深海魚の人気はかなりあるようです。
深海特別展が2013年後の4年後の2017年に開催されているので、2021年頃に開催されたらと期待が高まります。深海特別展がまた開催されるのかは未定ですが、開催された際には是非来場してみて下さい。
頭が透明な深海魚デメニギスの味は?
デメニギスは不思議な姿をしているので、あまり美味しそうには見えない深海魚です。とはいえ、魚ですから食べることもできそうですが、実際には食べられるのでしょうか。フグのような毒もあったりするのかも気になります。ここでは、デメニギスは食べられる魚なのかをご紹介します。
デメニギスを食べた話はない
デメニギスの存在が発見されてから約80年の年月が経っていますが、今現在までデメニギスを食べたという報告はありません。デメニギスは捕獲されることも多くないため、捕獲されたところで食べるというより、デメニギスを調査する方が優先されるのでしょう。
デメニギスは毒を持っていない
デメニギスはフグのような毒はなく、食べられない事はない深海魚です。脂がのっていて美味しいだろうという情報もありました。デメニギスが流通される事は少なそうですが、もしかしたら今後デメニギスが食べられるお店が出てくるかもしれません。
研究機関で解剖した結果でも、デメニギスから毒が発見される事はなかったようです。デメニギスはニギスという種類の仲間で、ニギスは食用として安く手に入る食材でもあります。ですから、デメニギスは食べられなくはない魚という事が分かりました。
頭が透明な深海魚デメニギスは謎が多い!
深海魚でもインパクトある見た目のデメニギスは、まだまだ謎の多い深海魚です。頭部と尾びれは透明なので光り、輝く緑色の目はある意味とても神秘的な深海魚です。デメニギスは捕獲されても透明な頭の部分がとてもデリケートなため、生きた状態での捕獲は難しいと言われています。
デメニギスの生態は、まだまだきっと謎が多くあるのかもしれません。生きた状態のデメニギスを陸地に浮上させるのはとても難しいため、研究するまでがこれからも大変なのでしょう。しかし、デメニギスの新しい謎が明らかになるのを楽しみにしてみてはどうでしょう。